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俺とセンチメンタル

あいつが来たのは7月の頭。きっとあいつが居なかったら俺は今こんなことしてない。これは俺の人生の1ページ、いや何ページにもなるほどの大きな決断だったんだ。そのくらいあいつの存在は誰よりも大きかったんだ___。



「おい健太郎!!お前アイス食わねぇの?」

「俺まじ金ないんだよなー。」

「また漫画買ったのか?お前は成長しねぇなぁ。」

「いいだろ別に。。」

6月30日、今日は今までの今日の中で1番暑い気がする。俺、遠藤健太郎の汗が流れるタイミングと同じように友達のアイスが溶けていく。

「あやべ、俺塾だ。またなー!」

「おう……!」

その時目の前を通った2人のカップル。あのカバンについてるキーホルダーはきっと男女バンドMERY MARYのものだ。

俺は友達と別れた後、耳にイヤホンをつける。流れるのはMERY MARYの「センチメンタル」。

バンド。それは俺の夢。

最初にエレキギターを始めたのは中3の5月。友達に借りたCDから流れたMERY MARYの曲は当時の俺に衝撃を与えた。ストレートな歌詞にボーカルの圧倒的な歌唱力、なによりも衝撃だったのはエレキギターだった。その時聞いた曲、「センチメンタル」はイントロがエレキギターのみ+長尺のもので、あの頃の僕には考えられなかった。当時暇だった放課後をエレキギターの練習に使った。休みの日には路上ライブをして意外と人気もあったんだ。友達には褒められたが、親には猛反対された。なぜなら俺の成績が右肩下がりだったからである。こんのものに力を入れていたから頭が悪くなったんだと怒鳴られたのはまだ頭にある。

高校では帰宅部で、俺は親の部屋にしまってあるエレキギターを忘れようとした。

『忘れていた輝かしい夢

今はどこにきえたの

あの夢を叶えるために

僕はここにいるはずだった』

これはセンチメンタルの歌詞。

まさにこれは今の俺だった。

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