Episode50 "繋がりから次階へ"
「「うん!」」
元気に返事を返すキュベレーの声に驚き表情を唖然とさせているとアルセイド達が怪しげに自分を見て来た。どうやら指輪を嵌めている者にしか声が聞こえないらしい。
「これって、プリギュアからの連絡....?」
「やぇ!」
自分のほっぺを両端から花嫁達につままれ瀬名は台詞を中断するがキュベレーが嬉しそうに相槌を打ってくれる。
「ちょっと、やめてくれよ二人とも「誰と話してるの?」後で言うから待ってて、」
子供をあやすように二人を撫でると子猫が気持ちよく目を細めるような表情となり落ち着いた。
「すいません、今、実は北西にい「うんうん、妾は行くぇ!」
即答かい!と心の中で呟く。
「それがかなり特殊な場所らしくてで「そんな物どうとでもなるぅ!」キュベレー様......「それで其方は」ってうわ!?何するの!ネーレイスちゃん!?え、アルセイド!?指輪をはずむっ!」
瀬名は遠慮せず援軍の要請を頼もうとしたのだがキュベレーと言う名を出した途端、アルセイドの顔つきが代わりネーレイスに身体を拘束され指輪をもぎ取られた。反抗しようとしたがネーレイスに首を動かされ大人な口付けをさせられた。
「チッ、しょうがないか。ネーレイス、そのまま抑えてて。」
嫌悪感丸出しだが妥協したようにネーレイスの行動に頷き指輪を嵌めるアルセイド。
「むちゅ、むっ、はい!」
一方此方は抜け出そうとしているのだがネーレイスの力が強すぎて反抗出来ない。口の中を彼女の思うがままに蹂躙される。
「.......大地母神?」
アルセイドは眉間を寄せながら嫌そうな顔でキュベレーへと話しかける。
「.....ニュンペー、何をしておるぅ?早うジョンにぃその指輪を返しんすぅ。」
キュベレーはお前になど興味は無いと欠伸を吐くようにアルセイドへと言うとアルセイドは勝ち誇った顔を作りキュベレーへと言いつけてやった。
「負け犬が何を言ってるの?セナはアルセイドの物だよ。そしてアルセイドもセナの物。一緒にも寝たし一緒にもお風呂に入った。「はぇ!?」.....ふ、私の勝ち。」
一体何が勝ちで何が負けなのか理解が出来ない.....
「......薄汚い溝鼠がぁ、貴様はぁ、早ぅジョンに変われと言うておろうぅ!!「じゃあもう切るね」なっ!?待ちんす!!.......っ」
アルセイドが指輪を外してポイっと投げ捨てると此方らへと戻って来てネーレイスの頭部を持ち上げる。
「む!今良いところだったんですよ!」
(此方は窒息死しかけてたのですが)
アルセイドはキッと睨みつけるとネーレイスはニヤリとほくそ笑む。
「長い。」
そしてアルセイドは指輪同様、アルセイドもぽいっと投げ捨てると自分の膝の上に座った。
「あの〜アルセイド、キュベレー様は、なんて?」
アルセイドは頰を膨らませると太ももをつねってきた。
「痛っ!?「浮気をするなんてダメ。」
アルセイドがギュっと両腕を掴みアルセイド自信を抱き締めるように持って行く。
「アルセイドだけがこの温もりを感じていたいの、分かる?」
瀬名は苦笑いを浮かべつつ指輪の位置を目で探す。すると指輪は主人である瀬名の元へ戻ろうと動き出すが寸前の所でアルセイドにキャッチされ妨害される。
(ビックリした、指輪にこんなギミックが入ってるなんて、)
⚠︎キュベレーが疎通を切られる前に神気を通し施した仕掛けに過ぎない。
「また、あの蔦女は......」
アルセイドは指輪を嵌めキュベレーへと答えようとするが、
「聞こえるか、ジョン。」
聞こえてきた声は男の声だった。
「.......ん、貴方だれ?」
「ジョンではない.....?貴様、何者だ。」
大地母神ではない何者かの声にアルセイドは興味が失せ指輪を外そうと手をかけるが、
「知らない人とは話さな「ちょっと、アルセイド何してるの!」
瀬名はそれを止めた。終始アルセイドの嵌める指輪へと手を当てていたのだが中々アルセイドが離そうとしなかったのでそのままの状態でいたのだが聞き覚えのある男の声が聞こえてきた。そしてこの指輪に触れて入れば当事者でなくても声が聞こえてくる仕組みであることも分かった。
