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Episode17 "北の大地へ"

おいおい、全然物語が進んでねぇじゃねぇーか修行編なんかとっとと止めちまえとツッコミを入れた貴方!安心して下さい進みますよ。え?そんな浮気性な明るいギャグじゃ安心出来ない。分かりますよその気持ち。


お前、イケメンなんだろ?ハーレムはいつ来るの?今でしょ!!と思うところもありますが、甘い!!まずヒロインがバルトロメウスとか言う奴出て来いや!!


しょうがないでしょ!異世界に来て何かしたのか?と聞かれても殺されかけて気絶してたとしか言いようがないし、そもそも異世界来たから主人公って訳でもないよね。


だが数々の峠を越え何と、強化の魔術を習うと言う如何にもファンタジー要素溢れる幸運が訪れたのです!強化って精神力の問題っぽいので習えば誰でも使えるそうだけど厨二病を常時患わせているオレには無関係に喜ばしかった。ぼっち×スルー能力×忍耐力×勉学努力はどうやら精神力向上に役立てた様で並以上の精神力がある事が誇らしいぜ。えっへん!


そして短くも濃い修行期間を終えたオレはバルトロメウス一行と共に北の大地へと繋がる国境付近でカバンを背負いながら妄想をしていました。リディアの馬は?って聞かれれば民家に置いて来たとの事です。


ちなみに家を出る際、主人達からは泣かれながら残る様に勧められましたがそれを断りました。料理が気に入ったんやろうなぁ。それにバルトロメウス達は敵対国の兵士なのに笑顔でで送りをしてくれた一家の聖人さには感服しました。うん平和的が一番!脅し何て無かったんだよきっと。


この様に頭の中でぐるぐると思考を渦巻かせながら時間を潰してるのだが流石に飽きてきた。


「いや、何で俺たち此処にまだいるの?」


実は民家を出てから二時間くらい経っているのだが、此処からでも先程出た民家が見える程近い距離にいるのだ。と言っても民家が百円玉位くらいに見える距離なのだが。


「うるさい......変態(モロン)


レシはこの様に最初の出会いの原因で変態と言う呼び名で自分を呼んで来るのだが、仕方がなかったのだよ。だってロリ巨乳美少女だぜ!!


「今は三重に貼られた結界の部分的解除に力を入れているんだ、レシ殿も疲れるさ。何せバレでもすれば東国のみならず同士である西国も戦争そっちのけになってこっちに来るだろうからな。繊細にもなろうよ。」


巨石の上に座るセレナが少し高い位置から話をかけてくる。ちなみにリディアは現在その石を背もたれに民家から拝借した何冊かの本の内の一冊を読んでいた。


おい、此処はチャンスだぞお前って思った君、無駄だよ。何せ修行の合間に既に字の勉強はスパルタンさせられたからね。ドキドキワクワクな二人だけの淡い空間で?違います...そこで槍をグルグルン振り回している美男子にです。夢の欠片も感じさせない話はスルーしましょう。


ちなみに瀬名は頭が良いので教えられた事は大概一発で覚えた。それに効率のいい教え方をするバルトロメウスも極まり一日の勉強で勉学は終了した。その辺の凡異世界主人公とではスペックが違うんだよ!スペックが!能力頼みの屑どもには負けんぞオレは!努力と顔でカバーするから羨ましくなんかないからな!


「はぁ....花綺麗」


ため息を漏らしながら一面に広がるソバの花々について感想を漏らす。ちなみに服装は制服のままです。制服って実は機動性に結構優れている事は皆さんご存知だろうか?それなのにタボパンを着ているアホ共は火災や地震が起きた時逃れられるのか?否です。などとどうでも良い事を考えながらセレナが座る巨石に登り隣へと座る。巨石と言われれば3メートル以上の岩を想像すると思うだろうがこれは大体1.5メートルくらいの控えめな岩です。


「ジョン、君は異世界(笑)から来たのだろう?何か面白い話などはないのか?」


(いるいる、いきなりの無茶振り!キョロ充とかが自分では面白い事言えないからと周りを巻き込み無茶振りをさせるアレだよ。しかもネタがつまらなかったら弄るんじゃなくて暴言を吐くんだよね。だったらてめぇがやれって話だよ。だがまぁ、オレはそんな期待に応えてしまう男、John Senaだ!!)


