Episode23 "蛇の次女"
「ムチュウウウウウ、ちゅ、ちゅ、ちゅっ、ヴチュ、ちゅぱん//はぁはぁ///」
口周りと口内に何かが広がる感触がオレを目覚めへと導いく。瞼をゆっくりと開けると目のようなものが自分を見つめていた。夢かと思い再度眼を閉じる。
(待て、目?オレは確かにあの後寝たし意識がある。夢じゃあないぞ、これ。しかも何か口の中に違和感が?)
目をよく凝らしもう一度見てみると、
「ん?んんんううう!?んちゅう!!!??ヴハッ!!はぁはぁ、な、な、な、何をして!むっ、ちゅ、ちゅ、たんま、し、にゅ!!」
トロけたような表情と共に吐息を漏らしているエロ神は寝ている自分にディープな口づけをしていたようだ。
「キュベレー様「キュベレーぇ」は、はい、」
瞳の奥にハートを浮かばせていたのに様づけで深淵色になったよ。
「キュベレー、オレたちは恋人でも婚約している訳でもないんだから、そう言うのは本当に好きなひっむちゅ、ちゅ、まっ、ちゅる、ちょ、 本当にっ、ちゅぱん、はぁはぁ、キュベレー、やめ」
(ヤバい、息が止まるかと思った。)
「おはよぉ、ソチは、今日もぉかわええのぉ。」
何だこの神様?何でそんなエッロい声とスローに脳を掻き乱す話し方が出来るの?
「妾はぁ、ソチを、食べてしもうたいが、いいかぇ?」
「ダメです。」
(何を言っているんだこの神は)
「ケチな事ぉ、言わんてぇ、襲うてえぇえ?」
首を傾げながら神圧を使って拘束しないで下さい。てかこの人、格好もエロい!!何故ネグリジェの片側が垂れてるんだ!!そんなことしたら乳が!!?
(そもそも、いきなり怖いんですよ!!オレ、何もしてないのに何でこんなに好感度と親愛度が高いの!?)
⚠︎瀬名自身は気付いてないが現実世界でも頻繁にこの様な事件が起きかけるのだが大半は瀬名の知らない間に母か見守り側のストーカーにより駆逐されていたのだ。
「ジョンぅ、ソチの考えよーことはぁ、手に取るように分かるぇ。ソチの魂には癖はあるが清く美しく可憐なのだ。勿論、その美しき顔も合わさり魅力を最大限に魅せておるぅ。」
「そ、それって、」
「そう、ソチは神性を帯びる者達には凄く好かれるであろうぉ、今にも妾はソチに溺れそおになぁとる、いや、正確には既に溺れてしまぁとるぅ」
自分の身体を両腕でまきながら悶えるキュベレー。瀬名はそのうちに距離を取ろうとするが神の圧の増量で瀬名は完全に動けなくなった。
「何故ぇ、神でもある妾がぁ、此処までぇ、ソチに心を動かせるのかぁ」
自分の胸元に手を当てて目を瞑るキュベレー。
「男になどぉ興味の欠片程のぉ感情も抱いておらなんだぁ、なのにぃ」
甘くて洗礼な匂いが鼻をつく。キュベレーは瀬名の腰に手を伸ばし大好きホールドをベッド上で行なった。
「え、えーと、キュベレーぇ?ふああ」
いきなり胸元のボタンを外し舌でペロリと舐め始める。しかも性感帯である乳首に向けて、だ。勿論、瀬名ジョンは開発などしていない。
「ふぅふぅ、や、止めて下さいよぉ」
弱々しくなる瀬名にさらに興奮するキュベレー。瀬名は耳を赤くし打開策を思考する。
(強化を....無理だ。今の精神力では確実に倒れる。指輪を使うか?駄目だぁ目の前で使ったら百パー破壊される。)
どの打開策も軽くひねられる未来を簡単に予測してしまう。
「ソチがぁ、妾を、蹂躙したのが、悪いのだぞぉ、近くに寄ろうだけでも危ういというのにぃ」
思考を張り巡らせているとキュベレーは蹂躙と言う言葉を使った。
「妾のぉ、身体ぉ、舐めよおてぇ、快楽への紐をぉ、解きよおたぁ。」
キュベレーが言うのは昨日、瀬名がキュベレーから逃げる為にした少女漫画のアレの件だろう。
「快楽への紐って、「ソチに触られたい、愛され愛したい、交わり繋がっていたい、そんな感情がぁ、妾を襲うのじゃあ」やっぱしこう言うのは愛しあってるひ「愛しておるぅ、」.......」
面と向かって言われると凄い照れる。童貞には刺激が強すぎる。
「その表情も何もかもを妾の物にしぃ、アンブロシアを与え、世界の終焉まで妾と共にぃ過ごそうぞぉ」
だいしゅきホールドに力が入り涙目で自分を見てくる。
(いやいやいや!そんなすっげぇエロ可愛い表情をしても言ってる事は病んでいる人だから!!これは、ヤバい、確かに魅力的ではあるけど、死に掛けるよりもヤバいって雰囲気で分かる。此処に長居したら危険だ。)
そもそもアンブロシアと言う物が何なのかを知らない。
「そのアンブロシアっ言うのは?」
キュベレーは自分から離れ腕を組んだ。そして自慢げに知識を披露しようと口を開く。
「神酒ネクタルと共にぃ、神々が食する果物じゃあぁ。食すれば不老不死となりぃ神の末端となろおよぉ。」
(本格的にガチでリアルにヤバいやつじゃないっすかぁ!母と後輩のデレなヤンが可愛く思えてくる!)
