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Episode1 "プロローグ1"

ア二メや映画みたいな世界に行きたいと思ったことはないだろうか。誰しもが常日頃からこの感情を心の内に秘めていると思う。


自身が小学生のころ自分は特別な存在で正義の味方のような存在になれるものだと信じていた。しかし現実はそう甘くはない。警察官や自衛官はたまた消防士にでもなれば‘それ’に近いものにでもなれるのだろうが心は満たされないだろう。


中学生にあがりたての頃、自分は空想上の英雄のような存在には決っしてなれないことに気づく。それからはいろいろな物に挑戦をするようになった。スポーツ、料理、音楽といろいろな物に手を出しては飽きを繰り返し初めての受験に突入する。


母子家庭で育ち自分の母に負担心配をかけないよう勉強面だけはしっかりと行なってきた。その努力は報われ地元では有名な公立の高校に合格することが出来た。ここでも只々つまらない日々が過ぎて行く。


友達はいるのかと聞かれればいるのかもしれない。友達の定義がどの範囲によるかだが。一緒に遊びに行く仲からが友達なのかそれとも校内で昼食を共にしたら友達なのかはたまた会話をしたら友達なのかオレにはよく分からない。認めるよ、友達はいないんだよバカ。


いつからかあまり笑わなくなった。笑わなくなったて言っても心の底からって意味なんだけど。最近は音楽を聞きながら空を見上げるのが大好きだ。海風にあたりながら夕日を眺める。至福の喜びを感じる。


部活はやっているのかって聞かれればやっていたって答えるよ。部活内でのイジメは見ていてつまらないからね。ちなみに演劇部に入ってたけど数ヶ月で止めたよ。


高校はバイト禁止だけどバイトは母子過程を理由に許可を貰っている。っても母は一流企業に務めるエリートビジネスウーマンで金銭面ではそのへんの一般家庭よりは余裕がかなりある方だ。母は放任主義でいつも自分に対し好きな道を進めばいいと言ってくれる。


「ジョン、アンタ絶対あれでしょ?」


食事を終えテレビに顔を向けていると対面側に座る母が話をかけてきた。


「犬が轢かれそうになっても助けない。イジメを見ても助けない。困っている老人をみても大丈夫かと声をかけない。他人に関心がないって訳では無さそうだけど人と距離を置きたがるタイプねアンタは。私に対してもどこか最近冷たいし。」


いきなり訳の分からないことを言い出す母にオレはいきなりどうした?と尋ねてみる。


「いや何、中学までのアンタは何でもかんでも首をつっこんでは助け怒られを繰り返しててけっこう喜怒哀楽が激しいやんちゃボーイだった筈何だけど、いつからそんなんになったわけ?黙ってクール気取ってればカッコイイとか思っちゃう痛い奴じゃないわよね。」


この母親は自分の息子に恨みでもあるのか。でも本質は間違っちゃあいない。いやむしろ正解です。最近某忍者漫画を読んで復讐系クズがツボにハマりまして真似をした所抜け出せなくなり高校では変人扱いのぼっちになりました。


「うーん、ライダーベルトが装着できなくなった頃かなぁ?大人になったってことだよ。」


開き直って肯定してしまう自分。あながち正義のヒーローとか超能力に目覚めたりとか出来ないって悟ったころからこんな痛い性格になっちゃたので矯正するにはかなりの労力と時間がいるだろうと自分なりに分析してみる。まぁ表に出したのは高校入学時と言う何とも言えない時期だったが。


「いやでもカッコ良くない?何か自分は他とは違うんですオーラを放つことで優越感に浸れるって言うか。」


母は自分がまだ話と言う名の言い訳をしている途中で自分の意見を押し付けたてきた。


「大人ですってぇ?アンタもしかして学校でもそんな態度とってるんじゃあないでしょうね?」


ギクっ!と身体を震わせると母は目を細めた。


「やっぱしねぇ、アンタ周りからドン引きされてるわよぁそれ。いじめは無さそうだし心配はしないけど大学ではそのキャラは捨てなさい。友人を作った方が大学内での生活成績では有利に働くから。それと不純異性行為は我が家庭では禁止です!」


