Episode22 "滞在と色欲"
「妾に仕えよぉ、ジョン、その命散りゆく時までぇ」
女神は瀬名自身を所望した。瀬名は頭が白くなり一時の間何も考えることが出来なかった。
「へ?」
何かを言葉に出そうとしたがうまく舌が回らない。助けを求めようとバルトロメウスへ視線を向けようとするが彼の口が先に開いた。
「キュベレー神、こいつはオレ達の仲間の一員であり、貴方の元で使える事は出来ない。」
きっぱりと断言をした。二週間と言う短い付き合いだが自分の事を切り捨てずに神の申し出を断る事に感動する瀬名。だがバルトロメウスは瀬名の思考とは反対に違う事を考えていた。
(渡す訳には行かない。こいつらについての情報についてはほぼ不明と言ってもいい程欠落している。が唯一つ言える事は、こいつらはオリュンポス共に余りいい感情を抱いいないことだ。)
瀬名を渡せば機創の技術を盗まれるも必然、さもなればオリュンポスとの戦争のおりオリュンポス側は不利となるだろう。従ってオリュンポスの従僕であるヘーラクレースは前線へと確実に駆り出される。それは収める領土、すなわち西国へと被害が出るのは確実だ。
「そおかぁ、でわなぁ、其方らは死にぃ、ジョンだけは生かそうぇ」
第八師団に特大の神圧が襲い全員が地へと顔面をキスさせる。
「があぁあああぁ!!!」
(ちょっ!!生かすって言わなかった?押しつぶされて死にそう何だけど!!!)
ジョンだけは生かすと言った手前、瀬名も神の圧に押しつぶされていた。
「すまぬぅ、ジョン、来なさんしぃ」
「あれ?」
唐突に圧から開放され気づけばキュベレー様の手のひらに立っていた。
(あれ?何でオレ?....それよりも皆は?)
後ろを振り向くとリディア、セレナとレシはアタランテーと対峙しており、バルトロメウスは此方を睨んでいた。バルトロメウスの身体は傷だらけでキュベレー様の元へと槍を携えて駆け出すが見えない何かに押し返えされ装飾品が散りばめられた壁へとえぐり込むように吹き飛ばされる。
「キュベレー様、止めてくれ!何でこんなこと.......」
動きが普段よりも遅いのは俺でも分かる。神による圧の影響を受けているのだ。リディア達は身体中に矢が刺さり斬り傷なども至る箇所についていた。
「わ、分かった!オレがあんたに従えば、解放してくれんるんだろ!なら、従う!!だから止めてくれ!!」
今すぐ止めさせなければ第八師団は全滅してしまう。瀬名は震えながら懇願した。
「そうかえ?」
「あぁ、何でも言うこと聞く、だから」
攻撃の手が止まる。キュベレー様が何かしらの力でアタランテー含める第八師団の動きを固定させた。
「今、何でも....と?」
わなわなと震えるキュベレー神。光悦した表情と共に深い笑みを作るキュベレーは自分を手の平から下ろしキュベレー自身も人間サイズへと変化した。
「フフフ」
怖い。中学時代の女子達を思い出し鳥肌が立つ。
「いや、何でもってのは、そのオレに出来る事ならと言う意味で、」
「ソチならば出来るさぁ。」
(はぁ、此奴は何故そこまで妾を興奮させる?今すぐでも襲ってやりたいくらいに)
「わかった。でも、あの一つお願いがあるんですけど、オレを鍛えてくれませんか?」
運良ければ加護が授かる事が出来るのではないかと無理元で聞いてみる。
「神である妾にぃかぁ?くはは、ジョン、やはりソナタは美しくもあり面白い!あぁ犯したいなぁその身体を......精神さえも妾のぉ色にぃ染とうなぁ」
隠さずそう申すキュベレー神の異常性を感知し瀬名は間違いだったのではと拳を握り締めた。
(もう、わかった。この人、後輩と母さんと同種の人だ。)
時折こういう輩は瀬名ジョンの前に現れるのだ。大概は警察を呼ぶかその人の親へと連絡を入れる事で解決されるのだが、
「しかしぃ、妾にわなぁ、武の力はないてなぁ、代わりの物を用意しよおぉかぇ。」
話ながら恋人つなぎをしてきてベタベタ触ってくるキュベレー神。
「だがなぁ、ジョンよぉ、ソナタはぁ、妾と半日以上の時を過ごさなければならぬからなぁ、勿論、就寝時も妾と共に一緒ぞぉ」
「そ、それは....」
(ヤバイ、これはヤバイ、いつものアレの序章じゃん!)
「妾は、そなたを離したくないぃ。」
(束縛系ですね、はい)
「アタランテー、その者達を連れて行って構わんえ。客人として、よぉ扱いなんしぃ。さて」
バルトロメウス達が出た後、キュベレーが舌づりをし此方の眼をよく捉える。
「はぁはぁ.....ジョン....はぁはぁ」
(ヤバイ、知っているぞオレはその眼を、犯される!!)
ガシッ!
