シュウのエッチ
「ようやく捕まえたぜ」
シュウの左手には、子ザルの尻尾が握られている。
そして眼前にかざした右手には、誰かの胸ぐら。
身長150センチくらい。黒髪のショート、着込むのは黒い忍び装束。凛とした顔つきの少女だった。
「そもそもこのサルはダミーだった訳だ。このスピーカーを介して喋ってた」
シュウの足元に転がるのは、先ほど外した首輪。
そのイチゴの作り物の中に、スピーカーが内蔵されていて、いかにもサルが喋っていたように見えたのだ。
「だよなぁ、猿飛?」
そうそしてこの少女こそ、本物の猿飛。
幼い顔つきながらもぱっちりした目。整った顔つきの少女だ。
ショートの髪にはイチゴのヘアピンが映える。
シュウに胸ぐらを奪われ、地につかぬ足をバタバタさせて藻掻いている。
「おっと、いいモン持ってんじゃんーか」
猿飛の背中には小ぶりの短刀が携えてある。それをシュウがさっと引き抜く。
「こんなんで、刺されたら堪ったもんじゃねーからな」
「シュウ!」
それに堪りかねたか、猿飛が叫んだ。
「なんだ?」
怪訝そうに言い放つシュウ。
「キミは女の子に手を掛ける趣味があるのかい?」
「はぁ?」
「ボクのおっぱい、見てるだろ?」
それでシュウもはっとなる。
確かにシュウが引き上げた猿飛の衣服の胸元からは、小ぶりながら胸の谷間がのぞいている。
どうやらさらしでぐるぐる巻きにしてるようだ。
「……ば、馬鹿、そんなもん見るか」
ぼそっと呟くシュウ。しかしその顔は真っ赤に紅潮してる。
「隙あり!」
その顎に、猿飛の膝蹴りが叩き込まれた。
「はぎゃ!」
後方に仰け反るシュウ。反動で猿飛の拘束を解く。
それで自由になった猿飛、子ザルを確保して、後方にクルリと飛び退く。
「チッ、油断した」
堪らなそうに顎に手を当てるシュウ。怪訝そうに眼前を睨む。
「イチゴ、しっかりして」
猿飛は子ザルを壁際に寝かせて看護していた。
子ザルはピクリとも動かない。シュウに掴まれて、びっくりして気絶したと思われる。
その会話から察するに、子ザルの名はイチゴと言うらしい。
「これで五分五分、もう手加減はしねーぞ」
それに向けてい放つシュウ。
手にする短刀を宙でくるくる回している。
「これも邪魔だな」
そして蜘蛛の糸状に張ったロープを切り裂いた。