明日は高校の卒業式だ。この態度のせいで彼女は出来なかったけど来月からは大学時代に突入だぜ!彼女は欲しい?いや主にエッチな事がしたいです! と複雑な顔を浮かべ考えに没頭する。


「アンタ......まさか、既にいるとか言わないでしょうね?いるの?確かにアンタは美男だからしょうがないでしょうけど.....もし仮にいたとしてもお母さんは認めませんからね!!」


焦る声で息子に彼女の有無を問う母上、しかし何故焦るのだろうか。


「ふっ、イケメンなのは認めよう。何せ美人な大和撫子系母上とヨーロッパ生まれの父の間から生まれたハイブリッドなのだから。だが甘い!彼女無し=年齢のチェリーボーイだぜ!」


くっ、何故だ!何故アニメ的な出会いがないんだ!告白がされたいんじゃない、したいんだ!!燃え上がる程の恋を感じたい!!!


「はあ〜よかったぁ!アンタの初めては私が頂く予定だったと言うよりもそうするつもりだから。」


一瞬頭がフリーズした。


「え〜今何て言ったのお母上?」


「聞こえなかった?」


挿絵(By みてみん)


「オマエノドウテイワタシノモノ」


誰だこの人!?お母さんは何処へ?


「えっ、怖い怖い!自分の息子に堂々とレイプ宣言!」


あれれぇ、おかしいなぁー(某探偵風)。母はもっと常識人だと思ってたんだけど。


「ほら私って、近親相姦系ヤンデレ女子だから。」


うん、全然違いました。常識を超えて来たよこの人。しかもそれ初耳です。


「自分のこと近親相姦系ヤンデレ女子って........」


あれ数分前までは普通に家族してたのにおかしいなぁ。


「ねぇ、私はあなたが成人するまでは手を出さないつもりでいい母親を演じて来たの、でももう女としての私は我慢が出来ないの!わかる?私の気持ち!!」


うん、わかりません。


「明日は卒業式、待ち遠しいはぁ〜」


まぁ、話しは戻し(母から眼を背けて)母の言うとおりオレは昔のように正義感溢れる主人公体質から脱っしどちらかと言うとサス系男子に近い存在になってしまったわけですよ。善悪に別れろと言われたら悪側に強制連行されるレベルに心が現実主義者となったわけだ。


そして今日は高校最後の日である卒業式だ。仲のいい友達もいなく楽しい記憶のない三年間だった。まぁ、某有名一流大学への切付はすでに手にしているし未来への心配は特にないが。


「はぁ、行きたくねぇなぁ。」


その日の夜、瀬名は早めに床に着き早朝に備えた。次の朝、母の手により最悪な朝を迎えた瀬名ジョンことオレは顔を洗い制服に着替えリビングへと向かう。リビングに着き母に朝の事を問いただす為抗議に向かうと危うく貞操を奪われそうになった。


(うう、もうやだ。)


顔色を悪くしながら朝食を食していく。朝食を食べ終えた自分は母に今日の卒業式について話しをした。


「母さん、今日の卒業式なんだけど、10:30から保護者の入場手続きだから受け付けには少し早めに行った方がいいよ。」


「んー」


朝食の最中で鼻で返事を返す母親を見て笑顔が漏れる。そう、これが普通の親子の会話風景なんだと。


「母さん、今迄ありがとう、オレそろそろ行くよ。」


母手一つで此処まで育ててくれた母に感謝の気持ちを伝えユニフォームの上着を着る。


「アンタ、」


「ん〜、どうしたの母さん?」


「うんん、何でもない。気おつけて行ってきなさい!」


何かを言いかけた母だったが何処か寂しそうな表情を浮かべ息子を見送る。そして玄関のドアを開き見送る母に向かい元気よく挨拶をし返す。


「おう!行って来まーす!」


こうして人生で一度しかない高校の卒業日である一日が始まるのであった。





少し時間は遡るが母の一日は早朝から始まる。早朝と言うよりはどちらかと言うとまだ深夜なのだが、だいたい午前四時である。彼女にとってこの時間に起床することは苦行ではなくむしろ喜びなのだ。何故なら。