オレの脳内のBGMにはあのWWE王者のテーマソングが流れる。


「無茶振りだろがまぁ此処は一つ面白いお話をして見せようじゃないか。母さんの名にかけて!」


「随分....やる気....面白くなかったら....セレナの....平手打ち」


結界に触れなながら慎重な部分的除去を行っていたレシが唐突に話へと入ってきた。彼女もどうやら暇を持て余していたらしい。まぁ、黙って二時間も作業してれば話の一つや二つもしたくなるだろう。


パタン


「異世界(笑)の喜劇を聞かせてくれるのでしょう?早くなさい。」


オレとセレナが座る石を日陰に読書をしていたリディアが本を閉じ瀬名の話を早く話すようにと急かす。


「面白そうだな、機創に関係する話やもしれんしな。」


ないです。先程まで時間を持てあまし自主鍛錬をしていたバルトロメウスも槍を下ろし此処まで歩いてきた。お前はやらないのかって?精神力にコントロールが効かないオレが仮に訓練何て行なっても見ろ!北の大地に行く前に力尽きちまう。


「お前ら、期待しすぎィ!てか一週間で馴染み過ぎィ!!一応このメンツの中から三人はオレを殺しに来てたからな!!」


「「「いや、ジョンだし」」」


皆がハモる。本当にこいつらは嫌な性格をしている。忘れがちだが高校時代までは一応イケメンクールキャラの立ち位置だった筈なのだが異世界に来てからは唯の弄られキャラにまで降格をしている気がする。


「お前らなぁ」


「ジョン、一つ言っておくが我らは元来団長職に就いていた故に会話力はあるのだ。人と愛想よく話す事は容易い。まぁ、もっとも、」


セレナが他の三人へと顔を向けると三人とも視線を逸らした。


(コミュ障だったんだな。)


同情の視線を三人へと向ける瀬名。


「まぁ、何はともあれ取り敢えず話すか。アレはオレが14歳に成った時にアニメ...えーお前らで言う冒険譚にハマってな、登場人物がすごくかっこ良くてオレは学び屋でその登場人物と同じ言動、行動をしていたわけだ。」


あれは、いい思い出だ。箒を使ってゼロ式をしたりポケットに大量の文房具を入れたりと今思えば枕に頭を埋めてそのまま気絶したいくらいには恥ずかしい思い出だ。特に酷いとアニメとかで発狂したりするシーンがあると鏡の前とかでその練習をした思い出もある。


お決まりはシャワーを浴びている時にアニソンを力強く歌い上げ、風呂上がりに母親がドヤ顔でICレコーダーを片手に脅しをして来たのは日常茶飯事だ。


「あら、それのどこがおかしいのかしら。14は少し歳が行っている気かするけど、男性と言うのが英雄伝に興味と憧れを抱くものではないのかしら?」


リディアの言い分は一理あるがオレがいた現世はこの世界みたいに絶賛戦国時代じゃなかったんだよ。


「あー、それが、オレの世界では少し違ってオレは痛い奴だと思われていたと思う。」


「.....何故?」


レシが口を開く。


「オレはその主人公の掲げる悪を打ち正義を救うって行為に凄く共感して自分自らがいろんな事に首をつっこんじまったんだ。そんでもって喧嘩や婆さんの荷物運び恋愛相談エトセトラと今思えば偽善な行動をしていたんだがどうやらその時の言動が酷かったらしく付いた二つ名が、」


「「二つ名が...」」


「親泣かせの色男(ナイスガイ)


シーン


「何故、親泣かせなのかが疑問なのだが。貴様は善行を行なったのではないのか。」


バルトロメウスがそう答える。


(今の笑う処なのだが異世界って事忘れてた。一応ここは皮肉が効いた面白い名前だなって笑う処なのだが、ははは)


現実世界だと痛い話で通るけど、此処ではそう言った話は冗談だと受け止められなかった。


「いや、あのですねー。うちの世界では子が18になるまでは親の責任的なアレがありましてですね。」


「そうか、善行を行えば行う程、君は被害を出し母君と父君に迷惑をかけたと言う訳か。」


「変態にしては...少し見直した...けど...何故...貴女が起こした問題が....親族に...迷惑...わからない」


普通のコメント過ぎて逆に何て返せば言いかわからない。


「で、此処から面白くなるのであろう?」


セレナは眼を輝かせながら此方を見てくる。


「えーちなみに今の二つ名の件が笑いのポイントでして...ああああ、もう少し続きを話します!!」


「そう、今のでお話が終わっていたのならつまらない男と切り捨てようと考えていたのに。」


リディアがポケットから針を戻す仕草をとる。オレはその姿を見た時、冷や汗と同時に石から転げ落ちるのだがそんなオレを見てリディアが、


「ぷ、冗談よ。今のは傑作だわ、ふふふ。」


吹き出し冗談と口にする。正直洒落にならないので止めて欲しいです。周りも釣られて失笑してるし、


「まぁ、なんやかんやあってオレの母親は喧嘩相手の親御さんのところに謝りにいってくれて沢山迷惑をかけたんだ。凄く感謝してもしきれない存在だよ母と言うのは。」


「いい、母君だな!」


「ああ、オレは帰り道の母親の言葉が今でも頭に刻まれてる。“救える人がいるのなら救いなさい、何もしないで見捨てるのは真の弱者、白状者がすること。信じるのは自分の正義、信念だけでいい。”と」


