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太助、ボクシング部を見学する


 オーク学園は、なにも悪党だけが名を馳せる高校ではない。

 部活動等も充実している。 

 

 野球部、サッカー部、ハンドボール部、などの球技関係。

 駅伝や短距離走などのトラック関係。柔道部などの格闘関係などだ。




「失礼しまーす!」

 声を張り上げ、室内に歩みいるハマジ。


 後方からはキョロキョロと太助も続く。


 目の前に見えるのは乱雑に配されたトレーニング機材と、サンドバック、そして白いリング。


 数人の生徒達が、額に汗して練習に打ち込んでいた。



 太助はハマジの付き合いとして、ボクシング部を訪れていた。


 その声に反応して、練習の腕を止める生徒たち。



「おう、よく来たのう」

「ふふふ、久しぶりだね、ハマジ」

 そして近づいて来たのは2人の生徒だった。


 おかっぱ頭に真っ赤なほっぺの人物と、おさげ頭にメガネの人物。



「まる……たま……」

 それを太助は、目を丸くして愕然と見ている。



「お久しぶりです先輩。こいつは俺のツレで斉藤太助、見学よろしくお願いしまーす」

 それに向けてハマジが、深々と最敬礼をした。


「斉藤、この人らは俺の昔の先輩だ。足柄金太あしがら きんた先輩と、押尾おしお拉麵ラーメン先輩だ」

 そして太助に向き直り伝えた。



「……違った」

 それでほっと胸をなで下ろす太助。



「どうしたんだ、1年坊? 汗臭いんでびっくりしたのか?」

 おかっぱ頭の生徒は足柄金太。恰幅のいいヘビー級の生徒。


「怖がってんでしょ? うちら見た目は怖いもんね」

 おさげ、正確には辮髪べんぱつの生徒は、押尾拉麵。華僑かきょう系の華奢きゃしゃな生徒。


 共にオーク学園3年生で、見た目とは違い愛嬌のある人物らしい。



「いえっ。……俺、格闘技とかの部活って、あまり見たことなかったんで」

 咄嗟に言い放つ太助。

 口が裂けても、名前が変だとは、言えはしない。


「ははは、こいつそう言うことはうとそうだもんな。どっちかって言うと写真部とかアニ研って感じ」

 その様子にハマジが爆笑する。


「えへっ」

 呼応して紅潮する太助。



「ふぁっはははは、そりゃーいい」


「ふふふ、笑いすぎだって」

 足柄と押尾も爆笑した。



 ボクシング部というから、汗臭くて怖いイメージが先行していた太助だが、思ったほど怖いものではないようだ。

 少しだけ安心していた。



「ははは。……写真部とか、アニ研ってのもあるにはあるが、止めた方がいいぞ?」

 そして言い放つ足柄。


「えっ?」

 意味が判らず視線を向ける太助。


「そうね。あれは部活動じゃなく“倶楽部”だから」

 押尾もメガネを取り外して、目じりを拭いながら言った。


「なんなんですか、その倶楽部ってのは?」

 堪らず問い質す太助。


 それに視線を向ける足柄。


「部活動ってのは、ガッコーの公認もらってる所だろ? 活動内容を生徒会から公認されて、経費もらって、活動を行ってる。逆に倶楽部ってのは、生徒会の公認を受けてない。だからなんでもありの、メチャクチャなとこなんだよ」

 意味深な言い回し。


「そう言っても、直ぐにはピンと来ないでしょうね。……だけど、この高校で暮らしてれば、直ぐに分かるわよ」

 それに押尾が助言した。


「は、はぁ……」

 呆然と佇む太助。まるで意味は分からないが、自分には関係ないと思った。



「とにかくお前らは、見学に来たんだ。ゆっくり見学していきな」

 その肩を叩く足柄。


「ふふふ、そう言うこと」

 押尾も笑顔を向けて練習に戻る。



 こうして太助は、ハマジとボクシング部の練習光景を見学することとなったのだ。

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