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 何となくだった。

 ナイスを胸ポケットに挿して血のついた手を洗いながら、これで終わりだと思った。

 何となくの、適当な人生も全て終わりだ。

 別に嫌いな奴じゃなかった。単なる切っ掛けだ。その切っ掛けを、おれはずっと探していた気もする。


 事務室に戻り、顧客たちの借用書類やデータの詰まったメモリを分解装置に放り込む。微かな音を立てて様々な物事が終わっていく。

 気は晴れない。

 それどころか、今まで自分がしてきた事が酷く無意味に思えてきた。

 馬鹿馬鹿しい。自分の足跡なんてのが何になる?そんなものを残したかったのか?

 違う。ただおれは、地球の空を少しだけ気に入った。それだけだ。それもほんの少しだ。


 一見客用の金庫と多重債務者の一本化用金庫から金を抜いて事務所を出た。

 ボロい小型艇で宙艇レース場に向かう。

 どうせならあいつと一緒に行こう。来てくれるだろうか。楽しくなると良いが、お互いを何も知らないから喧嘩することもあるだろう。

 訊くだけなら平気だ。もしはぐらかされたら独りで行こう。


 その前にやる事がある。

 おれは古着屋で買った服の詰まった鞄の底から店の金を抜いて、投票権を買った。

 最終レース。

 あいつの誕生日をマークした。

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