Episode44 "探索と入口"
瀬名たち一行は竹林を歩いていた。
「なぁ、アルセイド...何も入口の結界壊すことなかったんじゃないのか?」
後ろを振り向くとバチバチと結界にヒビが入り街の内側が見える。
(牛共に見られでもしたら....)
レシが施した処置の時とは違い自動回復も何も起きない。仮に異形の者達に見つかれば街への侵入を許してしまうだろう。
「関係ない、セナは気にしなくていい。ただ私の事を考えて。」
アルセイドの口は釣り上がっていた。
「さて、どうするべきか。オデュセウスが言う下層の扉を探すのが先決何だけど嫌な予感がプンプンするんだよなぁ。」
少し寒さを感じ右手で再生したばかりの左腕を抑えると隣にいるネーレイスが如何にも厨二の人達が着ている黒のロングコートを被せてきた。コート自体はとても暖かく腕を袖へと通しボタンを閉めていく。だがある事に気付く瀬名。
「.....ネーレイスちゃん、このコートってこいつらの皮で加工したでしょ?」
竹林を過ぎ吹雪が強くなる雪積もる大地へと足を踏み入れた途端に突如、牛頭達が上空から5頭程降ってきたのだ。彼等の瞳には強い殺意と執念が自分の肌へと伝わって来る。
「ふふ、匂いに釣られた家畜、家畜、家畜、捌いて、殺して、ジョン君に捧げますぅ、ふひ」
ネーレイスちゃん、何て恐ろしい物をオレに被せてくれたんだ。
「「ウゴおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」
牛頭共は咆哮を上げると一頭の牛頭が頭を突き出し突進してくる。腕に強化を流し二人を抱え上げながらくるりと回避をするすると背後から一頭の牛頭が巨大な斧を瀬名達のいる場所へと振り落とすが。
「危なかったぁ!マジで二人とも手伝ってよ!!」
何とか強化を足に流し反復横とびの容量で避ける。だが花嫁の二人はまたも抱えられる喜びに心震わせ妄想へと浸っていた。
「ああああもう!!ネーレイスちゃん何でもいいから武器ちょうだい!!もうオレがやる!!」
バチャンと水しぶきが起きるとひと振りのグラディウス型の剣が綺麗な装飾を纏い瀬名の手へと落とされ何とかそれを掴む。そして二人を離そうとするが強く握り返すのでこの状態のまま戦うしかなくなった。
「アルセイド、背中!ネーレイスちゃん左手!ハリー!!」
二人はキョトンとした表情をするので、
「言うこと聞いてくれたらキスって早!!」
二人は瞬間移動以上の速度で言われた箇所へとポジションを変えると牛頭の一頭が雪を削りながら巨大な剣を下段から瀬名へ向け振り上げると瀬名はすかさずバックステップを踏み距離を取る事で何とかその攻撃を避ける。が後ろに気配を感じアルセイドを投げ飛ばすと牛頭の角が背腹へと突き刺さり肉を抉りながら前進していった。
「ぐがっ」
(痛ぇ痛えイテェ!!)
腕を意地でも離さないつもりであるネーレイスちゃんが一瞬眼に移るがそれどころではない。瀬名は角で背腹を抉られている。このままでは完全に貫かれる。瀬名は何とか剣を反対へと向け牛頭の左目へと突き刺す。
「「ぐがぎゃああああああああああ!!!」」
牛頭は痛みにより身体をブンブンと振り回し瀬名は角から解放され投げ飛ばされる。
「はぁはぁ....ネーレイスちゃん、回復」
血を口から吐き出しつつネーレイスへと言うと腹の穴が再生していくのを感じられる。
(これが....斬る....感覚)
瀬名の剣を握る手が震える。
(馬鹿かオレはっ!)