「そ、そんな大切な物ぉ、渡して良いんですかぁ?流石のオレでもいけない事だと思うのですがぁ?」
腰を低くして恐る恐る聞いてみる。でもお高いんでしょ?の容量だ。
「肯定ぇ、厳選なるぅ、審査を受け、ようやくぅ、許可が下りるのじゃぁ。しかし無許可にそれを人間にぃ渡したとなればぁアレースの丘へとかけられるであろうなぁ。」
それならば心配する必要はないなと胸を心の中で撫で下ろす。
「下りなくても奪おうぞぉ、この神域の総力を上げてなぁ。」
瀬名の安心は杞憂に終わった。
「妾たちはぁ運命でつながっ」
キュベレーは台詞を中断し自分の下半身を凝視していた。
(.......何処を見)
「か、身体が砂に.....溶けて!?」
体が徐々に空気へと砂が舞うように消えていく、そんな姿をキュベレーはバツの悪い顔で恨めしく眺めていた。
「彼奴........余計なぁ真似をしおおてぇ....ジョンぅ、必ず夜にはもどおて来るのだぞぉ。」
「へ?ちょっ、意味が」
既に鼻よりしたは空気へと溶けて行き言葉が発っせなくなっていた。
ちゅっと額にキスをされるのを感じるが既に眉から下も消えているのでキュベレーには何の反応も返ってこなかった。
「浮気はぁ、許さんへ、醜くとも奴はぁ、女じゃから、ぐすん、したら、堕とすぇ。」
堕とすの意味が理解出来ないまま意識がブラックアウトしていく。
そのころバルトロメウス達はアタランテーへと呼ばれ兵達の訓練所にいた。
時間的には朝の9時くらいなのだが、この国にいたら体内時計までもが麻痺をする。何せ日が沈まず空は二つへと別れているからだ。
「何の様だ、一射絶命のアタランテー」
バルトロメウスは口を開く。
「いや、用という用ではないのだが...ソナタ達とは一度、正々堂々と手合わせをしたかったのだ。」
「よくもぬけぬけと言えたものね?」
昨日の一件があってからはリディアはアタランテーを幼少の頃憧れた英雄としては見ず、敵として討つべき相手だと意識をしていた。
「ソナタ達はキュベレー様の圧を受けながら某の攻撃を急所にギリギリ当たらない角度で流した。一部のアルゴタウンナイの奴らだけだろう、それが出来るのわ。ソナタらは誇ってよいぞ。」
謝罪ではなく賞賛を受け取れと言う態度で接するアタランテーに苛立ちを感じ始めるリディア。
「そう、アルゴタウナイの乗組員さん達もたかが知れたようね。いえ、私達が強すぎたのかしら?女狩人さん。」
挑発気味にアタランテーを煽るリディア。レシは起きたばかりなのか、深い欠伸をしながら会話を聞いていた。
「貴様、戦友を愚弄するか!」
人情に厚い人物だったなと思い出し、バルトロメウスは冷や汗を流す。
「オイ、私は腹が減ったぞぉ!行ってもいいか?」
セレナも昨日とは違いアタランテーへ敬意の態度を示さず素で話している。お腹に手を当てさすっている所を見るに本当にお腹が空いている様だ。
「ならば抜け!本物の力の差と言うものを教えてやる!」
アタランテーは腰にあるスティレットを抜き、指で挑発する。
「私が行くから貴方達は手を出さないでくれるかしら。」
リディアはこちらを見る事もなく麗剣の内の一丁を抜刀する。
「私は、全員でかかって来いと言った筈だが?」
「それを負けたときの言い訳にでもされたらたまったものではないわ。それに貴方、弓を使わないのでしょう?」
「......後悔するなよ、小娘。」シュンッ!!
「消えっ「何処を見ている」
台詞を言い切ると共に目の前から姿を消したアタランテーはリディアの後部へと回り脊柱目掛け刺突を放ったのだ。が、首へ刺さると同時にリディアの体は水風船の様に爆散し地面へと水が弾けとぶ。
「ほう、やるじゃないか、水風船と言う事は水の精と契約をしているな?」
「ええ、そして貴方は此処でお終いよ、最速の英雄さん」
リディアの分身体に眼を取られていた事で周りを見ていなかったアタランテーは水壁により囲まれていた。
「甘く見られたも「そう」
囲んでいた水壁がアタランテーを飲み込む様に襲いかかり、竜巻状に姿を変えリディアは左手をグーで閉じる。
「水壁紉」
竜巻状の流水は一瞬にして凝縮し四方へと爆散する。
「リディア=ヴァンディ、これは訓練の筈だ。」
バルトロメウスがそう言うとリディアは鼻でそれを笑った。
「私を先に殺そうとしてきたのは狩人の方よ。二倍返しで返すのが常識ではないのかしら?」
バルトロメウスの頭の中に瀬名の顔が浮かぶ。
(それが常識ならばお前はジョンに殺されなければならないぞ?)
