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Episode78 "北東にて"

瀬名達が塔内で奮闘していた頃、バルトロメウス一行は北南にあるプリギュアを発ち北東へと向かっていた。


「流石に長い事、歩いたわね。」


リディアが愚痴を漏らすほど長い道を横断してきたバルトロメウス一団。カライスは額に溜まる汗を拭い息を吐く。バルトロメウスは口数が少ないのも合わせ今では一言も話していなかった。勇逸元気な者は、


「わはは!皆、たるんでるぞ!そんな事ではいざ敵と遭遇した時どうすると言うのだ!」


セレナは笑う。彼女の背中には疲れのあまり倒れたレシが乗っていた。


「セレナ......うるさい........頭.......キンキンする」


砂漠の様な大地を数十キロと言う道を進んだのだからしょうがないと言えばしょうがないだろう。それに付け加え砂漠には巨大なムカデ、獣、そして小さな王までも存在するのだから常に警戒を高めておかなければ命はない。⚠︎小さな王とはバジリスクである。


「極力戦闘を避ける様には動いていたが.......」


砂漠の獣達と無益な争いをしないよう道を迂回して歩いていたが、此処からは先はそうも言っていられない。


「皆、武装しろ。此処からは一点突破する。」


要約するに身体を強化し先へと敵関係なく進もうと言うのだ。


「やっとね。貴方がどうしても穏便に道を進みたいと言う物だから着いて来て見れば....最後はこうなるのね、〝団長”さん。」


嫌味を言う様に言うリディアに内心イラつきを感じるバルトロメウスだが、彼女の言う通り最後は力押しになってしまった事に反省を感じる。


「.....おまえ....飛ばない...何で?」


セレナの背に乗りレシが唐突に口を開いたかと思えばカライスへと向けての物だった。カライスは苦笑いをし、レシの質問へと答える。


「兄が新西王の命令により処刑された際に私も共に咎を受けたのです。その形が此れですよ。」


二枚あった筈の翼は一枚へと減り白く美しかった翼は灰色へと変色していた。


「.....そう....肉親を失う事は確かに悲しい.....だからと言って、レヴァンを殺した貴方達を許す訳では無いことを覚えておい.....て......」ガクリ


レシは話した事で体力を消費したのか再び眠りへと着いた。


「好きかって言ってくれますね...貴方とて、我らの同胞を何百と切り伏せたではありませんか。」


(.....私は一人になってしまった...)


カライスはそう言うと何処か悲しい表情をした。するとそのカライスの表情を察っしたのかセレナはカライスの肩に手を置き優しく笑った。


「はは、私もレヴァンを失ったのは悲しいし君達東兵が恨めしく感じるが......私はどうもそう言う表情に弱いらしい。我らは仲間だ。今は信頼しあえずとも時がいずれ我らの絆を生み出すだろう。」


そうセレナは言い残すとセレナは先頭に歩くバルトロメウスの元へと歩いていってしまった。


「絆.....ですか。」


懐かしいその言葉にカライスは晴天の空を見上げた。


「それでは行くぞ、くれぐれも移動の際はあまり離れるな。」


強化を使い高速歩法をする際、速度を仲間に合わせ移動するのは至難の技だ。団長クラスの技量が合って初めて合わせる事が出来る。仮に瀬名がこの場にいたらセレナか誰かに背負われる事になっていただろう。


「......邪魔だっ!」


団員達は一気に砂漠を駆け抜ける。時折サンドワームらしきムカデが自分達を捕食しようと遅い掛かるが全てを切り伏せる。それから何も話をする事なく直線を進み続けた。すると都市らしき場所を発見し、碧門の下まで一団は足を伸ばす。


「........守備兵もいない。それに、都市へと繋がる門が開門されている。」


バルトロメウスは槍を前に構え皆に警戒度を高める様に視線を送る。


ヒュンッ! カキン


矢がバルトロメウスを遅いそれを自槍で叩き落とす。


「ちっ......」


静かな舌打ち。バルトロメウスは風の加護を使い矢を放った人物の場所を特定する。その人物は門の最上の位置、監視塔にて身を隠していた。


(複数人いるわけではなく.......一人か)


「出てこい。オレ達はお前に危害を加えるつもりはない!」


バルトロメウスがそう叫ぶ。すると少年が姿を現し再び矢を放って来た。バルトロメウスはそれを弾こうと槍を振り下ろそうとしたところ、リディアが自身の前へと出、その矢を自ら弾いた。


「聞き分けのない子供は黙らさせた方が早いわ。」


リディアはそう言葉に出すと即座に門を駆け監視等へと辿りつく。


「うわっ!.....い、戦神の軍兵め!家族の敵、殺してやる!」


リディアのいきなりの登場に腰を抜かしながらも逃げず矢を降ろし短刀を構える少年。


「戦神の軍兵.......ね。」


リディアは少年の短刀を彼の見えぬ速度で弾き飛ばし胸ぐらを掴む。離せと抵抗するがリディアは眉一つ動かさず少年の眼を捉える。


「聞かせて貰おうかしら........この都市に何があったのかを。」


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