メタンハイドレートを溶かした
少し前
浦太郎は流峯を訪ねた
彼は驚いていた細い目を大きく見開き、少し冷や汗をかいていた、数秒は言葉が出なかった
「浦太郎、お前、本当に来ていたのか」
「レイから話は聞いた乙姫が病気何だってな、そんでもって治す術も向こうに盗られたと、わしも彼女には恩があるのでな、力になりたい」
「待て、竜達はお前の命も狙っているんだぞ」
「彼らと戦うのなら人死は避けられないじゃろ、それは流峯、お前とて同じ、一人でも多くがいた方がいい、わしはお前を死なせたくはないしな」
「わかったよ、でもどちらかと言うと、死にやすいのはお前の方だろ、俺より戦闘能力低いくせに」
話し途中、揺れた、海が蠢いている
何事がと二人は外に出ると、巨大竜が町を見下ろしていた
流峯の部下がかけ足でこちらに向かってくる
「軍隊長、龍宮城正門より二時の方向、竜が、外壁結界を破りこちらへの進軍を開始した模様です、既に住民達にも被害が及んでいます」
「報告感謝する、第一から第六分隊を防衛に向かわせ、それ以外には避難や救助に徹底させろ」
「はい、かしこまりました」
部下は銛の如く進む、ぐんぐんと海底を駆ける
彼は龍宮城の各分隊長に指示を伝達しだが
自身はこっそり姿を消した、何処へ行ったのだろうか
流峯、浦太郎の二人は戦いへと赴いた
「まさか、向こうからけしかけてくるとはのう」
「浦太郎、気づいたか」
「ああ、あの一際デカい竜のには二つ気を感じる」
「恐らくは逢魔天使を直接自身に捻じ込み、その力を奪っている」
「胸糞悪いのう、さっさと倒しちまおう」
特攻する二人に竜達は束になって斬りかかる
だが彼らはとてつもなく強かった
彼らの目に閃光が映る、巨大な竜から高熱の炎が吐かれる、塩水を煮込みあぶくをおしのけ突き進む
それは龍宮城の結界にヒビを入れた
二人に焦りが生じた、二人を緊張感が襲う
あれがもし町に放たれていたら
あれをもし自分が食らっていたらと思うと
恐ろしく寒気がした
流峯は
浦太郎と再会した時
嬉しくなかったと言ったら嘘になる
彼が笑ったところを誰も見たことがない
強き武士でいようと心掛けた結果
笑うことがなくなり、他の者達から恐れられた
彼は寂しかった、故にあの時、彼が声をかけていなかったら
何も変わらず寂しいままだった
自らの命は乙姫様のため、ずっとそう考えて来た
他に守りたい者を見つけた彼は
親友を蹴り飛ばし、竜の吐く業火に焼かれ
その生涯を閉じた




