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2 能力値

「うーん」

 目の前に浮かぶ一覧表。

 それを前に男は頭を抱えた。

「なんだこれ……」



 それが何かがわからないわけではない。

 能力値の一覧。

 ステータス画面という方が良いだろうか。

 ゲームに使われてる自分の能力の数値化。

 それが一覧になって目の前に浮かんでいた。



【能力一覧】



レベル 4



仁 6

智 5

勇 4



【能力一覧】



 素っ気ないほど簡単・単純。

 それだけに明快。

 実に分かりやすい項目だけが並んでいる。



 それでもこれだけだと何がなんだか分からなくなりそうだ。

 項目と数値の意味が書いてないのだから。

 しかし。

 何故かこれらの意味も頭に浮かんでくる。

 便利ではあるが、どうして理会できるのかが分からない。

 意味が分かるのはありがたいが。

 何はともあれ、各項目の意味は次のようになる。



 レベルは能力全体の段階。

 高いほど優れた能力という事になる。



 仁・智・勇というのが細かくあらわした能力。

 これもたった三つで表してるのでかなり大雑把なものになる。

 だが、細かくしすぎて把握しづらくなるよりはマシなのかもしれない。

 なお、それぞれの意味はというと。



 仁が感受性や共感性。

 人としての親しみやすさなどになる。

 また、雰囲気を読む能力もあらわす。

 体の方にもかかわっており、反射的な動きなどをも示す。



 智は思考能力。

 計算や推理・推測、分析などなど。

 更に様々な知識に学問をどれだけおさめてるかを示す。

 設計に工作、道具の扱い方に操縦にどれだけ長けてるかなども示している。



 勇は意思の強さ。

 長時間の集中力や決断力などになる。

 力の強さや健康さ、スタミナの強さなどでもある。



 こうした能力がなぜか目の前に示されていた。

 なぜ見えるようになったのか?

 それは当事者の男にも分からない。

 ただ、おそらく周囲の状況とも関係があるのだろうと予想はした。



「これだしな……」

 そういって見渡す周囲の状況。

 先ほどまで町の中にいたはずなのだが。

 なぜか森の中に変わっている。

 男がそういう場所に出向いたのではない。

 いきなり周りの景色が変わったのだ。



 おまけに。

 いて欲しくない存在まで目に入る。

 頭だけ犬やオオカミのようになってる人間。

 それが男の方へと向かってきていた。

 どうみても普通ではない。

 怪物や化け物でしかない。



 そんなものがいる場所に何故か踏みこんでしまった。

 それが能力一覧が見えるようになった事と関係してるように思えた。



 とはいえ、熟考してる場合ではない。

 走り寄ってくる犬(狼?)頭の怪人をどうにかしないといけない。

 相手が友好的なら良いが、見たところどうにもそうは思えない。

 男はその場から右に向かって走っていく。

 木々が生い茂る森の中へと。

 道のように開けた場所に居るよりはマシに思えたからだ。

 少なくとも少しは姿を隠せるし、相手の動きを遮るものもある。

 そこに隠れてどうにかやりすごすつもりだ。

 いつまで続けられるか分からなかったが。



 ともあれ、今は逃げるしかない。

 接近してくる怪人を引き離すために。



 そんな逃走が長くは続かず。

 結局相手を倒す事になっていく。

 どこまでも怪人は追いかけてくるのだから。



 怪人を何とか倒し。

 安全をとりあえず確保するまで19分ほどかかった。

 それから男はあらためて歩き出す。

 何処とも知れぬ森の中を、あるか分からない出口を求めて。

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