握る剣で指に傷をつけると震えは収まる。
「痛みで緊張はほぐれる....殺させて貰う」
瀬名は暴れ回る牛頭へと走り出し大きく跳躍する。
(地での戦闘を覚えてから?バルトロメウス、お前はわかってないな。止めはいつだってかっこよくいくもんだ!!)
ネーレイスは背中へと移り首元へ腕を絡める。そして瀬名は剣を両手で握り締めそのまま牛頭の眉間へと体重を乗せ振り落とす。スマ○ラで言うリン○の下空中攻撃だ。
「しっ!!」
牛頭の頭部を抉り剣は眉間内部、いわゆる脳へと突き刺さる。暫くすると牛頭は姿勢を崩し倒れる。瀬名とネーレイスは雪地に着地し感傷に浸ろうとするが瀬名は大切な事を思い出した。
「あ」
アルセイドを投げた事を忘れていたのだ。後ろを振り向くと血だまりが四つ程出来ていた。アルセイドはその中心に立ちほっぺを膨らませていた。
「アルセイドー、ごめーん!!」
瀬名はアルセイドの元へと駆け出し謝罪をする。
「セナの馬鹿、ネーレイスは死ね。」
激怒プンプン丸のようだ。ネーレイスは勝ち誇った顔で此方に歩いてくる。
「ふひひ、アルセイドちゃぁん?ふふ、どうしたんでちゅかぁ?」
ネーレイスは瀬名の体をいやらしく触れながらアルセイドへと挑発を送る。
「ね、ネーレイスちゃん、」
そのスケベなスキンシップを止める様に離しアルセイドの元へと寄り膝を下ろし怪我がないかを確認する。といっても無駄な心配なのだろうが。
「大丈夫、怪我ない?オレ投げちゃったからさ。」
アルセイドは片腕を自分の背中へと回し抱きつく。そして自分の手をもう一つの手で掴む。
「怪我ならした、心。」
アルセイドが握る自分の手をアルセイド自身の胸へと持っていき触れさせる。
「感じる、鼓動。」
「う、うん」
瀬名はπの感触を感じ赤面する。
「ならこの鼓動をもっと早くしてくれたら許して上げる。ネーレイスは死んで、どうぞ。」
ネーレイスへは毒を吐くアルセイド。罵倒をされ興奮するネーレイスは雪の中に倒れ込みハアハアと息を荒くしていた。瀬名はそのネーレイスの姿を見ていると顔を無理やりアルセイドの方へと向けさせられる。そしてやるのかやらないかと説いてきた。
「わ、わかった。」
瀬名は雪地へとアルセイドと転がり自分の胸もとへとアルセイドを近づけ鼓動を聞かせながら頭をよしよしする。
「オレの鼓動も聞こえる?」
「聞こえる、お揃い」
「ならオレを見てアルセイド。」
アルセイドの耳元で呟くと上目遣いで自分を見る。顔は少し紅みがかかっていた。そして瀬名はアルセイドの顎を上げ額と額を合わせる。お互いの距離は零だ。自分も恥ずかしいがこれでアルセイドも心拍が上がるのではないかと考える瀬名。
「凄くドキドキしてる、アルセイドも自分と同じ気持ちだったらオレは凄く嬉しい。」
瞳を見つめながら真剣な表情でアルセイドに言うとアルセイドは正気に戻ったようで顔を林檎の様に赤くする。お互いの心臓の音が互いに伝わる程に大きく木霊していた。
「セナ、ずるい。」
そう言うと自分へと馬乗りになり唇を奪おうとするがネーレイスにより阻まれる。
「わ、私のジョン君だから、あまり、さわ、さわ、触らないで下さい!!」
「黙れ、死ね。」
ネーレイスの忠告を無視し瀬名の唇へと自分の唇を押し当てた。
「あ、あ、ああ、ああ、嘘、嘘、私の、私が、私もしますぅ! !」
流石にこのままではマズイと思いアルセイドを離し瀬名は立ち上がる。するとアルセイドが腕にひっついて来た。ネーレイスも負けじと反対側へとひっつく。
(.....これ以上...依存度をあげたら大変な事になりそう.....)
