クラゲのレイ
大きな海のど真ん中
深い深い海の底
けれどもなぜか明るい所
そこには、龍宮城があった
乙姫様の暮らす龍宮城
けれども乙姫様は、重い心臓の病で
弱り倒れ、海は大荒れ、災いが渦を巻いていた
龍宮城に駆け込む少女が一人
「乙姫様!」
「レイ、戻ったのか」
彼女はレイ、乙姫のただ一人の眷属である
「今、乙姫様の状態は?」
「悪化し続けておる」
「そうですか」
「ところで、急だが、お前に頼み事がある」
「頼み事ですか?」
時は遡り、乙姫が病にかかり三日が経った頃だった
役人や大臣達は今後の対策について話し合っていた
「どうする、ここらの海一番の医師でも原因がわからない、心臓を移植しようにも乙姫様の神性と合う者などいないであろう、それに…」
「ぐぬぬ、もう助からないのか」
「皆の者聞いてくれ」
扉を開け、一人の大臣が提案を申し出た、彼の名は、馬噛、龍宮城の書斎管理を任せられている、この城で最も知識のある人物であった
「私に考えがある、これを見てくれ」
彼はとある書物を広げた
それはとある種族についての記録
「この部分だ」
「逢魔天使?普通の天使とは違い、代償無しで病気や怪我、呪いも全て祓えるというのか」
「そのとおり、100年に一度しか生まれないにしろ、もはや今はこれに頼るしか無い」
「よし、すぐに探そう!」
「という訳で、その逢魔天使を探し連れて来てほしいのだ、我々は乙姫様がご病気になった影響で荒れた海をなんとかせねばならぬのでな」
「承知しました、必ずここに連れて参ります」
レイは出かけた、荒れた海へ
見渡す限りの嵐
どどどどざららんどどどどざららん
榴弾の如く降る大粒の雨は視界を隠しめを覆う
例え叫んだとしても、例えどれだけ近くで聞いても
雨の音にかき消されてしまうだろう
ごううんざぱんごううんどぱん暴れ蠢く波に捕まり
気を失い、流されてしまった
打ち上げられた浜、心を宙に浮かべていては、ただ空を眺めていた、暖かい砂に眠りを勧められ、今に目を閉じようとしていた時
「あなた、どうしたの?」
誰かから声をかけられた、少し目を開けば、白髪に白い肌、目を隠したその少女
「すまないが、海水に漬けてくれないか」
白い少女はを目の前の海に漬けた
「ありがとう、恩にきる、君、名前は?」
「わからない、名前が無いの」
「じゃあ、お父さんとお母さんは?」
「わからない、何も覚えて無いの」
「そうか・・・、一緒に来てくれないか?私、これから色々旅するつもりだから、道中君の親も見つかるかもしれない」
「ありがとう、あなた優しいのね」
二人は共に往く、足並みを揃えて




