退学者リスト
「大野朝陽、湯田純哉、鳳仙了介、古谷佑、玉木仁、葛城誠……」
それはこの戦線に名を連ねる大物たちだ。誰もがそれとなく仕方ないなと思える名ばかり。
「淀川エリ……」
だがその名を訊いて、誰もが絶句した。
「猿飛アイ、由利征四郎、上原歩夢、黒瀬修司、斎藤太助、佐藤ゴン太。以上」
淡々と響き渡る今川の声。
それはこの戦線とは関係ない名ばかり。どちらかというと、生徒会に逆らった連中の名前だけだ。
それを聞き入る源平の視線がますます煌めく。
湖のような雄大な面持ちと裏腹に、腹の中は真っ黒に染まっている。
もちろんこんな一方的な意見に、賛成しかねぬ人物もいる。
「それは少しおかしくないでしょうか?」
言ったのはタマキングとあだ名される教師。玉木仁の父親だ。
「おかしい? あなたの息子が名を連ねているからでしょうか」
覚めたような今川の台詞。
「そんなことを言ってるんじゃない。息子は仕方ない。だがそこに名を連ねるのは、今回の件とは関係ない連中ばかりだ。なにより東雲の名がないのが不可解だ」
多くの者たちの戸惑いはそこにある。そのリストに名を連ねる存在、そこに東雲派閥の生徒の名が、一切記されてないこと。
「彼らは被害者だ」
しかしその思いを、今川の一言が経ち切る。
「彼らは泣いて話してくれたよ。仲間を刺された悲痛な胸の内を。それを我々が糾弾して、なにが残るというのか」
おそらく生徒会と東雲は、裏で通じている。
それは教師の中の何人かにもいえること。ほとんどの教師がそれを黙認してるから。
「なお、この通達については生徒会執行部を通じて三日後に始動する」
こうして会議は、有無も言わさず終了したのだ。




