Episode37 "旅路と冒険者"
大きい方をする時、スマホ常時だと30分くらいはいるよね?
バルトロメウス達は疎通の指輪を使ったが瀬名へと繋がる事は無かった。
「離れ....過ぎている....」
レシが指輪を見ながら呟く。
「東西の領地内ならば届いたでしょうけど....」
リディは指輪を外し眼を閉じる。
「いや、これで奴の居場所は絞れる事が出来た。北南のいずれかに飛ばされたのだろう。」
バルトロメウスがそう言うがあまり二人はいい顔をしなかった。
「危険区....未知...」
「えぇ、」
話が途切れ沈黙が続く。そよ風が外から吹きバルトロメウスは眉間に皺を入れた。
「はよぉ妾のぉ甘美な声がぁ聞きとうなぁ」
「ジョンは我の物ぞ、貴様のような能面が触れていい器では無い。」
「はぇ?人間体になぁたからとぉ調子に乗っているぇ?えぇ?愚蛇ぃ」
突如空間が裂けその裂け目から二つの人影が現れた。しかも口喧嘩をしながら。
「能面、恐怖しているのか?我の美しさにジョンを取られるのではないのかと?」
キュベレーはその言葉を聞き顔を紅くし両手を宙へと上げ怒りのポーズをする。
「何のようだ?」
バルトロメウスは二人を見かねたのか口を挟んだ。リディアは冷や汗を流しながらバルトロメウスへと横目で視線を送るとバルトロメウスは任せろと首を縦に降った。
「愚蛇が言うには其方達はジョンとの糸ぉ、疎通の指輪を所持していると聞いてのぉ、妾は一つ貰おうとぉ来たわけじゃぁ」
キュベレーはエウリュアレーとの口論を止め椅子へと腰掛けバルトロメウスへと返事を返す。足をくみ尊大に振舞うキュベレーの姿は神々しく重き神圧が無意識に三人を襲っていた。
「何故、それを....「戦闘の記録を能面の脳を介して記憶として見せられたのだ。醜き能面の生態を知るハメになったがジョンへの手がかりとなろうと言われ渋々承諾した。癪だがその能面の言うとおり手がかりになった。」
キュベレーは頬を膨らませるが落ち着きを見せた。ジョンの為ならばこの二人はプライドも捨てるのだろう。
「そしてジョンが嵌める指輪を記憶から見た時、以前我が見た人間の疎通魔具なるものに酷似していると思いそこの能面に伝えたと言う訳だ。」
壁に背を預け話すエウリュアレーはキュベレーを指し説明をする。
「そうか」
一言短く言うとバルトロメウスは指輪を外しキュベレーへと投げつける。
「ふむぅ、これかぇ」
投げつけらた方向へと人差し指を向けると指輪がそのまま嵌り瞳の色が徐々に翠色へと染まっていくキュベレー。
「「ジョンゥ!!」」
椅子から立ち上がり外へと向かうとキュベレーの身体から粒子が綺麗に舞い上がり空へと向けジョンの名を高らかに叫ぶ。
「雲が.....」
レシは外の景色へと視線を向けると雲が四散し夕暮れと晴天の日差しが地を照らす。
「声が.....聞こえる..」
顔を光悦とした表情に変えその場でぐるぐると手を広げ踊っていた。
「うん!........やぇ.........うんうん、妾は行くぇ!.......そんな物どうとでもなるぅ!それで其方は......ニュンペー、何をしておるぅ?早うジョンにぃその指輪を返しんすぅ。はぇ?......薄汚い溝鼠がぁ、貴様はぁ、早ぅジョンに変われと言うておろうぅ!!なっ!?待ちんす!!.......っ」
表情をころころ変えながら虚空へと話かけるキュベレーであったが最後はイライラした顔で涙目になっていた。如何やら感情的になるとこの女神は自然に涙が出るタイプの人の様だ。センチメンタルと言う言葉が彼女には当てはまるだろう。
