魔工銃改良実験任務③
「ジャックス君って、魔工銃はまったくもってだめなわけ?」
初日ということもあり、軽く食事のつもりが盛り上がりすぎたようだ。
チームのメンバーは何人かは酔いつぶれ机に突っ伏している。
ジャックスはかなり強い方だが、アッシュもなかなかに飲める口のようだ。
「魔弾を打つときに自分の魔力も流しちまって負荷かけすぎちまうんだよな。」
銃を借りて触ってみる。久々に触る銃の感触はやはりなれないものだ。
「魔弾なしでやったら?空打ちはダメなん?」
「それやるなら直で魔力打った方が楽だな」
ジャックスの答えにアッシュはそれもそうかとうなづく。
「その能力はやっぱりソチ族の能力を強く受け継いだんだね」
飲み終わったのか次の一杯を店員に手をあげ合図する。
「そうだな・・・お偉いさんの考えでは、母さんの力を使えて親父のような魔工銃の操作がうまい人間になる予定だったんだけどな」
ジャックスの母は遠い大陸にすむソチ族出身であった。
雷魔法を得意とし、帯電することで自身の能力を底上げする力を持っている。
歴代最強と言われる魔工銃隊長として名をはせた父とは政略結婚であったが、お互いをとても大切にしていた家族であった。
ジャックスは自己での弾薬も調達できることから幼少期は大いに期待されていた。
が、あまりにソチ族の血が濃く出たのか、魔工銃での魔力操作との相性が悪く
魔工銃を用いたエーデル風の戦いには向かない性質であった。
戦闘能力や学科で優秀な成績を収めても、魔工銃隊には所属はできなかった。
「ま、警備隊は性に合ってるからいいんだけどよ」
そう言いながら2本の剣の鞘をなでる。
「そんなこと言って、こんなに優秀なら遊撃隊にもはいれちゃうかもよ」
アッシュの元によく冷えた追加の酒が届く。
「あそこの部隊に入るのってスカウト制なんだろ?お前らみたいな魔工銃隊ならともかく
俺らガードが仕事見てくれることなんてほぼないからなぁ」
遊撃隊は基地外部の活動がメインの部隊で軍の中でも能力の秀でたもののみしか所属していない部隊である。
所属希望を出してなれるものではないことから、隊員の所属に関してはスカウト制ではないかといわれている。
「まー夢はあるよな、こんな食い方を毎日できるくらいにはもらえるらしいしな」
そういって残りの付け合わせのソーセージをまとめて口に放り込む。
「ちょいちょいちょい誰のおごりかわかってますかー?せめて味わってくれよ~」
アッシュの泣き声を無視し、ジャックスも追加のオーダーのために手を挙げたのだった。
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「痛すぎる・・・・」
頭を押さえながら宿を出る。
最後の一杯はやめておけばよかったと恨めしそうな目で太陽を見つめる。
今日の任務は朝の内から旧市街地の奥での実施予定だ。
「酒の強さは俺の勝ちだな。さてと、今日も行きますか」
こちらは二日酔いだというのに、朝からハイテンションなアッシュを見て
ジャックスはため息をつきながら今日も任務に向かうことにした。




