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秘密

「そうだ、名前が無いなら私がつけてあげる、

 エルなんてどう?」

「エル・・・、エル・・・!、凄くいいね」


夜も遅く、二人は街に向かい宿を探していた

「彼岸の宿」そう書かれてある

二人は戸を開け入る、そこには怪しげな佇まいの受付がいた

彼は左目で、二人の情報を読み取り

宿の者を呼び案内を頼んだ

彼女は何も無い所に立ち、紋様が彫られた板をかざし、扉を出現させた

扉の向こうへ進み、二人は案内人に連れられ廊下を進む

部屋の前に来て合鍵を受け取り、二人は一息着く

『あの子、また座り込んで俯いてる、旅の途中休んでる時もああだったな』

レイは彼女を少し心配していた

何か楽しんでもらいたい、そう思っていた

「エルちゃん、ここ温泉あるらしいよ、一緒に行かない?」

「いい、私は汚れないから」

「それはどういう意味?」

「体に泥が付いたとしてもに消えちゃうの、だから体を洗う必要がないの」

「でも、嗜む入浴もあるし、君が嫌で入りたくなければ私は強要はしないけど、どうする?」

は少しレイの方に顔を向けた

「・・・じゃあ・・・行く」

レイは、エルが誰かに似ていると思っていた、が自分の知っている誰かに、故にほっとけなかった

彼女を一人にさせたく無い、そんな思いを抱えていた


エルは自らの体を表に出す事を少し拒んでいた

それもそのはず、彼女の体には黒い筋があったのだ

レイはそれを見たもののあえて聞かなかった

喋り出したのはエルの方だった

「どうしてそんなに話しかけてくるの?」

レイは言った

「寂しそうにしてたから、放っておかなかった」

エルは少し悲しそうだった

彼女は自分自身から心を閉ざしていたのに

それを開けようとしている

誰にも言いたく無い秘密があったから

レイは少しずつ勘づいていた

黒い筋と共にある、背中の二つの傷を

まるで四肢をもいだかの様な傷を

先程の汚れないという発言も相まって

彼女が只者では無いと、微かに思った

もしかしたら逢魔天使では無いかと

「何も話さないのは話すのが苦手たがら?それとも別の理由?、悩みがあったらいつでも言っていいからね」

エルはやはり、寂しそうな顔をしていた


二人は風呂を上がった

何やら騒がしい、行ってみれば誰かが倒れていた

宿の者達は専属の医師を呼び

その者の家族も、誰もが慌てていた

エルは、倒れていた者に近づいた

歩み寄り、しゃがみ込み、手をかざした

するとその者の体が光出した

閃光が周りにいた者達の目を覆うが

不思議と眩しくは無かった

医師が来た頃には、既に事は済んでいた

倒れていた者は何事も無かったように立ち上がっていたのだ

念の為医務室で検査を受けたところ異常は見つからなかった

その者の家族は倒れた時、持病が再発したのでは無いかと心配していたが

どうやら本当に何も問題は無かったらしい

レイは確信した彼女は逢魔天使だと

レイは自らの事情を明かした

そして言った

「エル、私と一緒に、龍宮城に来てくれ」

「・・・いいよ」

彼女は受諾した

部屋に戻り、布団を広げる

何故だか今日はいつもより良く眠れそうだ

大好きな者を救えると、少し安心したようだ

星の眼差しを浴びながら、夜風の口笛を聴きながら

少しづつ眠りに着く、ゆっくりと、ゆっくりと

夢を見ながらの安らぎを表す二人の鼻歌は

重なり心の奥へと向かう


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