作家志望の考えていることが分からない
作家志望の少女×小説家でもある少年。
静かな図書館にて。
2人きりの図書館、君は静かにページをめくる。
秋だから、ということで夜の8時まで開いている。
けど、利用している人は2人。
そして、読んでいる人は1人。
京極夏彦の分厚い本を、真面目な顔で読んでいる。
僕は、それを隣に座り、眺めている。
本当は移動したいんだけどね、立ち上がろうとすると服を引っ張ってくるから立てない。
なんだかなあ。
いいよね、夜の図書館って。
本がたくさん、全てを読むとしたら、まず図書館に住んで、不老不死の薬を飲んで。何千年かかることやら。
哲学書、医学書、自己啓発、小説、ライトノベル、児童書、など種類はたくさん。
図書館でしか読めない本もあったりして、小説家の僕としては、本当に宝庫。
そして、夜、秋の夜。
もうすぐで閉まるから、真っ暗。
職員も疲れてたり、
「そっち見ないで」
「はい」
いや、僕が高3でこの目が3つ以上あるこの子は高1なんだけどね、つい敬語。
なんで本読んでるのに僕が職員の方見たのわかったん? 本当に目が3つ以上あるの?
てか、
ボディーガードとして利用されてるだけだったりしない? 僕。
まあ、夜は危険だからね、危険危険。
「おっ」
つい、反応をしてしまう。
読み終わった訳でもないのに、本を閉じたから。
「帰る」
帰る。可愛い。帰る。
『閉館の時間になります、本日も図書館を利用していただき、誠にありがとうございました』
そして、蛍の光が流れはじめる。
今日も終わり、帰って少し書いて寝るだけ。
僕は、小説家でもある。だから、将来に頭を悩ませることも、がむしゃらに突き進むこともない。
少し、寂しかったりする。
そして、この子は作家志望、どうなることやら。
くいくい、服を引っ張ってくる。
可愛い。
「帰る」
帰る。可愛(以下略
「早く」
「そうだね、早く帰ろうね。閉まっちゃうもんね」
「借りないの?」
「明日も来る」
「日曜日だもんね、明日は」
「(コクリ)」
「そして、月曜日は作品を読ませてもらう。うん、未来に向かってるね」
「(コクコク)」
ああ可愛い。
明日も開館から閉館までずっといるのかなあ、本が好きな子って本当に可愛いなあ。しかも、作家志望、作家志望ですよ。
利用されているだけかもしれない。
存分に利用してほしい。
君の夢が叶うなら、君の人生が明るくなるなら。
僕は何だってしてあげるよ。
読んで頂き、ありがとうございました!
自分の住んでいる図書館も8時までしてくれないものか。田舎だから仕方ないのかなぁ。




