指令
「おはよ!よく眠れた?」ササキの声により目が覚める。軽く身支度を済まし、リビングへ向かう。
くつろいでいたおおじいちゃんはこちらの顔を見るなり真剣な眼差しでこちらに話しかける「おはよう。さて今日からのことだが、、マリモお前には外の偵察に同行してもらう。危険な仕事だが、この場所で生活するには誰しも仕事をしておる、分かるな?」
人手が足りずここに呼ばれているのだ、承諾するほか選択肢はない。「ああ、大丈夫だ。」返答に軽く頷き説明を続ける。
「まず偵察に当たって重要なのは奴らの特性についてだ。マリモ昨日話した我々と奴らの違いを覚えているか?それが見分ける為のヒントだ。」
「知能の違いか?」
「そうだ、やつらは我々とは知能のレベルが全く違う、姑息な手段を使い、我々に多様な罠を仕掛けてくる。さらに外見から我々と奴らを見分けることはほぼ不可能だ。だが、一つだけ見分ける方法がある。これを使うのだ。」おおじいちゃんは机に置いてある双眼鏡を手に取る。「何故かは分からないが奴らは脳みそに磁波を飛ばす特殊な器官が脳に備わっている。これは死んだ奴らの脳みそを解剖し共通して見られられる特徴だ。それをこの探知機で見分けるのだ。ほれ使って見ろ。」探知機を手に取り、おおじいちゃんが指を差した箱を覗く、、緑と黒で形作られた世界で箱の中身が異様に白く見える。これが特殊な器官とやらか。「奴らは基本的に人間と同じように群れで行動する。探知機を使えばすぐにでも見分けがつくだろう。さらに一つ忠告だ奴らは独自の生物兵器を使う。注意しろ。」
「生物兵器とはなんだ?」
「お前が発見された場所の近くに巨大な化け物がいただろう。あれの類だ。通常はイヌなどの小型なものからクマなどの巨大なものまで存在する。我々も理解ができていない未知数な存在だ。奴らについてできる説明はこのくらいだ。続いて偵察の内容についてだ。大きく分けて二つある。奴らの行動範囲と、根城の究明だ。いまの我々の住んでいる場所も時期に奴らにバレるだろう。その手がどこまで及んできているか。調べつつ、奴らを根絶やしにすべく、根城を突き詰めるのが今日からのお前の仕事だ、、後はよろしく頼むぞミヨ」一通りの説明が終わり。ササキと今回の作戦範囲の打ち合わせを済まし、地上へのエレベーターに向かう。エレベーターの前につき「いい?奴らと接触した場合迷わず頭を打つこと。奴らは人間さながらに命乞いをする。躊躇したら死ぬよ。」とササキは拳銃を受け渡す。エレベーターに乗り込み地上へ向かう。ふと床が目に入る、所々に血痕が付着している様子が、地上への不安を掻き立てる。ドアが開く。地上だ。




