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Episode11 "仲間の死"

黒煙が広がる左方の上空にてその煙が横切りされ晴れる。


「久しぶりに頭に血が上りまっ、兄さん!?」


ヴァシリスへと視線を向けていたカライスであるが兄テーゼースの魔力の消費、低下に気づきそちらへと眼を移すと兄と戦闘していたであろう若き戦士と一つの杭により繋がり腹が裂かれている現実だった。カライスはすぐさま降下し兄の元へと急ぐ。その側には先程兄の戦闘の邪魔をしようと跳躍してきた少女が若き戦士へと付き添っていた。


「許さぬ、良くも我が兄を!」


「止せ、カライス。」


「何故お止めになるのですか兄上!止めを刺す好機ですぞ!」


レシがレヴァンの前に庇うように出て両手を左右に挙げる。


「させる...思う..?」


するとテーゼースはカライスの腕を掴み首を横に降った。


「その男は助からんよ。自壊の双手を行使したからな、ぐふっぐふっ」


ゼーテースは口から血を吐き説明を続ける。


「冥府の魔術の大半は自身の身を削り行使する呪術に近い魔術だと以前説明したな。この男は‘自壊の双手’すなわち互の心臓に深淵より顕現した杭をさし互の傷を共有するといった初歩的な術を行使した。しかしその代償として両の腕を捧げなければならない。時期にその男の両腕は冥府より現れる深淵の影に喰われるであろう。」


「そんなっ....リディア...いれば...たすかった...なんで。」


レシはレヴァンの顔を覗き涙目になりながらも呟く。


「...ん配すんな...オレが...死んでも...誰も悲しまねーよ...」


レヴァンは涙目のレシの瞳にゆらつく手を近づけ涙を拭い、いつもの笑顔を向ける。


「バカ...テオーネ...悲しむ」


「せめて.....そこは私がって......言ってくれたら....嬉しかっ」


ブフォオオオオォォォォォォンン ジュシュ ビシュ


「うがああああああああああああああぁぁぁ....................」


地から現れた深淵なる影がレヴァンの腕を引きちぎり大量の血しぶきをぶち撒ける。


そして程無くしてレヴァンは死んだ_


その顔は意外にも爽やかにニヤついていた。瞳は既に精気はなく虚空の空を見上げ息を引き取るレヴァンに対しレシは優しく瞼を閉じてあげる。レヴァンの頰にはレシが瞳から流した大粒の涙が伝った。


「私も...グスン...悲しむ..バカレヴァン」


レシは涙を拭い有翼の英雄二人へと向き直り殺意を向ける。


「おっと、待ってくださぁ〜い。」


メレアグロスはアムピーオーンの襟を引きずりながら三人の前へと姿を現した。


「なっ!?貴方はメレアグロス!!それにアムピーオーン......殿?」


「生きていたか、メレアグロス。」


カレイスはメレアグロスの登場に驚愕の表情を見せる。テーゼースは静かに彼の名を呼ぶ。


「いやぁ~久しぶりっすねぇー、アルゴー船以来っすかぁ〜?」


「何故貴様が生きて...そうか...薪の貯蔵量を増やしたか。」


テーゼースはメレアグロスの身体を見てそう評価した。


「へぇ。」


メレアグロスは眼を見開き横たわるテーゼースへと殺意を漏らす。


「メレアグロス、あなたは我らに敵対するつもりですか。」


「敵対するも何も僕は西国に属してるんだよぉ〜。」


「何故、貴方は西国などに、アトレウスのどこに魅力があると言うのですか?」


「アトレウス?誰ですぅそれ?」


小馬鹿にする様にカレイスを煽るメレアグロスに視線を強くするテーゼース。


「王が変わったか、大方アルゴタウナイにいた者なのだろ?」


テーゼースはゆっくりとその身を起こす為に弟のカレイスの肩を借りる。テーゼースの肉体は半神でもある為、レヴァンのようにそう簡単には死ねないのだが致命傷に近い傷を負ったため治療はしなければ死んでしまう。


「....」


ヘラヘラとした表情をとるメレアグロス。


「無言は肯定と受け取ろう。」


「我々は行くとしますメレアグロス、今回は見逃しますが次はないと覚えておいて下さい。」


カライスはそう言い残し兄と共に飛翔しようと少し浮いたところ、メレアグロスの槍がカライスの右翼へと突き刺さりその翼を引き裂いた。そして引き裂いた槍は持ち主であるメレアグロスの手元へと戻る。


「くっ...」


「見逃がすぅ?何を言っているんだい君はぁ。テーゼースが重症の今、カライス、君一人で僕にぃ勝てると思っているのかい?レシさぁーん、お願いしますよぉ~。」


レシの方へと眼を向けるとうん!っと首を縦に動かし周りの血塗られた百を超える死体が地へと沈んでいく。正確には分解して地へと戻るに正しいが。死体が地に沈むと同時に魔法陣が浮かんでくる。


