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Heaven'sWrath  作者: ナベ
12/20

魔工銃改良実験任務⑫

 「はい、確認しました。お疲れ様です。本日は直帰許可がでましたので、これにて任務終了となります」

 

 ロガーを倒した後、中央基地から来た別隊がその後の処理を引きついだ。

 ジャックスは怪我の治療を受けつつ報告をしたところであった。


 ロガーの卵がこの地に来た時に違う地域の魔素が付着しそこから魔物が発生したというのが

 今回の魔物発生の原因であった。

 討伐したロガーは研究班が今後の魔物調査に役に立つと鼻息を荒くしていた。


 「ジャックスだったな、いい動きだったぞ。お疲れさん」

 

 ロルフに話したいことは山ほどあったが、軍上層部との会話に入るわけにもいかず

 そこで解散となった。

 

 

 魔工列車のホームに立つと時刻はすっかり夕暮れであった。


 「・・・すごかったな」


 綺麗なオレンジの空を見ながら思わず本音がこぼれた。


 ロルフと共に前線にいたが、実力の差をひしひしと感じた一日であった。


 ジャックスは警備隊(ガード)の中でも戦闘能力はかなり高い。自覚もあった。


 ーー根本的に違う。


 戦いの中で感じたこと、戦闘ではない、殺し合い。

 そこでの動き。


 目を閉じるとロルフの剣捌き、体と使い方、魔力の乗せ方・・・・

 様々なことが思い出される。


 「・・・・・」


 ちょうど列車が到着した音がする。


 一息ついて目を開ける。

 

 オレンジの光がまっすぐジャックスを照らしていた。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「あ!にいちゃだ!!」「どこ?」「ほんとだ!」


 第2基地の郊外、道具屋の横を通った時、元気な子供たちの声が聞こえた。

 

 「おぅ、そろそろ飯の時間だろ?なにしてんだ?」


 駆け寄ってきた子供たちに問いかける。


 「広場で作ったお守り売ってきたの!」「こないだの!」

 「そしたらこれもらったの!」「みてみて!!」


 かごの中には野菜やパンなどが入っていた。

 

 「兄ちゃんどこいってたの?」「お土産は?」「おーみーやーげー」


 わかったわかったと子供たちをなだめながら歩く。


 孤児院の前まで子供たちはジャックスに引っ付いていた。


 「こらこら、ジャックス君は仕事終わりで疲れてるんだから」


 シスターの声ではぁいと子供達は孤児院の中に帰っていく。


 「おかえりなさい。今日は早かったんですね」


 「ただいま先生。いつもありがとうな」


 シスターは小さい子を抱っこしながらジャックスを中に招く。


 「モネアちゃんなら奥でシチューを作ってくれていますよ」


 上着を脱ぎ、シスターの後に続く。


 「せっかくですし、今日はゆっくりしていったらどうですか?」


 「あぁ・・・今日は・・・その」


 返答に困った。

 警備隊に入ってから、たまに帰るこの場所での過ごし方がわからなくなってきた気がする。


 そんなジャックスを見てシスターはフフっと微笑む。

 どんなに体が大きくなってもこの人には考えていることがお見通しな気がする。

 

 「モネア―!ジャックス兄ちゃん来たよー!」


 誰かが呼んだ声でキッチンで何か慌てて落としたような音がした。

 それに続いてこちらに向かってくる足音が聞こえる。


 「おかえりなさいっ!」


 両手を広げて抱き着いてくる妹をしゃがんで受け止める。


 「おぅ、ただいま」


 力いっぱい抱きしめた後モネアはパッと顔をあげた。

 

 「きょうはね、みんなでシチューつくったの!おにいちゃんもたべるよね!?」


 この笑顔には逆らえない。

 

 「食べる食べる、腹減ったよ」


 大げさにおなかをさすると、モネアは食堂へ手を引っ張った。


 「はやくはやく!」

 「おいおいそんな引っ張るなって」


 シスターにフフっとまた笑われたが、なんだかもういいかとジャックスも笑ってしまった。

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