Episode40 "城塞都市の守護女神_弐"
ヘーラ様の挿絵じゃぁあああああ!!!
主人公達との対面はまだまだ先だが、オレは彼女の為なら何話だってかける!!
ヘラはオリュンポスの自室にて下界の様子を伺っていた。彼女の背後には無数の眼そして中心にはヘラ自身よりも大きな眼がぎょろりぎょろりと前後左右に蠢いていた。普見者と呼ばれるヘーラの一部の権能だ。
「我が親愛なる愚夫、ゼウスよ...そなたはまたも家畜の姿を借り人と交わるか.....」
ヘラは腰を下ろし髪をかき上げる。そして片方の手でグラスを握り酒を口へと含んでいく。
「ゼウス、いつになれば余を愛してくれる?其方が余の前に現れるは花々が咲く春だけではないか」
毎年、ヘラは春になるとナウプリアにあるカナートスの聖なる泉で沐浴して苛立ちを全て洗い流すのだ。これを行う事で処女性を取り戻しアプロディーテーにも劣らぬギリシアで最も美しい女神と讃えられる。
「ソナタが余だけを見ていれば美しさは保たれるというのだがな」
表情は儚げで外から入る風がとても冷たく感じられた。
「イーオ!........あぁ、そうか牝牛に変え地上に放ったのだったなぁ」
ヘーラーに仕える元女神官であったイーオーはゼウスにより処女を失い誓いを破ったのだ。彼女はヘーラの世話係だったこともあり深い親愛と敬意を受けていたが夫との淫らな行為を許せず解雇、追放したのだった。
「やぁ!ヘーラ元気ー!」
へスティアーは突如として目の前に現れた。ヘーラは眉間に皺を入れ口にもう一度酒を含みへスティアーを睨む。
「何のようだへスティアー」
「ん?機嫌悪いねぇー!どうせまた私の愚弟が下界のおんにゃの子達とにゃんにゃん「黙れ!!」
風により透明なカーテンが揺らめく中へスティアーは嬉しそうにそう口にするがヘーラの気に触れたのか握るグラスを地に叩きつけ怒声をあげる。
「まぁまぁ、そう怒んないでぇ?面白いお話を持ってきたんだからさぁ〜?」
ニヤニヤと小悪魔風ににやけるヘスティアーを見てヘーラは怒鳴ったことをバカ莫迦しく感じた。
「それで、その面白いお話とはなんだ?」
待ってましたと言わんばかりに自分も椅子を異界から取り出しそこに座る。
「それじゃあねぇ〜これ見てみて~」
へスティアーが右手を横にスライドすると鏡が現れる。その鏡の先には自分の姿ではなく、違う人物が映し出されていることに気づきヘーラは口元を釣り上げた。
「ちょ〜ど私も退屈してたんだよねぇ〜?どう思う~この二人ぃ~?」
にやけ顔は変わらず問うてくるへスティアーにヘーラは答える。
「ふむ、どれ?」
ヘラの後部に先程と同じ様に無数の眼が現れ黒い深淵を吐き出す様に瞳から流れる出る。
「それホントに不気味だよねぇ〜、と言うよりも怖い?」
唇に小指を置きわざとらしく怯えるへスティアーを無視して過去の城壁都市内で起きた二人の会話を“観る”
「どう?どう?見えてきた?見えてきた?」
「やかましい」
へスティアーがうるさく喚くせいで声が聞き取りづらくもう一度、脳内で眼から送られる映像を再生する。
「ほぅ、面白い。アテーナめ、存外面白いことをする。」
「もぅ!もったいぶらずおしえてよぉ~!!」
ゆさゆさとヘーラの肩を揺らすへスティアーにため息を吐き、
「離せたわけめ。はぁ、ソナタと話すと無邪気な幼児と会話をしているようでどうも疲れる。」
「え?褒めてるのぉ~ありがとうぉ~!「褒めて居らぬわ!」
ついツッコんでしまった事に頬を染、咳払いをする。
「簡潔に結論を言うとだな、アテーナの行動はアレースの丘にて裁判が下る程の物だ。ヒュドラの毒の採取を目的とした旅路だそうだぞ。」
「へぇ」
一瞬、ヘスティアーの雰囲気が冷たく変わるのを感じたが気のせいだと思い話を続けるヘーラ。
「が、ほうて置いてもよかろう。所詮は「ダメだよ、ヘラ」
いつもの雰囲気ではなく冷徹にして神々しい神気を放ち言う。その瞳には様々な感情が含まれている事もヘーラは感じとれたが最も肌で感じた感情は畏怖だった。
「その毒は危険過ぎる。ましてやアテーナに何か渡したらオリュンポス嫌いの彼女は何をしでかすか分からない。」
へスティアーはかなりの至近距離でヘーラにそう言う。ヘーラはその瞳を真っすぐに捉え真意を問おうとするが。
「アレースにでもその話してみなよぉ~、きっと彼なら解決してくれるんじゃなかなぁ?」
にっこりと笑顔で言うヘスティアー。
「ふむ、そなたが言うのなら余から言っておこう。」
ヘーラは何の疑いもなくそう言った。これが他のオリュンポスの神々なら首を縦にふらず自分で何とかしろというのだがヘスティアは例外だった。彼女の頼みならばどのよな神であろうと受けるだろう。彼女の行いはこれまでの全てが利にかないそして人と神に多大な信頼を得ている。
「ヘラも何かあれば私を頼ってね〜?私に力がないから透回しにお願いしちゃったけどさ〜」
カーテンの元へと身を乗り出しながそう言う彼女の顔には太陽が照らされ綺麗な金髪が輝いて見えた。
「良い、いつでも余を頼ればいいヘスティアーよ。」
ヘーラは優しく女神の笑みを浮かべると“ありがとう”と一言残しヘスティアーは身を外へと乗り出し姿を消した。
(ディオニューソス、後少しだから待っててね....オリュンポスの一席は君の為に....)
「アテーナ様、どうかいたしましたか?」
ペルセウスは馬車の上で手綱をひきながら隣に座るアテーナの表情の変化に気づき声を掛ける。
「いや、何でもないよ、」
(ヘーラがボクを覗いている?何故だ....ボクは誰一人として他言などしていない筈だ。)
「それよりも~ペルセウス君!いつ僕を襲ってくれるんだい?」
手綱を握るペルセウスの腕に自分の胸を押し付け上目遣いでペルセウスを見るアテーナ。
「そ、そのような事は私はし、しません!」
照れた様に言うペルセウスに愛おしさを感じ膝に頭を置く。
(ヘーラ、監視のつもりなら諦めた方がいいよ、ボクは見られるのが嫌いなんだ。)
アテーナ達を見張る眼にヒビが入り砂の様に空中へと散っていった。
「アテーナ様?」
アテーナは眼を探す為に眼を閉じていたのだがペルセウスは彼女が寝たものだと思いマントをアテーナへと毛布代わりにかけてあげていた。
(ペルセウスくぅん、愛してる//優しいよぉ//)
月明かりが麦畑を照らす景色の中、馬車は目的地を目指す。
ヘーラ様の原点(ギリシャ神話)も凄え可愛いだよなぁ!全てがゼウスを中心に回ってるからこの女神様!