「このままではぁ....「おい!!能面、いい加減にしろ!」
壁にもたれかかっていたエウリュアレーは叫ぶ。噂では身体を蛇と同じ爬虫類の類に変えられたと言われているが人間体だった事にバルトロメウスは驚く。
「キュベレー神、もう一度頼めないだろうか。」
バルトロメウスが身体に鞭を打ちベッドから立ち上がる。レシは倒れぬ様身体を支えると風の吹く窓際へと歩く。窓と言ってもガラスなどはなく透明のカーテンがそよ風で揺らいでいるだけなのだが。
「ほれぇ、あの忌々しいニンフ共が妾の疎通を妨害しよぉからなぁ....まぁ、良い。妾は旅路の支度をするぇ」
キュベレーはそくそくと転移を使おうとするとエウリュアレーが転移する寸前にキュベレーの肩を掴み二人は消えていった。
「あ、嵐の様な神々ね。」
リディアが呟く。神性を極限まで抑えていた両者はバルトロメウス達の傷を思っての配慮だろう。リディアとレシがランパスの一件を報告した時には北の通貨を大量に褒賞として渡されたが此処の大地の価格市場が分からぬ以上如何しようも無かった。
「聞こえるか、ジョン。」
バルトロメウスが指輪をはめ直すと疎通の魔術を起動し指輪が輝きを放つ。
「ん、貴方だれ?」
女の声だった。
「ジョンではない.....?貴様、何者だ。」
ジョンではない何者かの声にバルトロメウスは失敗したのかと焦る。
「知らない人とは話さな「ちょっと、アルセイド何してるの!」
瀬名の声が聞こえて来た事に一先ず安心した顔をするバルトロメウス。その様子を伺っていた二人も胸を撫で下ろす。
「ご、ごめん!ちょっと立て込んでて、「いや、お前が生きていた事を確認出来ただけでも幸運だ。」お、おう!」
バルトロメウスがそう言うと瀬名の周りがギャギャと五月蝿くなった。瀬名はそれを落ち着かせる為に一旦彼女達へと話をかけるのだがその会話内容がこちらまで筒抜けで思わず眉間に手を置く。
「如何したのかしら?」
「ジョンの何時ものアレだ。」
リディアへと相槌を打つと瀬名が話をかけてきた。
「バ、バルトロメウス!!オレ達は「オレ"達"?」そこは追々説明する!オレ達は今、北西にいる。何とかしてここを突破するから「北西ならオレ達が通「通らない方がいい!此処はヤバい!行くなら北東を迂回して北北に行った方がいい!」ならばよりオレ達が「ああああああああもうっ!!バルトロメウス、北北で合流!!定期的に連絡する!以上!」.........」
通信が切れる。
「それで、あの男は何と?」
「北北で合流だ......2日後、この地を発つ。」
「地図.....北西.....早いって....」
レシはポケットから地図を広げベッドに広げた。
「いや、北東を進む。如何やら北西は危険区の様だ。」
バルトロメウスはレシとリディアに瀬名との連絡内容を伝えると三人は同時にため息を吐き、そのまま解散となった。
「堕蛇ぃ何をしておるぅ?」
プリギュアの王の間へと転移したキュベレーは肩に触れるエウリュアレーの手に気付きゴミを払う様に払う。
「ジョンは何と?」
「ソチには関係が無かろうぉ?」
キュベレーは意地悪に口元を吊り上げる。エウリュアレーは真剣にキュベレーの眼を捉えるとキュベレーは諦めた様に真実を告げ始めた。
「妾わぁ北西の大地へと向かうぇ」
「キュベレー、彼処は.....「わかあておるぅ、」
「ならばこそ妾が救い出さなければならんてなぁあの腐れぇニュンぺーがジョンぅを死なせる事は無かろうがぁ寝取られるのは嫌じゃ!」
そもそも貴様の物では無かろう、と呟くと反抗心が篭った視線をぶつけられるエウリュアレー。