瀬名は熟考しながら白雪の大地を進んで行く。かなりの距離を歩いた瀬名達だったが一面は未だに雪で積もり吹雪も徐々に強くなっていた。ネーレイスから貰ったロングコートのおかげで寒さは防げてはいるがこのままでは自分の体力が持たないだろう。
(二人はさっきからだんまりだなぁ、何考えてるんだろう?)
両横に自分を挟むように歩くアルセイドとネーレイスはいつも通りのゴスロリ系の服だ。一応手は握っているのだが数分前から口数が減り何かを考えているようだった。
(はあはあ、ジョン君、ジョン君、ジョンクゥン、少しずつ体温が、温もりが、温度が、ふふ、下がっていますねぇ?痛みですかぁ?痛覚が麻痺してきましたかぁ?ダメですねぇ、ふふ、痛みは痛みと理解をする事こそが快楽へと繋がり、繋がれるのでぇす、ふふふ。せっかくの痛みをこの寒さで無駄にしてはいけませんヨォ?倒れた時、私がぁ、肌に肌を重ねぇ、ふふ、暖めてあげますうからぁ心待ちしていてくださいねぇ?ふふふ)
ネーレイスは鼻血をポタポタと垂らしながら邪念を渦巻かせていた。眼はトロけた様に半眼で一歩間違えればアヘ顔に近い状態だろう。
(セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、セナ、暖める、犯す、セナ、暖める、嗅ぐ、セナ、暖める、襲う、セナ、暖める、舐める、.......)
一方アルセイドも大体似た様な事を考えてはいるがほぼ逆レ◯プに近い犯罪めいた行いをしようと妄想していた。セナは二人の思考に気づかずにいた。
「二人とも最初に来た時にさぁ結構な数の防具や武器、剣が突き立ててある場所あったよね、彼処が怪しいと思う。場所とかって権能を使って分かんないかな?」
瀬名は二人の手を一度離し二人の正面へと行き説明をする。
「セナ、名案、行こう!」
アルセイドが直ぐさま自分の横に来て手を再度握るとネーレイスを見てしっしと手を払う。
「まぁ、ふふふ、それは名案、明確、命令、ですねぇ、ふふふ」
ネーレイスも負けじとアルセイドの握る手とは反対の手を握ってきた。そしてアルセイドへ向け、いー!と人差し指で目の下を下げ舌を出す。瀬名は子供かと心の中でツッコミを入れる。
「じゃあ二人とも覚え「「覚えてる(ます)!」」お、おう。」
大きな声で二人はハモりながり返事を返したことで瀬名は驚く。すると二人はジト目で見てきた。
「「それだけ(ですかぁ)?」」
(何をしてほしんだよ、質問しただけだぞ!)
「偉いでしょ?頭撫でて、それかキス。」
「ふふ、同じく。性的行為全般なら何でも良いですよ?」
二人は場所を覚えていた事を褒めて欲しいようだが瀬名はこの二人を見て常に発情期なのだろうかと頭を抱える。彼女らの記憶を覗いたのだが如何やら彼女らは途方もない数の同胞を取り込んだ事で幼児退行してしまっている節がある。そして厄介な事にませているのだ。
(いや、精神がギリギリなのか?プリギュア以前の数年が結構、血生臭くて思考回路がちょっと壊れてる節が見えたし......)
取り敢えず歩きながら二人の肩を寄せてダブルで頭ヨシヨシをするとクゥンと犬が泣く様に嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
(うん、可愛い。)
「ジョン君、こっちですよぉ。」
ネーレイスが手を握ると視界がグランと揺れると同時に身体が宙に浮いた。
「ね、ネーレイスちゃん!!!」
ネーレイスは雪の上をフィギュアスケートを駆ける選手の様に滑り出した。しかし問題なのはそのスピードなのだ。現在進行形で自分の足は宙を浮いている。アルセイドはいつの間にか自分に大好きホールドを決め込んでいるし。
「速度!!「ふふ、分かりましたぁ。」うがあああああああ!!!分かってないいいいいいいいいい!!!!」
速度を落とす様言おうとしたのだが速度をさらに上げ喋る事すらも出来なかった。
「あ、ここ右ですね?」
ネーレイスはそう言葉に出すと急カーブからのトリプルアクセルをした。
(こっちからしたらジャイアントスイング!!)
