緊急会議
翌日の学園は、混乱の中にあった。
生徒同士による殺傷事件。それで多くのマスコミが校門に押しかけていたのだ。
これにより、学園側は緊急の会議を開く。
今後の流れについて打ち合わせが開かれたのだ。
「では学園側としては、一切関与はしていない。あくまで生徒同士の揉めごと、我々の与り知らぬ場所での出来事だった、それで統一するでいいですね?」
議事進行を勤める副校長が言った。
ここに集う殆どの者はそれに賛成のようだ。
会議といっても一方的な通達のようなもの。
学校側としては関係はない。知らぬ存ぜぬで押し通す。もちろんマスコミは一切シャットアウト。
『この度は、被害に遭った生徒様には、我々も沈痛な思いであります』マニュアル通りの言葉だけ述べよ。そんな馬鹿げたもの。
一見馬鹿げたやり取りだが、学園側とすればそれが正解だろう。多くの一般生徒に、余計な動揺を与えぬ為にも。
「副校長、その件に対して、我々生徒会からも提案があります」
言ったのは夏服を着込む生徒。
この会議、生徒側からも数人の出席があった。
それはオーク学園生徒会執行部役員。
中央にどんと座り込むのは、ダークブルーの長い髪をツインテールでまとめた美少女。
天使のような透き通る肌に、整った顔立ち。まるで小宇宙を彷彿させるようなキラキラした視線。
オーク学園生徒会長、源平静香だ。
その左右には副会長である2年生、柳生と今川を配置している。
声を挙げたのは今川。
「今回の件、よくよく調査しますと、様々な問題が潜んでいるのが確認できます。これに加担、もしくは引き金となった生徒が多くいます。このまま警察が介入すれば、多くの逮捕者が出るのは必定かと」
「確かにそうだが……」
額に流れる汗をハンカチで拭う副校長。
「まずはそのような生徒を、退学させるが賢明かと」
それで場ががやがやと雑音に包まれる。
「確かに憂いは断ち切るがいいかも」
「ですがそれでは単なるトカゲのしっぽきりじゃ」
「第一それがマスコミに漏れれば、世論が許さないのでは」
「汚名を着させられるよりはマシかも」
中には否定的な意見も窺えるが、多くはそれを擁護する意見だ。
「とりあえずそれを基に、我々は退学者リストを作成してきました」
今川が手にするのは一枚の紙切れだ。
それで場の雑音が止む。