「もう妾は行くぇ!我慢が出来ぬぅ!!あの痴女に妾の大切なジョンをこれ以上触れてなるものか!!」
荷物が突如目の前に現れ消失した。異界空間にでもしまったのだろう。
「レートーと癪だがあの木精に妾の代行をさせるぇ。」
コツコツと歩き出すと空間が割きその中へと足を踏み入れていく。エウリュアレーもヤレヤレという素振りを見せその後を追った。
「あぁ、皆さんは私を置いてどこかへと行かれてしまいましたわ。生きる目的も、目標も、喜びも花嫁の皆さんがいなければ......私は如何すれば.....」
大樹に触れそう言葉にする木精ドリュアス。
「ヒュラース、貴方がこのような失態を犯さなければ私達は....いえ、過ぎた事ですわね......ナーレーイス、最後におふざけが過ぎたましてよ。アルセイドもネーレイスもいなくなり私は一人になってしまいましたわ。」
淡々と話を続けその大樹の周りを歩きながら話を続ける。
「そういえばオレアードさんを見つけましたが石になっていましてよ。笑えますわね。あの方、自分自身が最強の花嫁だと豪語していたのですが.....あれ程騒がしいと感じていた者が突然いなくなると言うのは少し...いえ、寂しいですわねぇ.....」ぐす
涙を流しその場へと崩れる。膝から下が二センチ程水面へと浸かる。
「木精ともあろうもんがぁ何を泣いとるぇ?」
「.....キュベレーさん」
涙を拭い後ろを振り向くとキュベレーとエウリュアレーが姿を現した。
「意外だな、貴様たち花嫁の集合体は他者に対し悲しみを感じる事が出来るとわ。」
エウリュアレーは真剣な眼差しでその場に座る木精を捉え言う。
「私達とて一神、尊む感情くらいは呑み込もうとも持ち合わせておりますわ。」
「そうかぇ?ならばソチにはやって貰いたい事があるのじゃがぁ。」
キュベレーはその場で片足を地面へとタップすると椅子が三っつ程現れ装飾が成されていく。そしてキュベレーは椅子へと座り二人に対して目で座るように指示すると二人も椅子へと腰を下ろした。
「それで、やって貰いたい事とわ.....と言いたい所ですが」
木精はニコリと笑みを浮かべながらキュベレーの隣の人物を見る。
「能面、何故貴様はこの木精を野放しにしておる?こ奴らの所為で一体何人の死者が出たと思っている。それに貴様の副官である女狩人も殺されたであろう!」
エウリュアレーは先程から殺気を飛ばしていた。そしてその言葉を聞きキュベレーは意地の悪い笑みを浮かべ一言述べる。
「それが如何した?」
死人が出たから如何したと言うキュベレー。その冷淡な返事を聞きエウリュアレーは顔を歪ませる。
「っ.....そうだったな、我は如何やら麻痺していた様だ。貴様が感情的になるのはジョンだけだと。その他は道具としか思ってない事もな。」
ドリュアスは二人の会話を楽しそうに眺めていた。その手には何処から出したのか不明だが紅茶の入ったカップを握っていた。
「妾の臣民と会話したぇ?してなかろうぅ、何を気にする事があろうかぁ。無くなれば新たに補充すれば良いだけのことよぉ。だがジョンは一人しかおらぬぅ。妾は妾の全てを親愛なるあの男ぇ捧げるへぇ、例ぇプリギュアが無かろうとなぁ。」
「ふん、我とて同じぞ。例えオリュンポスを敵に回したとて我はジョンを奪い保有する。」
二人の発言にドリュアスは眉を一瞬ビクつかせる。
(あの男性に何が......アルセイドさんが彼処まで入れ込みそしてこのお二方までもが魅惑、いや心を支配、独占させられていますわ。如何にも腑に落ちませんわね。あの"人間"は何かしらの精神干渉の権能を保有している、と考えた方がよろしいのでしょうか?)