(ヤバい、意識がと......)
瀬名は気を失った。アルセイドはそれを見るとニヤリと笑い首筋の匂いを嗅ぎつつキスマークをつける。
「あ!?ズルいです!!アルセイドちゃん!!変わって下さいぃ!!ちょっとダメです、ジョン君!!」
ネーレイスは進みながらもアルセイドの行動について文句を言うがアルセイドはやめない。
「黙れ、雌ブタ。早く、進め。」
とうとう名前を呼ばなくなった。
「ハア....ハア.....」
ネーレイスは呼吸が荒くなり興奮するように吐息を吐く。顔も赤面させ若干嬉しそうな表情になる。
「は!?いけません、いけません!!か、快楽に流される所でしたが、こ、これとそれとは別なんです!」
ネーレイスは足を止めると瀬名をゆっくりと寝かしアルセイドを引き剥がそうと身体を引っ張るが離れない、
「アルセイドちゃん!アルセイドちゃん!離れて、離れて、く、下さいぃ!!」
「や、セナの近くにいる。ネーレイス、死ね」
「はう//いけませんヨォ!今度はわた、私の番なんですからあ!!」
中々離れようとしないアルセイドに本来痛みを好むネーレイスだが苛立ちが積もっていく。そして、
「アアアアアアあああああ!!ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン君ジョン!!!」
アルセイドを引き剥がし瀬名へと抱きつき足を絡めロックする。アルセイドはすかさずネーレイスを蹴るがネーレイスはより一層興奮し今の状況を楽しみ始める。
「どいてネーレイス、ねぇ、どいて、お願い」
アルセイドは瀬名の横に座ると瀬名の手を掴み自分の手を絡め嬉しそうにするが瀬名の上に乗るネーレイスへ殺意を向ける。ネーレイスへと視線を向けると彼女の後ろの背景に小さな洞窟のような、いやもっと人工的に作られた穴の様な物が存在していた。
「ネーレイ「あげませんよ、ふふ」違う、アレ、見て」
ネーレイスはアルセイドが言う様に言われた方に視線を向けると空洞を発見し嬉しそうな表情をとった。
「ああ、これでジョ、ジョン君も、う、うれ嬉しがる筈、です。ふふ、ふふふ」
スリスリと胸元へと頭を擦り付けるネーレイスに殺意以上の感情が渦巻くアルセイド。
「ううぅ........背中、冷たい...............ネーレイスちゃん!?.....何をしてるの?」
「寒いとおっしゃったので肌で暖めようかと//」
起きたら背中には冷たい雪地の感触、そして今現在、そう強くはないが吹雪が降っているのに対し上に乗る娘はボタンを外しながら肌で暖めると言ってきた。
(確かに嬉しいよ、嬉しいけど、死ぬわ!!)
