表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/19

Preface

 欧州の中心に位置する小王国と、軍事大国の国境線沿いに、一人の男が立っていた。


 目は伏せたまま、力も抜いたままという無防備極まりない姿で、男は風を受けている。風の中に、ごく微量の火薬の臭いが混じるのも、その中にわずかな血の臭いが混じるのも、感じ取っているが、動かない。


 時が止まったようだった男が、初めて動きを見せた。伏せていた目を開く。組んでいた腕を解き、背負っていた剣を下ろす。鋼に輝く大剣を眺め、そしてそれに浮かぶ緋色の文字列を見つめた。


 地響きが聞こえる。何かが近づいてくる気配を感じる。


 男の後ろに控えていた、わずか千人足らずの軍隊が口を開いた。


 男が頷く。向かい来る何万の軍勢を前に、怖気づくことなく両手を大きく振る。


 進め、と。





 世界歴1659年、初冬の国境戦より、小王国に過ぎなかったこの国は目覚ましいまでの発展を遂げた。


 それと同時に、世界中で“元素で構成された物質”とは違う、未知の物質が観測された。


 そして世界歴1720年、現在――――


 世界は、かつては夢物語だと笑っていた、魔法によって支配されている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