もっとも変な女に流されてはダメよ、母さんだけにその正義をぶつけなさい。いや、むしろその正義をべッドでXXXXとつぶやいていた事は伝えないでいよう。当時は意味が分からなかったけど今考えるとよく襲われなかったなぁとつくずく思う。


「その方はさぞ高名な賢者だったのであろう。」


バルトロメウスはうんうんと首を縦に振っていた。


「そんな大層なもんじゃねーよ。子への指導が上手いってだけだ。」


「羨ましい..私...レア.....両親..いない...から」


レシは肩手で作業しながらそう言葉に出してきた。


「私は母が早くに他界し父手一筋で育てられたからな、男勝りな性格に育ってしまったよ。はは!」


セレナは笑いながらそう言う。リディアは何か感慨深い顔をしながら本を開き読書を再会した。


「母は....強し....みんな......終わった.....行こ」


どうやら作業が終わったらしく障壁には四角く人が通れる大きさの穴が空いていた。もっとも四方には杭が刺さっており透明である障壁のどこを通ればいいのか分かり易くされていた。


(なんか杭が空中を浮いてる様にしか見えないけどすげーな魔術って)


強化が使える様になったからと言ってけっして多彩な魔術を見たわけではない瀬名は驚きの表情を見せた。


「よし、行くぞ!」


バルトロメウスが先行してその穴を潜り北の大地へと一歩踏み出す。


「あれ、でもこれって同じ時間だけ修復の作業をそっち側でしないと行けないの?」


瀬名は結界を通る寸前、レシに質問をする。


「うんうん....これは自動的に....締まる...様に..した」


「へーすげぇ!!」


褒めながらレシを持ち上げ思わず高いたかいしてしまった。


「....離せ....変態...」


レシは顔を赤めながらそう言った。


(かわええええええええええええ!!!!!!!)


「す、すまん!!つい」


と言い下ろす。今触れていたの腋だよな....自分の手だしクンカクンカしていいかな?いや駄目だ。クンカクンカでは足りない舐めよう。取り敢えずバルトロメウス達がいる方向へと目指す。


(いい匂い!!何だこれは!!嗅ぎつづけたい!!このほのかに香る汗とブルーベリーのフュージョン!!癖になる!!)


「何をしているのかしら?」


リディアが話をかけてきたのでオレはいつも通りのすかした顔で答えた。


「いや、鼻がムズ痒くて」


「そう」


どうやらバレなかったようだ。そして最後にレシが障壁を抜け北の大地へと足を踏み出した。すると空中に刺してあった杭を抜きレシは此方へと来た。てか穴ってどうなるんだろ。修復するとは言え危なくないか?


「杭は..抜いた..から..」


レシがそう言うと同時に障壁付近に何重にもはった結界が現れる。


「此処一体に....大きな結界を.....張った」


レシたそ有能過ぎるだろ!!


「障壁が...自動で回復する....筈だから....その間の....予備結界も...張った....四重」


「それならば安心だ。たとえ人外の者が抜けようとしてもその間に修復は完治しよう。」


バルトロメウスはそう言うと背中にかけてある槍を抜き片手で握りしめる。


「此処からは未知の領域だ。武装の展開をいつでも出来る用意だけはしておいてくれ。」


バルトロメウスはそう言うとオレ達は大地を踏み出した。











「テーゼース様とカレイス様は何処へ(いずこ)...」


「いつになったら殺していいのか?今ならば良いか?我慢出来ないよぉー」


「殺そ殺そっ!いひひひひひ」


「そ、そう、です、ふふ、ころ、殺しましょうぅ。」


「.....」


「この子達は本当に騒がしいですわね。」


「いつもの事です。」


一人の男の周りには六人の美女達が自由気ままに浮遊していた。


そして彼等がいる場所は......


「儂達の裏切り者じゃろぉ?その者達を殺そう、良いでしょぉ?」


民家にて幻想を魅せられている三人の家族。


「いひひ、ヒュラース様、どういたしましょう?いひっ」


「聞き出してくれないか?外の魔術の痕跡、そしてあの障壁の傷について。」


「あひゃっ、かしこまり!!いひひっ」


黒のリボンをした茶髪の少女が敬礼をすると指をくるっと回して老齢の男の額にトンと指を弾く。


「ワタシハセイゴクノカタガタトイチシュウカン.........」


老齢な男はカタコトで淡々と事実を述べていった。


「そうか、ありがとう。では行こうか僕の花嫁達(ニュ厶ペー)


まだ幼く見える美青年はそう告げると先程開かれた結界の元へと踏み出した。白の花々を地に宙に舞う六人の美しき女性は月明かりに照らされ幻想的な景色を見せていた。

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