「何処へぇ、逝くのぇ?」
扉に向かおうとキュベレーに背を向け歩き出そうとすると後ろから抱きしめられた。
「クンカクンカ....はぁはぁ...いい....かえ?」
正直に言うとめちゃくちゃ可愛いけど、前進すればオレはそこまでだってはっきり分かんだね。
「あのぉ、オレもバルトロメウス達の処へと行きたいのですがぁ....」
「そちが“イク”場所は此処じゃぇ。」
あの、表記が違うのですが、
(あの手は最終手段だが、使うしかないか....)
「キュベレー様「キュベレーで良い」.....キュベレー、オレの事は好き?」
瀬名はくるりと振り向きキュベレーを抱きしめ耳元で囁く。
「な、何を!?」
顔から蒸気が出るほど顔を紅くさせ抱きしめられた身体をパタパタさせる。
「オレはキュベレー様を最初に見た時から.......好きですよ。」
イケメンヴォイスを使い耳元へ呟いた後は額に自分の額を合わせ眼と眼を見つめながら再度好きと言う。
「はぅっ////」
(あれ、此処まですれば大概のストーカーは気絶するのにぃ。)
キュベレーは腰が砕けその場へとへたりこむ、そして瀬名は背後に回りあすなろ抱きをしたあとまたしても耳元へと囁いた。
(クソ、自分をイケメンだと信じろ!ジョン=瀬名!!)
童貞は少女漫画で呼んだテクニックを使い幾人もの行き過ぎたストーカーを退けた。が此処まで意識を保つ女性は初めてだ。
やられるくらいならやってやる精神を持ち始めたのは百を超える逆レ○プ未遂のおかげなのかもしれない。だが未だに童貞だ!
「オレ達は、巡り合う運命だったのかもね?こんなに可愛い神様に出会えたことに俺は」
キュベレー神の首元をチュっとキスをする瀬名。
「んっ//ダメぇ//んぅ」
耳元へと唇をもって行き甘い言葉を投げつつアマガミをする。少女漫画で習ったイケメンの必殺技だ。あの世界の男共は何処か異常な行動をする傾向がある。イケメンなら許されを体現したような世界なのだ。
「あっ///」
瀬名はアマガミを解き立ち上がる。
「はぁはぁ、どうしたの....かえ?はよぉ、続きぉ」
甘えて来るがダメな物はダメなんです、扉へとダッシュ!!
「あっ?腰がぁ...ジョンっ、ジョンんんんn!!!」
立ち上がろうとするが腰が抜け立ち上がれないキュベレー。そして瀬名は無事扉を締め部屋を後にする事が出来た。
(ふう、何とか貞操は守られた。)
「瀬名ジョン。」
出た先にはアタランテーさん、いやアタランテーが待機していた。こいつ、オレ達を処刑台に送り込んだような物だぞ。
「キュベレー様はどうした?」
「今は入らない方がいい、外の者に部屋を案内してもらえって言われたんだけど。」
「そ、そうか。ならば着いてこい。」
それからは来た道を戻り、城外へと出るとバルトロメウスが街で売っている物資を物色していた。
「犯罪?」
まぁ、アタランテーが言うには好きな物を勝手に持って行って構わないとの事。どうやら侘びのつもりだそうだ。証明書も貰ったしオレも見て周ろうかな。
アタランテーはバルトロメウスの所まで送ると姿を消した。そう言えばあの人自分の事をギリシア最速って豪語してたなぁ。 正直な話、アタランテーには親近感を覚える反面ちょっと苦手な部分があるんだよなぁ。取り敢えず今はバルトロメウスに話だ。
「!?」
突然話をかけられたバルトロメウスは身体を一瞬ビクつかせた。
「ジョン......無事だったか。」
如何やら自分の事を心配してくれていた様だ。
「せっかく許可が出た所悪いんだけどなるべく今すぐにでも旅立たない?」
一刻も早く此処から出なければキュベレーに捕縛される。アレは母と共に歩いていた時、名も知らぬ女性が突如として現れオレを拉致しようとした時のあの瞳と似ている。勿論、母親がその女をねじ伏せたが。
「何故だ?此処までの技術力と会い見える機会は少ないのだ、それに貴様は稽古をつけてもらうのだろ?抜けるまでにはまだ時間はある耐えろ。」
「た、確かにそうだけど..キュベレーは正直な話、ヤバいんだって!」
「諦めろ、少なくとも五日は滞在をする予定だ。各団員達も宿を与えられた。オレ達が情報を集めている間、貴様はあの女神にでも加護を授かれ。それとこれを貴様に渡すのを忘れていたな。」
うなだれる瀬名にバルトロメウスはポケットから一つのリングを渡してきた。
「指輪?」
「危険だと感じた時、その指輪へと魔力を回せ。仲間の位置、そして会話が出来る。」
「いや、外界の物に魔力を流す方法習ってないんですけど.....」
魔力を身体に回す事は学んだが外へと放出する術を学んでいないのだ。
「あの女神にでも教えてもらえ。」
結構、こいつってドライだな。
「怪我は大丈夫なのか?」
先程負った傷は癒えているように見えるが装備品がかなりダメージを受けて見える。
「オレは大丈夫だが、リディア=ヴァンディが今は宿で各自の治療を行なっている。」
「リディアも怪我をしただろ、大丈夫なのかよ?」
「言っていなかったか?リディア=ヴァンディは自身に術式をかけている。それだけ言えば分かるだろ。」
「あー確かに、納得」
先程の状況からは考えられない程冷静に会話をしているのだが、死に感して恐怖と言う感情が麻痺あるいは欠落してきているのかも知れない。
バルトロメウスの後を追い、必要な物を各店舗から拝借してから宿へと向かった。各自一部屋づつ貰えるという事もあり表情が緩む。ベッドもキングサイズで天蓋付きって何処ぞの王族が泊まる宿みたいだな。
(そもそも現代っ子であるオレが一週間野宿を出来た事に驚きだ。)
ちなみに風呂はと聞かれればリディアが水系魔術を使えるので苦労はしなかった。女子一同はシャンプーやらボディソープを持参している様で驚いた。
(てか荷物とか少ないのにみんな何処に入れてるんだ?俺だけでけえ、カバン背負ってるけど。)
セレナも面白そうとか言う意味不明な理由でバックパック見たいな布のカバンを背負ってるがあれは無視だ。考え方が脳筋なんだよなぁセレナわ。
(それよりも歩いてた時に感じた街の違和感....)
