表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Heaven'sWrath  作者: ナベ
9/20

魔工銃改良実験任務⑨

 何名かは現在確認できる安全エリアが、異常が起きていないかの確認に行くこととなり

 残りのメンバーで廃工場の確認へ向かうこととなった。


 「ここか、ぱっと見変な感じはしないが・・・

  確かにミングルたちがいないな」


 ロルフは廃工場の入り口に立ち中を覗き込む。


 「あぁ、普段なら何匹か見かけるはずなんだが・・・」


 ジャックスも周りを見渡しながら廃工場に歩を進めた時だった。

 

 「っ!!おい!!あぶねぇ!」


 ロルフ目掛けてブライボムが影から飛び出してきた。

 ロルフは完全に背中を向けていた。


 ー間に合わねぇ!


 ジャックスが剣をつかみ駆け寄ろうとしたが


 「な!?!?」


 ブライボムが真っ二つに切られ消滅した。


 「おーーなんでこいつらがこんなとこにいるんだ?」


 ロルフが背中に担いでいた剣で一刀両断していた。


 「なんで爆ぜずに切れたんだ・・・?」


 ジャックスは剣から手をはなす。

 ブライボムは着地の瞬間に攻撃しなければ爆ぜる能力があったはずだ。

 完全に空中にいるブライボムを切っているようにしか見えなかった。


 「ん?あぁ一瞬凍らせてやるんだよ、こんな風にな」


 ロルフが手を出すと手の中に氷が精製された。


 「そんな戦い方が・・・」


 爆ぜる瞬間に氷魔法を当て凍ったところを攻撃する。

 仕組みは単純だが、とっさにできるものではない。


 「これに頼る奴らも多いが、それだけじゃ魔物に対応はできねぇよ」

 

 そういって腰に装備した魔工銃に目を向ける。サイズからしてショットガンタイプのようだ。


 「逆にそれ、使うんすね」


 ジャックスはロルフの右手を見つめる。


 「あぁ、俺はこっちの方が得意だな」

 

 ロルフは大型の剣を軽々回すと背中に担いだ。


 「お前もそれ使うんだろ?ここじゃ珍しいな」


 今度はロルフがジャックスの獲物を見つめる。


 「まぁ、俺はこれしかないんで」


 ジャックスはグッと手を握りこんだ。


 「ん?それって・・・」


 「ロルフ隊長!こちらに!」


 何か言いかけた時だったが隊員の一人の切羽詰まった声に二人は走って向かう。


 駆けつけると壊れた窓から工場の一角を除くことができた。


 工場の中には大きな爪痕が多数残っていた。


 何かここで暴れまわったような跡であった。


 「なんだこれ」


 ジャックスも警備隊として基地の巡回をする中で魔物の相手をすることは多いが

 このサイズの爪痕を見るのは初めてであった。


 ロルフは部屋の中に魔物が見当たらないことを確認し、壊れた窓から中に入っていった。


 隊員たちもそれに続く。


 「こんなの初めて見たぞ」「何がいるんだ」


 隊員たちも不安な声を出す。


 ロルフは爪痕を見ると何か考え


 「この中で戦闘技術スコアB以上は何人いる?」


 と突然問いてきた。


 戦闘技術スコアとは軍の定期的な試験の中で行われるテストの1部である。

 今の軍の平均としてはBあればいい方といわれている。

 そして今日のメンバーにB以上の隊員は数名であった。


 「これは思ったよりやばい相手だ、最低Bないと相手にならん」


 ロルフは部屋の爪痕を調べながら続ける。


 「Cスコアの者はここで撤退、中央基地へすぐに報告しろ。

  それ以外の者は俺と共に散策を続ける。全員常に戦闘準備をしておけ」


 指示を受け何名かが来た道を戻っていった。


 「残りの奴らでこの痕をつけた野郎をここで仕留めるぞ」


 ロルフが髪を縛りなおす。


 「こいつの正体がわかるんすか?」


 「あぁ、おそらくだがロガーの子供だろう」

 

 聞いたことのない魔物の名前だ。


 ロルフは続ける。


 「見た目は猫とかイタチに近い魔物だ、スピードがとにかくある。

  子供は牙の生え変わりがあるから比較的固い建造物や岩場で育つんだよ。

  で、大きくなると親と同じ森林地域で暮らし始める魔物だな。」


 「森林地方?この辺にはそんなところありませんよ?」


 兵の一人が信じられないといったリアクションをとる。


 「ロガーは成長するとある程度の距離を飛べるようになるんだよ。

  きっとここから第1基地までは余裕だな」


 第1基地はエーデル国の最北端にある基地であり、魔工列車でも中央基地から2日かかる距離である。


 「そ、そんな魔物がこの近くに・・・?」


 兵士の声が震えている。

 それはそうだ、ここまで危険度が高い魔物は第4基地では報告が上がったことはない。

 初めての経験といえるだろう。


 「まだここにいると判断した基準は何すか?」


 ジャックスは震えている兵士の肩をポンと叩き、ロルフのもとへ歩み寄る。


 「ほぅ、ビビらないのは大したもんだな」

 

 そんなジャックスをロルフは珍しそうに見つめる。


 「俺はもっと恐ろしいもの見たことがあるんでね」


ーそう、10年前の魔王軍より恐ろしいものはない。


 「なるほどね・・・。

  根拠はこの爪痕だ。爪の深さがまだ成獣のそれじゃない。

  牙もまだ小さいようだしな」


 そういいながら上を指さす。噛み後のようなものがある。


 「育って飛ばれると追いかけるのは厄介だからな。ここで仕留めるぞ」


 ロルフの言葉に全員が頷く。


 「「「ヴェーオルの加護を」」」

 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