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作家志望の考えていることが分からない

作者: 柳ミル
掲載日:2025/11/17

作家志望の少女×小説家でもある少年。


静かな図書館にて。

2人きりの図書館、君は静かにページをめくる。


秋だから、ということで夜の8時まで開いている。

けど、利用している人は2人。

そして、読んでいる人は1人。

京極夏彦の分厚い本を、真面目な顔で読んでいる。

僕は、それを隣に座り、眺めている。


本当は移動したいんだけどね、立ち上がろうとすると服を引っ張ってくるから立てない。

なんだかなあ。




いいよね、夜の図書館って。

本がたくさん、全てを読むとしたら、まず図書館に住んで、不老不死の薬を飲んで。何千年かかることやら。

哲学書、医学書、自己啓発、小説、ライトノベル、児童書、など種類はたくさん。

図書館でしか読めない本もあったりして、小説家の僕としては、本当に宝庫。


そして、夜、秋の夜。

もうすぐで閉まるから、真っ暗。

職員も疲れてたり、

「そっち見ないで」

「はい」

いや、僕が高3でこの目が3つ以上あるこの子は高1なんだけどね、つい敬語。


なんで本読んでるのに僕が職員の方見たのわかったん? 本当に目が3つ以上あるの?


てか、

ボディーガードとして利用されてるだけだったりしない? 僕。

まあ、夜は危険だからね、危険危険。




「おっ」

つい、反応をしてしまう。

読み終わった訳でもないのに、本を閉じたから。

「帰る」

帰る。可愛い。帰る。


『閉館の時間になります、本日も図書館を利用していただき、誠にありがとうございました』

そして、蛍の光が流れはじめる。


今日も終わり、帰って少し書いて寝るだけ。

僕は、小説家でもある。だから、将来に頭を悩ませることも、がむしゃらに突き進むこともない。

少し、寂しかったりする。

そして、この子は作家志望、どうなることやら。


くいくい、服を引っ張ってくる。

可愛い。

「帰る」

帰る。可愛(以下略

「早く」

「そうだね、早く帰ろうね。閉まっちゃうもんね」




「借りないの?」

「明日も来る」

「日曜日だもんね、明日は」

「(コクリ)」

「そして、月曜日は作品を読ませてもらう。うん、未来に向かってるね」

「(コクコク)」

ああ可愛い。


明日も開館から閉館までずっといるのかなあ、本が好きな子って本当に可愛いなあ。しかも、作家志望、作家志望ですよ。


利用されているだけかもしれない。

存分に利用してほしい。

君の夢が叶うなら、君の人生が明るくなるなら。

僕は何だってしてあげるよ。

読んで頂き、ありがとうございました!


自分の住んでいる図書館も8時までしてくれないものか。田舎だから仕方ないのかなぁ。

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― 新着の感想 ―
静謐で暖かい感じの作品ですね。
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