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ちょっと贅沢な出汁茶漬け

深夜の小腹みたし、の話。

 ── カリカリ……カリ…


 若干強めの筆圧で書面に書き込む音が耳に聞こえる。 この筆記音、あからさまに自分が苛立ってるのが判る。

 腹立ってる原因はただ一つ。

 片付け真っ最中、クソくだらねェ強制任務に駆り出されたからだ。

 普段なら政都の機関を中継して事務所の電話に来るってのに、この国の最高責任者様の秘書って奴から連絡が入ったから何事かと思ったら。


【お忍びで来ている友好国の大統領一家の飼い猫を探せ】…と。


 なんでも、昼間にホテルの部屋で息子さんが飼い猫のケージを開けたら、開けてた窓から飛び出して逃げちまったんだとか。

 敷地内どころか政都内を機関員総動員で探して回った物の見つからなくて、俺の能力のことを思い出した庵治大総統殿が御指名してきたっつー訳で。 なんとも頭が痛くなる案件だった。


 ─ 外感痛覚は無くても臓器系統や内感には痛覚あるからな。 一般よりは鈍い自覚は有っけど。


 ちなみに猫は馬奈木(マスター)の店にいた。

 珍しく奥さんとマスターん家の猫も居て、従業員用休憩室で二匹一緒にカゴで寝てた。


 大方、知らない土地に突然連れて来られて、自分の匂いの無い場所に戸惑ったんだろうな。

 それで開いてた窓から外に出たは良いけど、何処に行けばいいかもわからない上、知らねえ人間に追いかけ回されて混乱して逃げていっちまった、みてーな。

 保護してくれてたのがあの人達でよかった。

 これが何にも関係ない子供が知らずに拾ったとかになると、いくら「仕事だ」っつっても、取り上げて連れて帰るのが難しくなるところだった。


 お忍び旅行、ってヤツは厄介なんだよ…。

 お偉いさん方には連絡入ってても、俺を含んだ各都の管理責任には一切事前情報がない。

 今日みたいに小さくても何かしらの有事が起きてからでないと知ることが出来ねえから、何処から手を付けるべきか判断が遅くなる。


(あっちの都合で呼ばれただけだってのに、報告書書かなきゃいけねえのが腑に落ちねェ…)

 依頼請けた以上、責任は発生するから書くけど。

 こんな中身の無ェ報告書に、里央や社長は目を通さなきゃならないんだぜ? あの二人のことだから、また同情の目を向けてくるだろうし、こっちとしては申し訳ねえし。


 そういや前にも似た様なことがあったな。

 あの時は俺が別件で居なくて疾斗が対応して…そうだ結局館内に居たってオチだったんだ。 次の日は撮影入ってたんだったよぁ、アイツ。

 俺が出られない状況だったらどうするつもりだったんだ? あのクソ大統領。


 ……だめだ、腹立ちすぎて頭が回らねえ。 戻ってきてから動きっぱなしだから小腹も空いたし。

(出すのは今週末までで良いんだし、とりあえず何か食うか)


 この場に疾斗がいたら「また週末まで後回しにする気なのか?」と小言が二つ三つ飛んできただろうが、書けねえモンは書けねェんだから仕方ねえ。


 給湯室の灯をつけて、冷凍庫から出した飯一膳分を電子レンジに放り込む。

 夜間で湯を沸かしつつ、買い置きしておいた茶漬けの素と液体出汁を調理台に置いて、冷蔵庫かラ鮭の瓶詰めを取る。


 食って少し片付けたら、今日はもう事務所で寝ちまおう。

 風呂は最悪明日の朝入りゃ良いや。



材 料

鮭茶漬け 一人前

ごはん … 茶碗1膳分

茶漬の素 … 鮭味 1 袋・鮭フレーク … 大さじ2

液体だし … 大さじ 1 ※麺つゆで代用可能

お湯… 適量

※お好みで乾燥野菜 …3本指で1摘み


①洗 う

ご飯を水またはぬるま湯で軽く洗う

※熱々で食べたい場合、この工程は不要

冷凍ご飯の場合は解凍するだけで OK


②かける

茶漬の素・液体だしを❶に掛ける

※乾燥野菜を入れる場合はこの工程で入れる

③具を足す

鮭フレークを乗せる

※塩分が有るので乗せすぎには注意


④かける

お湯を回し掛ける

❸の上から掛けると、茶漬けの素と出汁が上手く混ざらないことがあるので

ご飯から具に向かって掛けると良い

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