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3 波紋の響き

 あちこちから放たれる波紋。

 それが者や物から放たれる響きのようなものだと何となく分かるようになった。

 なぜそんなものが出てるかは分からないが。

 しかし、何となくそう感じ取れるようにはなった。


 目に見えるように、感じ取れるようになって。

 幾らか時間が過ぎて、それらにも慣れてきた。

 そうなるとだんだんと分かるようになってくる事もある。



 まず、波紋だが。

 これらは者や物から放たれてるのではない。

 波紋そのもがまず存在している。

 それが形をともなっていき。

 塊となったものから新たな波紋が放たれる。

 形をもってるものが後からあらわれてるのだ。



 そして元となってる波紋は、響きでもある。

 音というか振動というか。

 これが周囲に影響を与え、動きを促す。

 そして、動いたものがぶつかりあい、打ち消しあう中で、形を持つようになる。

 響きが結びあうというのだろうか。

 やがて小さな結晶のような状態になる。



 この結晶が周囲の響きを集め、更に多くの響きと結びあって大きくなる。

 一定の性質を持つようになる。

 様々な要素をもっていた無形の状態から、一個の特徴を持つ有形になる。



 この有形の状態が更に新たな響きを放っていく。

 それが周囲に影響を与えていく。

 物質や物体となる。



 そうして放たれる波紋。

 これらが霊気やオーラと呼ばれるものだ。

 ある程度の強さを持ってると、波紋に光が反射して目に見える事がある。

 原理はオーロラに近いかもしれない。

 いわゆる後光や光背、ハイローといわれるのがこれだ。



 それが何故か目に見えるようになった。

 何故かは分からない。

 だが、今はそれがありがたい。

 おかげで、様々な物事が見通せるようになったのだから。



 遠くにいる者の存在を感知したり。

 壁の向こうを透かし見たり。

 あるいはこちらから相手に意識を飛ばして会話をしたり。

 自ら放出される波紋を固めて叩きつけたり。

 いわゆる超能力のような事が出来る。



 それだけではない。

 波紋として漂ってる様々な情報。

 その場に残った出来事の記録。

 消えずに残ってる人々の思いや考え。

 それらを聞き取る事も出来る。



 ちょっと変わったところでは、様々な知識や情報、技術など。

 これらを身につける事も出来る。

 RPGのレベル上昇のように。



 レベルが上がった途端に様々な魔術や技が使えるようになる。

 それを実際にやれるようになる。

 もっとも、こうした知識や技術を体得するにはそれなりのレベルや能力値が必要になるが。

 それでも、学んだり訓練する必要がないのはありがたい。



 そんな波紋が重なりあう世界で。

 波動というべき振動が響き合うのが見えるようになって。

 男は様々な事を見聞きしていけるようになった。



 これが良いのかどうか分からない。

 しかし、便利なのは確かだ。

 何にどう使うかはこれから考えるとして。

 今は見えるようになった、感じ取れるようになった世界の響きに耳を向け、心を傾けていく。

 大事な何かを見つけるために。

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