ドリュアスは瀬名について深読みをしていた。
「そろそろよろしくて?」
プリギュアをバックグラウンドにキュベレーは両手を広げる。
「妾の代わりにプリギュアを統治してくれんかぇ?」
その台詞を聞き眼が見開くエウリュアレー。
「正気か、能面?」
キュベレーはエウリュアレーの反応を無視し話を進める。
「ソチは孤独が寂しかろうぅ?妾とそこの堕蛇が海精と森精を探し連れ戻すぅ、その間だけで良いぇ。」
「......嫌ですわ、それならば私自らが探しに赴いた方が「良いのかぇ?そこに植えた大樹、冥府、いや、オリュンポスにでも切り落として送り付ける事も可能ぞ?」........貴方...」
力の弱まったナーレーイスの入る大樹をオリュンポスにでも送りつけでもしたら新たな神具にされてしまうのはこの世界の常、神の愉悦だ。
(....ナーレーイスさんは.....私達の....)
ドリュアスは深く考える。そして家族同然に育った内の一人を見捨てる事は出来ないと考え首を縦に振った。
「よい、ならばその大樹ぅ、好きに置くが良い。」
ドリュアスの後ろに根を下す天をも貫く大樹へと顔を向けるとキュベレーは席を立ちプリギュアへ向け歩き出す。
「後日、レートーと言う使いを此処によこすぇ。堕蛇ぃ、旅路の準備ぞ。午後には発つぇ。」
そう言い残すとキュベレーとエウリュアレーは転移を使い消えた。その姿を最後まで見届け紅茶を一口で飲み干すと立ち上がり大樹へと手を当てた。
(さて、私の旅路は何処へ向かうのやら.....ですわ)
大樹を見上げ笑うドリュアス。
時間は遡り瀬名サイドへと変わる_
冒険者と聞けば勇者や魔王と言った物語を頭に浮かべるでしょう。
冒険者、何と良い響きでしょうか?凄くかっこいいし勇気ある者達の総称ですね。ですが、職業は何にするかと聞かれれば戦士一択ですかね。
そして多方、物語の道中に置いて敵々は勇者や戦士と呼ばれるパーティの前に立ち塞がりますよね?そう言った道中ならば逃げや撤退に徹する事も出来るのですが、私達はそんな生温い現状には置かれていなかったのです。何故なら_
「ヴゥヴォアアアアイイッ!!!!!!」
牛頭の化物達がオレ達を囲みうなり声のような叫び音で叫んでいるからです。
「えぇ〜と、これはミノタウロスじゃあないだろうか?」
強い吹雪の中三人固まって歩いていたら全長五mは超えるであろう牛頭が突如姿を現し攻撃を仕掛けてきたのだ。それも一体ではない、軽く数えただけでも十は超える数だった。
「ちょ、マジで二人とも助けてぇ!」
「セナ、いい匂い。」
「ぁぁこれがぁ、殿方のて、手の形.....」
(首筋匂い嗅ぐの止めれ!!手の形とか誰もそう対して変わらんやろ!!)
このように二人は自分の妄想に入ってしまい聞く耳を持たなかったので、二人を抱え足に強化を添え跳躍するが牛頭の一体も跳躍し手に握る大斧の振り下ろす。その図体に似合わずかなり敏速な動きに驚いたが瀬名は素早く対応する。
「あああああっ!!邪魔だぁああああっ!」
振り下ろす前にもう一つの足に強化を流し牛頭の腹に蹴りを叩きつけ何とか大斧の振り落とされた軌道から外れ地面に着陸する。
「おい、いい加減にしろよぉ!!」
二人を揺らすが二人は抱きかかえられた喜こびで言葉が頭に入って来ない。
(ふざけんな!二人はほぼ不死身なんだろうけど、俺は違うんだよぉ!!)
牛頭の群れからより遠くへと離れるために走りだすが奴らの方が早くすぐに追いつかれる。
「くっ、どこか、隠れる場所がっ!」
攻撃を何とか避けながら周りを見渡すと竹林が見えた。そして強化を全身に流し一足のうちに近くまで辿り着くが、
(嘘、だろ....反則だろっ!?)
牛頭の何頭かも強化が使えたようで瀬名は背中をかなり深く切りつけられ白雪の地面に血をぶちまける。抱えていた二人も地面にぼふっと頭から突っこんだ。
「あうっ」
「あん」
可愛らしい声だがそんな場合じゃない。
(ヤバかった、全身に強化掛けてなかったら真っ二つだった....)