この町が不思議だと感じていた。住人が異様な雰囲気、何よりもケモミミとかシッポとかが生えた獣人が多い気がするのだ。アタランテーも何かライオンの尻尾みたいな物生えてたし。
「呪われた町とか言ってだけど関係するのかなぁ。」
シャワーを浴びながらそう呟く。キュツっと蛇口を閉め身体を拭く。お前ら、サービスシーンだぞ感謝しろともしかしたら見ているかも知れない異世界に送り込んだクソ野郎に向け思念を送って見る。
「そうか、沈まないんだったなぁ。」
窓からオレンジ色の夕暮れ時の光が部屋を照らし出す。窓を覗き込むと空に何十と浮かぶ大地と綺麗なユクニ湖(仮)が見事なコントラストを作り美しい景色を作り出していた。
(体内時間的にはもう深夜に近い時間だし寝ようかな。)
べッドへと入り毛布を被る。ゴソゴソと音が下の方から聞こえて来るが瀬名は気づかない。
(あったかい〜、それに何か分かんないけど独特ないい匂いがする。未知の洗剤?何て言うかずっと嗅いでいたい気分、それに何か柔らかくて......柔らかくて?.....)ぷに
「あん//」
嘘だろ!?ラノベ展開でもし現実に起きたら絶対分かるだろNo.1のイベントに何故、気付かなかったオレ!!
ガサッ
「..........キュベレー」
「どうかしたのかぇ?えへへ//続きをしなさんしぃ//」
よし、此処はベッドから.......出れないですねぇ。こんな所で神の圧をぶつけないで下さい神様。
「ジョンぅ、妾は、我慢が、出来ぬぅ//早くぅ」
神様ってこんなに発情する者なのでかねぇ。今は横になっているオレの上に乗り顔を胸板に押し付け吐息を漏らしていますけど、てか身体を上下に揺らさないでぇ!!!
「あはぁ、元気になりようたぁ//」
この人、言動から行動まで全てがエロい!!しかもねっとりボイス出し頭が溶けそうになる!!頭では分かっていようと身体が求めてしまう程に魅力的過ぎる!!オークに靡く女騎士の成れの果ての気持ちが少し分かってしまうぅ!!快楽にその身を!
「ジョン=セナ、入るぞ。キュベレー様は此処にいるか?」
ガチャッと扉が開く音がする。
(この声はアタランテー!)
「ジョ、も、申し訳ありませぬ!!」
行かないでえ!!あ、止まった、
「エウリュアレー様の許可が降りました事をお伝いしたく参りました故、お、お邪魔しましたぁー!」
ガチャン!!!
「嵐の様にぃ、面白き娘よぉ」
あのー、人の首筋舐めながら話さないで貰える?
「あ、あのキュベレー!!こういう事はお互いをもっと知ってからにしよう、」
「嫌やぁ、ペロ、クセにぃ、なりそうぉ、ペロリ、なんゃぁ//」
この方法は多様できないけど....仕様がない、
「.....嫌いになるよ?キュベレー」
「..........」ブワッ
涙を溜め、首を左右に振る。
「嫌や、嫌や、嫌や 、嫌やぁ!!」
駄々っ子の様に泣き叫ぶ。神様ぇ
「ゆっくり、ね?急ぐ必要はないんだよ。」
自分にできる最大最強のイケメンヴォイスとスマイルを使い上に乗るキュベレーの頭を優しく撫でる。
「んっ//気持ちいぃ//もっとぉ//」
大地母神として信仰される神様なのにこんなに甘えん坊で大丈夫何ですかね?
「...........す..き...や...え..」
ぐっすりと眠ってしまった。神様って寝るもんなんだ。
「ふあぁ、オレも眠くなって来たし寝よぉ..zzz」
エッチな事より睡魔が襲うことってあるよね?例えば、挿入した状態で寝てしまい彼女を怒らせたとか....まぁ、シた事無いんだけどね。