「アルセイド、指輪貸してくれ「や!」お願い「やっ!」何でも言うこと聞きますから「ん?」
するとすぐにすっと指輪を外し自分の指に嵌めにっこりと微笑んでくれた。
(まずいなぁ、勢いで言ってしまった。しかも凄く嬉しそうだ。)
どう回避しようかと考え沈黙していると声が脳へと響いてきた。
「おい、」
バルトロメウスの声。久しぶりに聞いた気がするが実は一日しか経っていない。
「ご、ごめん!ちょっと立て込んでてさ、」
「いや、お前が生きていた事を確認出来ただけでも幸運だ。」
嬉しい事言ってくれるじゃないと顔を綻ばせる。
「お、おう!」
(何だか少し照れくさいな、へへ)
俺は断言するがホモではない。
「む、今の顔、見た事ない。」
アルセイドが又もや頰を膨らませるとネーレイスが戻って来た。
「あ、アルセイドちゃん!!ひ、酷いです!!いきなり、投げるだなんて!!」
(いや、ネーレイスちゃん、あ、新しい、か、快感!とか言って悶えてだだろ、そこで。)
ネーレイスはゴミを扱うようにアルセイドに投げられた後、頰を染めジタバタと横で転げまわっていたのだがようやく正気に戻ったようで立ち上がり此方に戻って来た。
「煩い!ネーレイス、しっし」
アルセイドがあっちに行けと手で払う仕草をするとネーレイスは怒ったように声を上げるが顔は罵倒された喜びで口元が釣りあがっていた。
「も、もう、じゃあ、半分どいて下さい!!それで良いです「や」........んんん!!!分かりました、なら「や」」
ネーレイスも自分の膝の上に乗りたいようでアルセイドにスペースを空けるように言うがアルセイドは否定する。
「ジョンの何時ものアレだ。」
(おい、ジョンの何時ものアレって何だ?今絶対にリディアに返した言葉だろ!)
バルトロメウスの言葉に反応しジト目になるが目の前は凄い事になり目が見開く。
「もう、我慢の、我慢の、我慢の、我慢の限界です!!!ジョ、ジョン君はわ、わ、私の物なんです!!ど、同郷のよしみでい、これまでのジョン君への不敬を許して来ましたが、もう、我慢の限界です!!」
ネーレイスの周りは水滴が浮き、そして落ちるが繰り返し行われていた。するとアルセイドは立ち上がりネーレイスを見るとネーレイスは直立したまま動かなくなった。
(これって欲に言う幻術をかけたってヤツなのか?)
アルセイドは直立し前だけを見ているネーレイスの元へと歩いていく。
「夢の世界はどう?」
アルセイドはネーレイスの頰へと指をあて滑らせていく。するとネーレイスは崩れ涙を流しながら首を掻き毟り喜びに満ちた顔でアルセイドを見つめていた。
「ああ、ああ、ああ、最高です!!痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが、痛みが!!痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛みみみみみみがああああああ私の身体を支配するぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううう!!!はあ、はあ、キモチイッ//」
(うわ、幻術の権能に呑まれたのか、ネーレイスちゃん。)
記憶を共有した事である程度の能力は把握してはいるが、アルセイドの権能の内の一つ幻術はまさに常軌を逸している。幻術世界の時間は操るままに変化でき具現化も可、そして夢を魅せる事で自身の傀儡として動かす事も可能とラスボス極まりなり能力の持ち主なのだがさらにもう二つの権能も持っていのだ。
(反則級に強いんだけど、)
「アレェ?も、もう、終わりですかぁ?」
ネーレイスはネーレイスで耐久性もずば抜けている。そして色っぽい顔でそう聞くネーレイスにアルセイドは冷たく視線を向け言葉を発する。
「九日間の拷問、殺害を繰り返したけど、ネーレイス、変態だね」
あの一瞬で九日間の幻術を魅せていたのだ。ネーレイスは未だに身体をぶるつかせながら荒く息を吐いてる。だが何処か幸福に見えたのは黙っておこう。
(...........あ!)