「ハァハァ、かっこいいよぉ、ジョン、」


息子の寝室へ無断で入り約三時間程眺めるのが彼女の日課と化しているからだ。この日課を続けて約八年となる母親は未だ息子がこの現状について気づいていない事に安堵と不審を抱いていた。


(この子、実は気づいているのかしら?それともワザと.....無いわね。でも、気づいていたら気づいてたで....ジュルリ」


おっと涎が息子の顔に垂れてしまった。これは拭かなければいけませんね。


「ペロペロペロペロ....あ〜唇にも垂れてしまいましたねぇ、これはお掃除しなければいけないかしらねぇ。」


ほっぺから唇に向かい舌を動かすが息子が寝返りをうったのですかさず顔を離す。危なかったぁ、と安堵の表情を浮かべていると息子が眼を覚ます。


「ふあぁぁ....あれ、母さん?」


息子がべッドから上体を起し母親の存在に気づく。


「おはよう、ジョン。」


「うん、おはよう母さん。じゃなくて何でここにいるの?」


「アンタを起しに来たからに決まってるでしょう!さっさと準備しないと卒業式に遅れるわよ!」


まだ眠たそうな表情を浮かべる息子を背に扉へと手をかける。


「ご飯作ってまってるから早く下りてきなさいよ!」


「う~す、ん?」


顔がべたべたしていることに気づき叫び声を上げる。それをリビングに着いた母が舌を出し小悪魔的な笑顔を作りキッチンへと向かう。料理を始め約10分くらいが経過した頃息子がリビングへと顔を出しに来た。そして私のいるキッチンへと歩いて来る。


(うっ、何ていい匂い。気分を高揚させるフェロモンを振りまきやがって、私に犯されたいのか!)


「母さん、オレに何かしただろ!昨日から様子がおかしいし自分の事をいきなり近親相姦系ヤンデレ女子とか言い出すし!」


「....ハァハァ」


ヤバイ、このままでは早朝FU○Kもとい違う意味でのいただきますをしてしまいそうだ。


「おい、聞いてんのか!顔が涎まみれだったんだぞ!!」


私の肩を揺らし焦った表情で私の顔を覗きこんでくる。ヤバイ、イきそう。


「.....ハァハァ...何で...ヤめるの?」


息子が私の肩を揺するのを止める。


「表記がおかしい!それにオレは肩をゆすってただけだ!」


「あと少し..もうっ...イけたのにぃ。」


もぅ!と吐息を漏らし無理やり息子の唇を奪い舌を入れる。息子は腰が砕けたように膝を床に付ける。


「んんん、んんん....んんんんッ!!」


頭を離そうするが押さえつけ無理やり息子の口を蹂躙する。ああ、もういいよね?