それでもこれだけの重症を負う瀬名は何とかポケッ卜に入るプリギュアからくすねて来たポーションを口に流し込み血が止まるのを感じる。そして立ち上がり二人を何とか抱え直すと牛頭の一頭に身体を掴まれ空中へと押し上げられる。二人はその場に取り残され他の牛頭に身体を鷲掴みにされた。
「っ!」
ギシギシと強く握られ瀬名の身体が痛みを感じる。牛頭は興味深そうにみてから意地悪く笑みを浮かべ咆哮を上げると周りの牛頭も咆哮を上げた。すると牛頭達はアルセイド達を殺すべく強く握り始める。オレはその光景を見せつけられるように体をそちらに向けられた。
「あぁ、あぁ、いいっ、痛みがわた、わらしをぉ、気持ちよく快楽へと進めてイくぅ、あぁ」
一向に死なないネーレイスに牛頭は不思議な表情を浮かべる。
(うん、分かるよ、その気持ち.....変態って頑丈なんだよね)
瀬名は同情の視線をその牛頭に向ける。そして視線をアルセイドの方に移すと。
「私がいつから捉えられていると“錯覚”していた。」
アルセイドを握っていると錯覚している牛頭は高らかに咆哮を上げ鼓舞していた。多方、握り潰した幻術でも見せれているのだろう。
(て言うか、お前らオレを助けろ!!マジで死ぬから!!)
アルセイドは牛頭の群れを堂々と進み自分の方へと歩いて来る。だが誰一人としてアルセイドへと視線を向ける牛頭はいなかった。
(.......完全催眠ですか?)
するとネーレイスの方から喘ぎ声が途切えたので振り向くと何処か萎えた表情のネーレイスがいた。
「あぁ、あぁ、んn、飽きましたぁ、わ、わたしには、じょ、ジョンくんが、いい、みたい、ですぅ。」
視線が合うと熱い眼差しをしながらそう言葉に出してきたのでジト目で返す。
(いや、さっきまで喜んでたでしょ.....)
「痛みにもしゅ、種類はありますぅ。ジョンくんのい、痛みはこ、心に染み渡る心地のいい痛み。まるでわ、私をお、お姫様の様につ、包み込む毒性、麻薬なのですぅ。」
(......心が読めるのか?)
「神ですから?」
何故、疑問文。とそんな馬鹿な会話や行動を繰り返しているとひと振りの大剣が自分を掴む牛頭の眉間に突き刺さった。
「今の、アルセイド?」
解放されてよっと地面に下りるとアルセイドが飛びつき背中に回った。
「違う、見て」
アルセイドが指を指す場所を見ると牛頭と戦う二人の男の姿が見えた。
「す、凄い」
人の動きを超える剣技で軽々とあの巨体の攻撃をいなし跳ねかえしていたのだ。
「凄いだろ!」
「!?」
後ろから声がしたので振り返ると大剣を牛頭の眉間から引き抜き肩へと置く正に勇者、いや戦士ともとれる風貌の男が立っていた。するといつの間にやらネーレイスは自分の横に立ち手を握っていた。
「あんた達はいったい?」
牛頭の頭が瀬名の横側に空中から落ちて来た。そしてネーレイスのいる側にも同じように牛頭の遺体が音を立て倒れる。
「オレ達かぁ?オレ達は.....」
大剣を担ぐ男が答えようとすると
「「オレ達は冒険者さ(だ)!」」
先程まで鬼神が如き戦いを見せた男二人がそう答えた。一人は剣の血を払い、一人は剣を空中に投げつけ鞘に戻す。
「冒険....者..」
中二心をくすぐる言葉に瀬名は大げさにリアクションする。
(...........いかにも主要人物っぽい三人だなぁ、主人公面過ぎないか?)
そして瀬名は三人の顔を交互に見てそう思うのであった。
絶望が必要だけどまだまだ先かなぁ。




