モーリェ。〜その9 ピクシー〜
朝です!おはようございます!
今日もワンピース。
キャミソール型のAライン長さは膝下で、飾りボタンとピンタック。裾にフリルで甘さをプラス。
夏のバカンスって感じでしょ?
「おはよう。シャルル今日も可愛いな!」
「えーへーへー、おはよう!昨日ワンピース姿を褒めてくれたから、ちょっと調子に乗ってみた」
「今日は午前中に案内したい所があるんだ。タルミア探しは午後でもいいか?」
「うん、生鮮じゃないし、午後でいいよー。午前中はどこ行くの?」
「ふふふーん!行けば分かる」
「なになに!?楽しみ!何か必要なものはある?」
「いや、そのままでいいよ。あ、足元だけサンダルじゃないのに出来るか?」
「うん、大丈夫」
なら白いレースアップブーツにしよー。
◇◇◇
出店で軽く朝ごはんを食べて、連れていかれたのは、貸小舟発着所?
「舟に乗るの?だからサンダルじゃない靴?」
「そう、ここからそんなに遠くないから」
ほうほう!
舟と言っても、もちろん魔道具だ。
ゴレ舟、要予約。
ゴレくん、凄いな!
2人乗りで屋根はない。
転覆もしないし、危ない時は結界も張られる。
遊覧船のように、指定された場所に行くらしい。
もちろん近場だけね。
「手を」
ジークの手を取って舟に乗る。
シートに座ってみると、意外とふかふか。
「いい感じ!」
「よし、行くか」
すっと動き出した舟は少し沖に出て、岸壁に沿って進む。
風が気持ちいい!
「気持ちいいね!見て見て!下!これ何??色とりどり!!すっごくキレイ!!」
下を見たら、極彩色!
虹色に見えるよ!
「あー、キレイだけど、言ってもいい?」
「え?なに?」
「魔海虫って言う、虫の1種なんだよねー」
がーーーーん!!虫なの!?
「その顔!」
あはははは!
「そろそろ見えてきたよ」
指差す方向を見ると、ぽっかり穴が空いてる。
洞窟?
「あそこに入るよ」
「冒険!!」
「ちょっと違うかなー」
にやり
「低い天井だから、ちょい頭下げてね」
だから屋根なしなのか!
出来るだけ頭を下げて洞窟を抜ける。
何か音がすんごいんだけど!!
「え」
遥か上空から流れる滝!
ドドドドドド!!と聞こえたのはこれね!?
何重にも見える虹!
シダ類が周りに茂り、鮮やかな色の鳥が飛ぶ。
「わっ!!」
目の前に、飛んでるちっちゃい人。人!?
「気に入られたね。ピクシーだよ」
「可愛い!!こんにちは、初めまして」
ふわふわと飛んでいく。
「ここは保護区で、ハンターでも許可を取った高ランクしか入れないんだ。水面が下がる時しか入れないし、同行者はひとりだけって決まりがある。ピクシーに会えるのは、よっぽど運がよくなきゃ会えないんだけど。よかったな」
ふわぁぁ!!凄い!!
「同行者はシャルルが初めてだよ」
「連れて来てくれてありがとう!もう、凄いとしか言えないや」
滝の、激しく雄々しく水が落ちる様子。
ピクシーが花と戯れる。
白い砂に打ち寄せる波。
入って来た方を見ると、エメラルドグリーンの海。
もし楽園があるなら、こんな景色なのかもしれない。
「上陸は許されてないから、見るだけなんだけどね。そろそろ出ないと閉じ込められるから、行くよー」
「うん!ピクシーちゃん、バイバイ!」
そう言うと、ふわっと飛んできて、ほっぺにちゅ!って!!
「あっ!!おい!!」
ジークの周りをクルクルと飛ぶ。
あはははは!
「ジークも好きだって!」
洞窟を出て、帰る時に
「シャルル」
「ん?」
顎をひょいっと上げられて、ほっぺに、ちゅ
!!!!!!
「消毒」
あああああ顎クイ!!!
ぽんっ!!!と顔が赤くなるのが分かった。
「こっちには、また今度な」
と、唇に触れる。
もう倒れてもいいですか?
お約束:( ;´ཫ`;):




