探検しよう。〜お家編その3〜
飲み物はっと…。
あぁ、ここの水道から出るお水は、聖域の湧き水。
なら最初の1杯は、お水にしよう。
コップに水を注ぐ。
これもタッチで水が出る。
水栓コックがないから、お掃除しやすいね!
こういう所は日本のキッチンと変わらない気がする。
よし、この世界で初の飲み物。
こくり。
んーーー!冷たくて美味しい!
まさに甘露!
五臓六腑に染みるわぁ……。
ごくごくと2杯完飲。
しかし空腹は収まらず。
すぐに食べられるものを探す。
行先は魔道冷蔵室。
室だよ、庫じゃないよ。
中に入ると食材室と同じように棚で管理されている。
通路に冷気は流れてこない。
流石である。
冷蔵管理されるもの、時間経過が必要不必要と分かれていて、パンの低温発酵なんかも出来るし、ゼリーなど冷やしながら固めるものにも使える。
魔法でちゃちゃっと出来るんじゃ?
とは思うけど、いずれ使用人を雇う時に使えないと困るから、だそうだ。
いやぁ……人を使うのはわたし的には無理そうだなぁ。
しかもこんなビックリハウス!来た人が腰抜かすわ!
……。
いや待て。
もしかしたらこれも標準装備なのでは!?
そーかそーか、きっとそうに違いない。
だよねーだよねー?体験した事がないから驚くだけで、実際生活の一部になってるんだよ、うん。
しかし考えてみたら、主食がなかった。
お米はあったけど、炊いてないし、小麦粉はあったけど、当然粉のまま。麺類もない。
くすん。
お米、浸水してないけど鍋で炊くなら、そんなに時間掛からないし炊く?
うーん……起きてからここまで色々驚きすぎて、正直アレコレ作るのは面倒。
なので、丸っと1本のハムを薄切りに、レタストマトきゅうり、これでサラダでいいや。
ドレッシングじゃなく塩で。
物足りないけど、家の探検終わったら気の向くまま作るとしよう、そうしよう。
その前にお米研いで浸水させておかなくちゃね!
◇◇◇
どうにかこうにか朝ごはん?既にブランチ?を食べて、探検再開!
ダイニングは、パッと見には不思議なものは無い。
10人座れる、でっかいテーブルがあるだけだ。
探したら、何か不思議発見出来そうだけど、進まないから探さない。
いつかきっと何かあったら分かるはず。
◇◇◇
リビング、ここも広いなぁ!
暖炉、いや鍋を置く場所があるからペチカかな?
コトコトと煮込みするのに便利そう!
ステキ〜!
アイボリーが主色の落ち着いた雰囲気。
柔らかな春の色だ。
季節によって、魔法で色が変えられる。
楽しみね!
リビングから続きのサンルームには、ブランコ型チェアー。
そっと座って景色を眺める。
ここは世界樹からほど近い山の上の聖域の中にあるので、眼下には王城、その下には王都が望める。
下から見上げても、森にしか見えないように、隠蔽の魔法が掛けられている。
王様より上に住むって、不敬にならないのかしら……。
女神様達からの贈り物だし、バレなければなんということは無い!はず!
5の鐘が聞こえる。pm13:00
ブランコを揺らしながら、いつの間にか眠っていた。
時間にして僅かだけど、やっぱり疲れてるんだと再確認。
よし!残りも軽く見に行くか!