宣戦布告
翌日の校内はざわめきに包まれていた。
多くの生徒が壁に掛けられた掲示物にくぎ付けになり、がやがやと騒いでいた。
昨日決められた退学者リストが掲示されていたからだ。
それにより、多くの者がその内容を知ることとなる。
「大変だよ誠!」
教室内にひとりの生徒が進入してきた。
「なんだよ、あの掲示板か?」
覚めたように言い放つ風間。その隣には葛城の姿も見える。
「もう知ってるか」
もちろんそれは葛城達も確認はしていた。こうして仲間が集い、それについて議論していた。
「しかしなんだって誠が?」
「他にも大勢、退学処分が下されたらしいんだ」
「おかしいよな、誠はともかく、東雲の名がないなんて」
「魔王や悪鬼、エリザベート。それと歩夢先輩もだろう」
「一番おかしいのは佐藤ゴン太に対する処分だがな」
それで再び場が愕然となる。
どうにも不可解な処分内容だ。様々な意見で紛糾するのも仕方ないだろう。
「どうすんだよ、誠? 先公に掛け合ってみるか?」
問い質す風間。
「確かにおかしいな」
煙草をくわえ、後頭部を撫でる葛城。
「俺に関しちゃ、文句を言える状態じゃねーが」
彼とておかしいとは思う。
だがそれだけだ、いずれはそうなる覚悟はしていた。それが下されるのが、今なのか後なのか。その違いだけだ。
「問題は歩夢先輩か? もうすぐ卒業だってのにな」
風間が言った。
そう彼らが不可思議に思うのは、そこに彼女の名が連ねてあること。
おそらく生徒会の差し金。それは理解する。生徒会長源平のお気に召さなかった、そんな理由からだと。
「ぐきゃきゃきゃ!」
笑い声が響いた。
「てめー東雲!」
「なにしに来た!」
呼応して身構える葛城派閥。
教室入り口には東雲の姿があった。その後方には森の姿も。
「残念だな、狂犬。退学だなんて」
あざけて言い放つ東雲。
「せっかく楽しいい学園生活だったのに、こんなとこでゲームセットだなんて」
それで場の狂気が爆発する。
「黙れ、本当ならてめーが退学じゃねーのか!」
「ここで殺すか!」
「どんな悪だくみしたんだよ!」
誰もが怒りに燃えて、口々に言い放つ。
「まぁ、待てよ」
だがそれを葛城がぴしゃりと静めた。
「てめーがどんな手を使ったのかは興味はねー」
ゆっくりと立ち上がり、東雲に向けて歩みだす。
「なんのことだよ?」
それに呼応して東雲も歩みだす。
こうして2人、教室中央で相対する。
「とにかく、“俺ら”に残された時間はもうないようだ」
「らしいな」
一瞬の沈黙。
「時間は“明日の昼”でいいか?」
「昼っつーと、12時だな」
「ああ」
淡々とした短い会話だ。だがそこには多くの思いが凝縮されている。
「それじゃー、逃げずにちゃんと来いよ」
言って歩みだす東雲。
「ちゃんと、てめーの棺桶用意しとくから」
その後に森が続いていった。