「え、もう終わりか?あ、この子もついでに頼む。」


セレナは地味に百を超える東国の兵達を一人で狩っていたのだが既に彼女は最後の一人を今まさに殺しレシの魔術の犠牲の為魔法陣の中へと最後の兵士を投げ込んだのだ。


「と言う事で、西国本国への転移魔法の準備は出来ましたぁ。」


転移魔法は通常50名を超える魔術師により可能とする大魔術なのだが人の心臓を100程生贄に捧げる事で一人の魔術師でも使用が可能となるのだ。もっとも魔術に秀でた者に限るが。


「メレアグロス...何を考えている。」


テーゼースがそう言うとメレアグロスは口を大きく開け笑い声を響かせた。


「我が王に会いに行くんだよ、ヘーラクレースちゃんにさぁ!あははははははは」


「ヘーラクレース様、が!?」


「..........」


有翼の英雄二人は驚きの表情を作り額に汗を流す。


「知っているよぉ〜君達がアルゴ船で彼を置いて行こうとしたこ・と・を❤︎あはははは」


二人は下を俯きあれは事故だなどとブツブツと一人事を言い始め絶望の表情を浮かべる。


「メレアグロス.....他は...その三人だけ.....いいの?」


レシは魔法陣に手をかざしながらメレアグロスに聞く。


「どうします他の方々は?レシさんはぁ〜術者なので勿論残ってぇ~バルトロメウス団長と合流って形ですけどぉ?」


そう他のメンバーへ向け自身と共に王都へ戻る者を聞き出すメレアグロス。


「すまぬが儂も此処までだ。レヴァンの奴をともらわねばならんし、儂が死ねば故郷に残す妻子にも申し訳がたたぬ。臆病者と罵って貰って構わん。だがもしお前らが海へ出るとならば儂に声をかけい、その時は全力をもってお前らに助力すると約束しよう。」


ヴァシリスは思い腰を上げ銃剣を肩に乗せながら陣の中へと入る。


「セレ〜ナちゃ〜んはぁ?」


メレアグロスがセレナを見ると、王都を出るときにヘーラクレースから貰った小型のビンの中に遺体から漁った金、コインを一枚ずつ入れながら楽しんでいた。


「セレナ...行く...行かない?...早く...」


レシの手は震え始め陣に少々影響を出し始めていた。五十人単位で行う魔術を一人で担うのだから相当の負担が彼女を襲っているのだ。


「私は残るぞ!レシ殿一人に危険を渡らせぬ為にも!」


「わかった...じゃあ...送るけど...メレアグロスは...戻ってくる?」


可愛いらしく首をかしげてそう聞くレシに対しメレアグロスは親指を突き出しにこやかに答える。


「答えは‘いいえ’だねぇ~ゴメンネぇ〜レシちゃん~!少しぃ〜やることが出来たんだぁ〜。勿論王都に戻ったら君のお姉ぇさんにはレシちゃんは‘ま〜だ’無事だって事伝えて置いてあげるからぁねぇ。」


「...そう」


レシは少し嬉しそうな表情を作り返事を返す。


「あ〜でも一度、僕達三人が抜けた穴を埋める為のぉ要員連れて来るからぁ疎通の指輪はしっかりと付けて置いてねぇ〜。」


メレアグロスがそう言うがレシは疎通の指輪を所持していない事に首をかしげ困った表情にとる。感情の揺れか魔方陣にも生じヴァシリスは冷や汗を流す。


「大丈夫大丈夫〜バルトロメウスちゃんがぁ、みんなの分、多分持ってるからぁ後でくれる筈だよぉ〜!てな訳で皆さんばいちゃ!」


その台詞を聴き終えるとレシは魔法陣を発動させる。メレアグロス達の身体は徐々に粒子のように消え魔方陣へと還って行った。


「さて、我々も早くバルトロメウス殿達と合流致そう!」


レシはセレナの近くへより背中付近へと身体を伸ばす、そして


「うん...でも...疲れた...寝る」


セレナの背中に乗り数秒で眠りへと移った。


「あのレシ殿?あれ、レシ殿?本当に寝てしまわれたのか?私、方向音痴なのだが。」


「(-_-)゜zzz…」


太陽が眩しくあたり一面は血と鎧の抜け殻を照らしその中を一人寂しく少女を背負ったまま進むのであった。追伸、歩き初めて一刻が過ぎた頃、バルトロメウスの使い魔である星鴉が居場所の案内の為戻ってきてくれたことに涙を流したのは秘密である。



ちなレヴァンちゃんはよくテオーネと双子達と兵が集まる一月の間つるんでいました。たまにバルトロメウスの部屋へとみんなで遊びに行きバルトロメウスを怒らせていた。その時に限ってのみリディアやエフィなども顔を出しバルトロメウスをイじり楽しんだと言う。

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