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居場所

「この際だから言わせてもらうが、何故そんなにもわしを引き留めようとするのじゃ」

「私も同じです、乙姫様、もしかしたら何かを隠しているのではないですか?」

乙姫は少し渋い顔をした後決意のついた顔で語り始めた

「わかりました話しましょう」


かつて龍と竜は同じ存在であった

しかしある時、今現在不確かな理由により

彼らは二つの勢力に分かれた

それが龍と竜である、戦いの果て、体が崩れようとしていた龍達の長である龍王は自らの持つ五色の玉にそれぞれ玉を振り分け大和中に飛ばした

その中の一つ、白玉から生まれた存在が白筒一族

その末裔こそが浦太郎である

酷く驚愕した、太郎は少し頭が痛くなっていた、無理もない、そもそも彼は人間では無く、しかも龍神に近い存在、というより龍神そのものとも言えるからだ

「ずっと黙っていて申し訳ありません、あなたに深い責任を負わせたくなかったのです」

「正直言ってわしが人間でないことはそこまで傷ついてはいないが、まさかそんなわしが業を背負っていたとは、衝撃じゃのう」

流峯に話していなかったのは、情報漏洩を防ぐために、片手で数えられる程の臣下達にしか伝えていなかったからだ


太郎は思い出した、自分の両親が何故いないのか

今の親と血が繋がっていないことは分かっていたが

彼らは頑なに話そうとしなかった

それもそのはず、彼らは竜に見つかり、酷く傷つき

追われていた太郎の両親から全て聞いていたからだ

彼らも太郎の事を思い隠していたのだ

先刻太郎がのしたのは竜達の刺客だった

何処から情報が漏れたのかは分からないが

少なくともこのままでは彼の存在を把握した

竜達が命を狙いここへ来るのも時間の問題だろう


その後三人はどうするべきか話し合うことにした

情報が漏れた要因がわからない故に

他の臣下達を呼ぶわけには行かなかった

流峯は一つ案を思い浮かべたが、話しかけたと所で遠慮してしまった、聞き出すと玉手箱を使い姿を変える物だった

玉手箱は体が老いる代わりに寿命による死が打ち消される霧薬の入った超気密性の箱である

それを使い太郎の姿を変えさせ見つからないようにする考えだったが、太郎の意思がわからない故自己却下した

太郎は構わないと言った、家族を心配させてしまうが

もしかしたら彼らも殺されるかもしれないという可能性を踏んで、考えに乗ることを決断した

乙姫は玉手箱を持って来させた

彼女はレイ、秘密を話したの臣下の一人

玉手箱を運び、乙姫の元へ駆けてきた

玉手箱を携え、太郎は陸へ戻る

太郎は少し寂しさを感じた

ずっと他の者とは違っていたのだから

水中で呼吸し、網を広げれば魚の方から入ってくる

嵐の海を縦横無尽に進み、持ち前の怪力ときた

村の者達からは気味悪がられていた

もしかしたらここが

自らの居場所になっていたのかもしれない

親以外で自分を怖がずにいた者は初めてだった

亀の背中に乗り、雄大な塩水で覆われた異世界から

水面を抜け生まれ故郷へと帰る


育ての親に今まで会った事を話し、一人隠れて暮らす事を決めたのだった


太郎は陸に戻り玉手箱を開けました

するとモクモク煙が出て来て

おじいさんになってしまいましたとさ



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