モーリェ。〜その13 添い寝〜
「もうインベントリ隠さなくていいから、遠慮せずに、おかわりするよ!リェスカウカウなんて、食べる機会そうそうないし!腹減ってるし!」
「うん、いっぱい焼いたよ。部位も、ロースもヒレもあるからお好み教えてね?」
「ヒレとか高級!どっちも好き!」
食べて食べて、お腹がぱんぱんになって、笑いあった。
まだ、隠してる事あるけど、どうやらジークもあるらしい。
詮索せずに居てくれるから、わたしも聞かない。
いつかきっと時期が来れば教えてくれるはず。
安心したら、なんだか眠くなっちゃった。
「眠い?今日は疲れたでしょ」
「うん、なんだか、その、気持ちの上下?も激しくて……」
「そうだよな。なら添い寝してあげようか」
にやり
「うん」
「え!?」
「え!?わたし何言った!?」
何言ってんの!?え!?何言ってんのよ!!
「よし、寝る用意しといで」
「え!?本気??」
「本気本気〜♪ほら早く!」
「ええぇぇ!?」
「大丈夫、添い寝しかしないし、襲わないってば!」
むぅぅぅ……。
ネグリジェに着替えて寝る準備して、枕持ってジークの前へ。
「枕!枕いる?俺の腕が枕になるよ?」
「必要です!」
ベッドに入って、くっついて。
何かもう何度も抱っこもされてるし、くっつくのに躊躇いとか、なくした感じ。
いやこれなくしていいものか?
まぁいいか。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ちゅ
すぴー
◇◇◇
ジークの独り言。
ぶっはーーーー!!!!
もー焦った!!俺なんかしたかと思って、全身から変な汁出たよ!!!
最初は甘えて可愛くて、でろでろに溶けるかと思ってからの、突然の拒否!!!
汁、出るでしょ!?出るよね!?
説得に、間違えちゃならねぇと必死!!
言葉1つ間違えたら終わると思ったし!!
バレたくないよね、の言葉が、シャルルの持ってるスキルに掛かって不安になったのか。
インベントリなぁ……、今の宮廷魔術師でも持ってないはず。
ロストマジックって思ってた。
文献にはあるから、誰か持っててもおかしくはないけど、隠すだろうしね。
極小数は過去も含めてだから、間違っちゃいないよな?え?こじつけ?あの場は仕方ないだろ?
まさかシャルルが持ってるとは思わなかったなぁ。
でかいマジックバッグだと思ってたが、インベントリなら、当然だよな。どんだけでも入る。
きっと知ってるのは親位かな。
今回もコテージにしなかったら、きっとバレなかった。
上手に隠してたもんな。
……きっとまだある気がする。
それでも好きなもんは好きなんだ。
丸ごと受け止めてやる。
ただ、俺の隠し事を受け入れてくれるかは……。
俺の方が不安なのかもしれないなぁ……。
しかし、安心して眠っちゃって。寝付きいいよな。
俺の理性試されてんのかな?
誘ったの俺だけど!
ちょーーっと強引に誘ったけど!
まさか最初の返事が「うん」だと思わないだろ!?
1回「うん」って聞いたら、その後ふにゃふにゃ言っても強引になるよな!?
大丈夫、手は出さない。
ちょっと、ちゅっちゅするだけだ。
ちゅ ちゅ
やべぇ、追い討ちかけんな!俺!働け!理性!
すき、って、可愛かったなぁ……。
何しても可愛いんだけど、特別可愛い。
こんなに可愛いシャルルと思いが通じ合うとか奇跡じゃね!?
世界の中心で愛を自慢したい。
なでなで。
くかー
ハンターはどこでも眠れるように訓練されます。
短時間でも寝ないと効率悪いし、体調万全じゃないと命の危険。
愛しの君が腕の中にいても寝るよ( ー̀∀ー́ )
 