瀬名はネーレイスへとチョップを入れるとネーレイスを退かし立ち上がる。ネーレイスは嬉しそうにチョップを受けた場所をさする。
「アルセイド、何を見て」
言葉が止まる。自分達の数メートル先には洞窟のような入り口がありその近くにはその入り口へと続く様に綺麗な道が出来ていた。巨大な牛頭の石像が無数に列をなす様に置かれ異様な雰囲気を放っている。
「何かいるね。」
アルセイドは隣に立ち手を握るとそう呟いた。
「彼処が階層への入り口なのかもしれない。」
アルセイドは瀬名の言葉を聞き首を縦に振る。
「私とネーレイスが権能を使って此処の大地、いわゆるあの小僧が言う階層の規模と怪しい所を探したら此処ともう一つの場所が見つかった。でももう一つの方は多分、道が塞がってる。」
「そうなのか.....まぁ、今は取り敢えずあん中入るしか答えが分かんないって事だ。」
チョップをした場所を未だに嬉しそうにさするネーレイスを呼び戻し空洞の入り口へと向かう。歩く途中にネーイレイスは瀬名を案じて二つの武器を渡してくれた。一つは先程使ったグラディウス型の剣、そしてもう一つは綺麗なレイピアだった。アルセイドも負けじと回復薬の類をくれた。アルセイド曰く、
「私達と離れたら再構築出来ないから保険だよ。死んだらネーレイスと一緒に死因の全てを殺してから冥界に行くから一生、うんうん永遠に一緒だよ。」
良い子なのだろうが愛が深すぎやしませんかアルセイドさん.....
「もうさ、仮盟約って面倒じゃない?ならいっそ正式にした方がオレもヒュラースみたいに自分に権能が宿って「まだ、ダメ」何で?」
正式な契約を結んで無双したい!もう痛いのヤダ!!中途半端な再生力の向上ってオレはゴキブリか!仮の盟約では余りに特典が少なすぎる。今のオレは例を挙げるとアルセイド達の近くにいると傷の治りが通常よりも二倍くらい早いって事くらいだ。余りの重傷だとアルセイド達が直に治してくれから安心なのだが。
(雑魚い....強化と自己ヒーリング(弱).....)
「アンブロシアを奪ってセナが食べたら私と契約する。今したらセナの身体が耐えられない。」
要するに肉体崩壊を起こす程に脆弱で貧弱な人間にはアルセイドの力は余ると。
「ジョ、ジョン君、か、かな、悲しそうな顔しないでぇ、わ、わた、私も早くしたいんだよ?で、ですよ!」
ネーレイスちゃんが後ろからハグをして来た。と言うよりも足を腰に巻き実質、自分が彼女をおんぶしている状態になった。
(じゃあ何でヒュラースは六人と契約出来たんだろ?)
「ヒュラースは精霊の一種になる事で人間としての身体を手放した。あれは突然変異。ナーレイスがずっとあの泉で監禁してたから身体が変わっちゃたぽいよ?」
(ヒュラース.....可哀想に....)
アルセイド達と出会うのがその泉でなくて切実に良かったと思う。
「さて、着いたし入りますか!」
石像が自分達の左右を囲む中煉瓦で道が整えられた階段を上がり大きな洞窟の中へと足を踏み入れる。
「外から見たら洞窟だけど中に入ると人工的だなぁ。どこからどう見てもダンジョンだし。」
中が暗いこともありアルセイドが竹で出来た松明を手元に出し権能の力で炎が暗闇を照らし出した。
(雰囲気を楽しむ為に権能でここ一体を明るくしないんだろうなぁ。)
アルセイドとネーレイスは腕へとしがみつきわざとらしく怖い怖いと言うが嘘だろう。二人の甘えを無視しつつ進んで行くといくつもの道に別れていることに気づく。
「なぁ、どっちに行けばってあれ?」
腕に掴っていた筈の二人の姿が消えたのだ。アルセイドから渡された松明を高く上げ周りを見渡すが何処にもいない。
(やばい、やばい)
確実に危険な場所に足を踏み入れた挙句、人の身一つで進まなければ行けなくなった。
「いったん、戻っ」
戻ろうと後ろを振り向くと回廊の様に無数の道に広がり帰りの道がないこと気づく。
(.......このパターンはヤバイ)
瀬名は冷や汗をかきつつ壁へと持たれかかる。
「地下迷宮じゃん、これ。」
幼少の頃、遊んだドラ○エを思いだし頭を抑える瀬名は前を向き直し何とか進むことを決意する。