水流が爆散した事により出来ていた霧は徐々に晴れていく。そこには地の魔術による防御壁が展開されていた。リディアの放った流水は養分として土へと吸収されていたのだ。
「!?」
リディアは眼を見開き驚くが直ぐに表情を改め、握る麗剣に力を入れ斬撃を放つ。
「リディア=ヴァンデッ「第四ノ秘剣_一刀飛燕」
バルトロメウスはリディアが救援に来た際に使用した斬撃を大気中浮くマナに乗せ相手へと届かせる技をこの訓練所で使用しようとしている事に気づき止めるよう声を出そうとするが間に合わず技の発動を許してしまう。
ヴァン シュン!!!
土で出来た防壁は真っ二つに割れ後ろの壁をも貫通し外へと斬撃が放出された。
「好きにしてはいいと言ったが、余り物を壊して欲しくはないな。もっとも」
アタランテーはいつの間にやらリディアから少し距離がある背面へと移動していた。リディアは冷や汗を流しつつ身体を後ろへと向けるが、
「終いだ。」ピンッ!
デコピンを振り向きざまに額へと食らわされ尻餅をつく。
(アタランテー......英雄と呼ばれる存在の中でも上位へと名を食い込ませる程の実力、私と彼女の間には数段の壁がある......仮にあの人が戦ったとしても......勝敗は分からない)
「メディックにしてその実力、感服する。」
彼女は私へと手を伸ばすが私はそれを無視して立ち上がる。
「貴方ならさらなる武勇を残せる筈なのに.....何故.....」
若き日の憧れからか口から思っていた事が溢れる。
「運命に恵まれなかったとでも言っておこう。」
何かを思い出したかのように表情に曇りがかかりそう呟いた。
「さあ、これで分かっただろう、今からは貴様ら全員でかかってこい。」
先程まで無表情な目指しで傍観していたセレナとレシは静かに答える。
「貴方.....勘違い......」
「ああ、リディア殿は治療と指導に置いては一流なのだろう。が戦闘面に置いては我らより下だ。能力に圧はあるのだろうが、経験が少ない。」
セレナは冷静な分析でリディアの特徴を説明する。
「っ」
リディアは顔を紅くするが直ぐに何時もの表情に戻る。
(確かに私の戦場は患者の回復、治療だった。しかし、)
闘志の炎が瞳に宿る。
「レシさんが笑うのは分かるのだけれどセレナさん、元団長でも貴方は私よりも後に就任した筈よ。経験が少ないのは一体どちらの方なのでしょうね?」
キーンッと音を立て周りの空気が光を放つ。すると粒子のように集まりセレナの手元へパルチザン状の槍が顕現する。
ブンブン ブンブン
槍を豪快に回し舞を思わせる動きをするセレナ。
「いいだろう、試そうではないか!」
いつにも増してセレナは挑発気味に笑った。
「良い!!思う存分にやりたまえ!!」
アタランテーは面白がるようにバルトロメウスとレシの近くに行きあぐらをかき座る。そして腰にあるポーチから赤い林檎を取り出しひとかじりした。その姿をレシは物欲しそうな顔で眺めているとバルトロメウスが今朝訓練所に来る前に買ったであろうパンとジャムを袋ごと渡す。
「バルトロメウス....あいがと...」
バルトロメウスはむしゃむしゃと口に食べ物を含んで行くレシの姿に満足しセレナとリディアの方へと顔を戻した。
「それではいざ尋常に」
槍での舞を止め構えをとりセレナが言う。そしてリディアも構え直し二人は同時に場を踏み出した。
「「勝負!!」」
言葉が叫ばれ、両者の武器が火花を上げぶつかる。
カランっ!!
大きな音が耳元から聞こえてくる。何かが自分の近くへ投げられたのだろう。
(何にも見えねえ)
音により目覚めた瀬名は立ち上がるが周りは一面漆黒に包まれている。
「おーい!キュベレー?」
ヴォ ヴォ ヴォ ヴォ ヴォ
「何だなんだ!?」
あらゆる場所に設置してある薪に火が灯り視界がクリアになる。
(おいおいおいおい)
周りには柱が何本も適当な位置に配置してあり蔦が柱へと巻きついている。一本一本の柱は巨大で地面は少し濡れていた。濡れているというよりは一、二センチほどの水がはってあり草花があらゆる処に生えている。
神聖にも見え不気味な場所にも見えたが一番は.........
「勇者よ、剣をとり我に覇を見せてみよ」
奥に控える巨大な影だ。下半身から下は蛇のようになっており、尾をいくつもの柱へ巻きつけ、堂々たる女王のような佇みで自分を見下げていた。