「ぷはぁっ...ハァハァ、何するんですかこのキチガイ母親は!!」


ようやく開放された息子は息を整え私の事をキチガイ呼ばわりしてきた。


「ねぇ?」


「何だよ!!」


「いいよね?」


押し倒す形で制服のボタンを外して行く。


「言い訳あるかあああああああああああああ!!!!!!」


「ねぇ、先っちょだけだから、な?私優しくするから!」


女に迫るイヤラシイ顔をした中年男性のような顔を浮かべ、といっても彼女の場合もし仮にこれが他の男性が息子の立場ならば逆に襲ってしまうほどの美貌の持ち主なのだが。


「いい加減にしてくれ母さん!昨日から本当におかしいぞって溢れてるよ母さん!!」


「ええ、私は今すごく興奮して母さんの母さんから聖水が溢れでん「違うは!!味噌汁!!」


「えっ?えっ?あ、本当だ!」


と急いでコンロの火を消しキッチンぺーパーを持ってくる。


「あらら、こぼれちゃったわねぇ、テヘペロ。」


と舌を出しながら溢れた鍋から溢れた汁を拭き取る。


「テヘペロじゃねぇ!危うく貞操をロストする所だったわぁ!」


「童貞!!!」


眼をキラーンと光らせ獲物を見つけた野獣のように少しずつ息子に近づいていく。


「おいいいい!今日は卒業式何だよぉ!!」


「あら、そうだったわね。」


何事も無かった様にケロンとした表情に戻り料理をお皿に盛り付けていく。焼き魚に味噌汁そして白飯を食卓へと運び二人は対面へと座る。そして冒頭の会話へと繋がる訳だ。


「母さん、今迄ありがとう、オレそろそろ行くよ。」


(大学に行ったらアパートを借りるか寮に住む何て、)


「アンタ、」


「ん〜、どうしたの母さん?」


(絶対にさせないはしないは!帰ってきたら言い聞かせて.......そして、うふふ)


「うんん、何でもない。気おつけて行ってきなさい!」


と心の奥底でイヤらしい考えを張り巡らせる母。ジョンは寒気を感じるのであった。





バスを降り学校へと足を進ませる息子こと瀬名ジョン。彼の歳は18で元演劇部(高校では)。過去に様々な部活を経験し最終的にたどり着いた極地がアニメ鑑賞と言う。それと並行して勉学にも力を注いで来たため全国模試などの試験では上位50以内には毎年入っていた。


「先輩〜!」


後ろから後輩の声が聞こえてくる。が、無視を決め込むことにする瀬名。


「無視って酷くないですか!私こう見えて学校一に選ばれる美少女なんですよ!」


と言う一つ後輩の......名前はわからないと言う事にしておこう。正確には忘れたいが正しい。


「.......」


流し目で彼女を見た後、ため息を吐く。何故なら。


「くっそォ!また瀬名の奴の所にぃ!」


「僕は許さないお!!!!」


「奏ちゃんはオレたちのアイドルなんだぞ!!」


「コロス」


と言うとように周りの登校している生徒、いや信者どもは俺がこいつといることで殺意を向けられるのだ。最後の奴に至っては殺害宣言を堂々としている。


「もぉ、何でいつも先輩は私を無視するんですか。私もう怒っちゃいました!」


そう言うと自分の腕へと絡みついてきた。周りの奴らは自分に軽蔑と殺意を乗せた視線でこちらを睨んでくる。


「っ、離せ、」


「イヤです❤︎」


静かにそう呟いたオレに拒否をする後輩。確かにこの女は可愛いのだろう、匂いも悪くない。何というか甘い匂いだ。だがオレはその色香には騙されない。その辺の三下にでも媚を売っていれば良いものを何でオレなんかにって、簡単だオレの容姿が良いからだ。


「聞こえなかったか?離せ」


少しドスの効いた声で再度離すように命令するが彼女は腕に今以上に力を入れ自分の腕にしがみついて来た。自分はその行為を見て後輩を力強くつき飛ばす。


「きゃ!」


地面に尻もちをつく後輩。周りの奴らは後輩の元へと駆け寄り自分へと野次を飛ばしてくる。


「オレに二度と近づくなって言っても今日が最後だろうがな。」


後輩に一言残しその場を離れる。後輩は下を俯き何かをぼそぼそ言っていたが聞こえなかったので忘れることにした。


「先輩が.....私と......話してくれた。」


下を俯き光悦とした表情でそう呟く少女を周りの取り巻きは心配そうに話をかける。


「あの、奏さん、大丈夫ですか?」


と肩に手を触れようとした取り巻きの一人。


「触れるなぁ!!」


自分の肩を抱き満足そうな顔でその場を立ち瀬名が歩いて行った方へと駆け足で追う。その場に残された者達は唖然とした顔で少女の姿を唯々眺めるのであった。


主人公登場回!

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