すっかりバルトロメウスの事を忘れていた瀬名は思い出し駆け足で説明していく。
「.......っ、バ、バルトロメウス!!オレ達は「オレ"達"?」そこは追々説明する!今、確かオレ達は北西にいる。何とかしてここを突破するから「北西ならオレ達が」通らない方がいい!此処はヤバい!行くなら北東を迂回して北北に行った方がいい!「ならばよりオレ達が」ああああああああもうっ!!バルトロメウス、北北で合流!!定期的に連絡する!以上!」
通信を切るため指輪を外し二人の真ん中へと立ち仲裁へと入る。
「喧嘩!ダメ!絶対!」
二人の顔は何処か歪んで見えたが瀬名に殺気を漏らさないようにはしてくれていた。
「どいて、セナ?邪魔な魚貝は今摘み取ってしまった方がアルセイド達"二人"の生活に支障が出ないから」
「そ、そうです!ジョ、ジョン君を奪おうとする毒茸は除去した方がわ、私とジョン君のラブラブライフには、グヘヘェ、ひ、必要なんです!」
二人は自分に近づきそう進言するが瀬名は溜息を吐き宣言する。
「喧嘩しないなら一人ひとつ!俺にできる事なら言う事を聞く!!」
瀬名が宣言したと同時にいつの間にか二人は握手をしていた。
「アルセイドは二つ、でしょ?」
アルセイドは握る手を離し瀬名へと抱きつきそう聞いた。
「い、いやぁ「え!?あ、アルセイドちゃんだけズルいです!!私も二つにして下さい!」え、それは「イヤだ!イヤです!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダァーーーー!!!二つじゃあないとイヤですー!!」
ネーレイスは地面に倒れ幼児のように駄々をこね始めた。
(可愛いから許されるって風潮、一理あるなぁ。)
瀬名はネーレイスの姿を見ながらそう感じる。
「二つ!二つにしてくれてなきゃイヤですぅ〜〜〜!!あああああ、もう、アルセイドちゃんばっかりズルイ!!わ、私も甘やかされたい!たい!たいたいたいたいたぁーーーーーい!!!!.........です。」
「ああ、もうネーレイスちゃんはしょうがないなぁ。あんまり無理なお願いはやめてくれよな?」
「ああ、ああ、ああ、ジョン君!!貴方はせ、聖人です!!アイシテマス、そう、愛してます!」
ネーレイスもアルセイド同様自分へとひっつき両手に華の状態になった。
(ハーレム主人公みたいに難聴やら鈍感スキルを持っていればかなり楽だったんだろうなぁ。)
「まぁ、何はともあれ行くとしましょうか!!」
オデュセウスが開いたであろう通路へと目指し神殿を後にする。
「あれ、そう言えばアルセイドが連れてきた牛頭は?「殺した」え!?何で!?「だってセナを殺そうとしてたんだもん。」え、全然そんな素振り見せてなかったけど.....「セナ、あの白い家畜の両眼潰したでしょ?」う、うん。「迷宮にいる家畜達、みんな視界をあの白いのと繋げてるんだよ」え、えぇ、知らなかった...」
「でも大丈夫だよ。アルセイドがちゃんと殺しておいたから。」
褒めてと頭を突き出すアルセイドに苦笑いながらに撫でてあげる。
「あ、ネーレイスちゃん、言い忘れてたんだけど、ごめん、大切な剣、両方ともなくしちゃった.....」
ネーレイスは笑顔で気にするなと言ってくれた。
「あのレイピアは高水準の神聖を施しているので心残りはありますが、あれ以上の物も時間を掛ければ創れますし、大丈夫ですよジョン君!」
かなりの斬れ味を誇るあの名剣、何よりもあれだけ酷使したのに刃こぼれもしなかった。使い手が使い手なら戦場で一騎当千を誇る程の相棒となっていただろう。しかし、ネーレイスちゃんはあれ以上の物を簡単に創れると言った、刀鍛冶、いや製造の技術においても権能を持っているのだろう。
「......あのさぁ、一応聞くけど、お願いは何を頼むつもり?」
恐る恐る聞いてみる。出来る事ならハグやら肩揉みくらいで勘弁して欲しいが。
「うーん、そうだなぁ?」
「そうですねぇ?」
「「交尾(でしょうかぁ)」」
どストレートな要求に瀬名は愕然とするが直ぐさま平常に戻り前を向く。
(.......聞かなかった事にしよう、よし、そうしよう。)
「や、やれやれだぜ、先を急ごう。」
二人は返事は?と聞くが無視をし通路を一人で先に駆け出していくのであった。




