モーリェ。〜その8〜
ふ、と起きると、えと、何この状況。
腕枕で胸の上の手は繋がれてて、見上げるとジークが見てた。
「おはよう、よく眠ってたなー」
「え!ごめん!」
「何が?あぁ、ゆっくり起き上がりなー」
慌てて起き上がろうとしたら引き寄せられた。
ひぇ!!!!
あわあわと慌ててると、
あはは!
「そんなに慌てなくていいよ。メシは外に食べに行こうか」
「うんうんうんうん」
「首もげるよ?」
ははっ
ちくしょう!なんか余裕だな!
「店だけど、小洒落た店か、豪快に手掴みか、どっちがいい?」
「うわ!悩むね!小洒落たお店なら着替えないとだし、手掴みでパクつくのも魅力的!うーん」
「え?着替え?」
「え?小洒落たお店なら、この格好じゃなく着替えるよ?」
ずっと狩り仕様だもんねー。
てか、ハンターはクリーンで着続けるのが基本。
しかーし!わたしはハンターではない!
街着もあるのだ!
「ちゃんと街着も持ってるよ?」
ぱぁっ!と笑顔になるジーク。
「見たい!小洒落た店に行こう!」
「え、普通のワンピースだよ?」
「俺も街着にする!と言っても男の街着なんて、今とあんまり変わらないけどなー」
ははっ
じゃあ着替えて来よう、とそれぞれの寝室へ。
◇◇◇◇
「シャルル!可愛い!似合う!断然そっちのがいい!いや、いつも可愛いけど!」
これは最初に作って、マリアーナさんに声を掛けられた時のワンピース。
髪はハーフアップで纏めて顔周りをスッキリとね!
あはははは!
「ありがとう。ジークも凄くカッコイイよ!」
ジークはノータイのシャツにコットンパンツ、ジャケット。
ラフだけど、ちゃんとして見える。
「ではレディ、お手をどうぞ?」
と、手が出され、手を預けると、軽く口付けて肘に誘導される。
うわ!!
「ジーク慣れてるね」
「ん?あぁ、高ランクになるとパーティーもあるからなー。最低限はエスコート出来るぞ」
「何だかオトナの世界」
「では、オトナの世界に誘いましょう」
あはははは!
「そんなに堅苦しくない店だから、オトナの世界って言えるか分からんけどなー」
◇◇◇
ゴレ車で店の近くまで行く。
おぉ!ホントだ!小洒落てる!
ステキ!
「! いらっしゃいませ」
お!ここにもイケメン!
やっぱり顔面偏差値高いわー。
ツンっ!と突っつかれた。
何もありませんよ?見蕩れてませんたら!
席に案内されて、
「色々頼んでシェアしようか?」
「わぁ!それだと助かる!」
「何にする?」
「初めてだし、お任せしてもいい?」
「任せろ」
じゃあ……と、あれこれそれこれ。
お料理、結構頼んだな!
海辺の街なだけあって、魚介類多数!
エビもカニも貝も魚も!
「あっ!これ辛い!」
アクアパッツァかと思ったら、めっちゃ辛い。
「あぁ、辛いのは苦手だったのか、すまん」
「ううん、食べられない事はない、はず!」
涙ちょちょ切れ、鼻スンスン。
ははっ
「無理しなくていいよ。辛いのはこれだけだから、俺が食べるな。シャルルはこっちにしとけ」
「ありがとう」
蛤?のような貝のワイン蒸し?
凄く美味しい。
白身魚のフライに、なんと!ソース!!
探してた調味料!!作るの面倒なやつ!!
「ジーク!これ!このソースって売ってるのかな!?」
店員さんに聞いてくれたら、タルミアって名前らしい。
よし、探そう。
タルタルはなかったな。ふむ。
今度フライ作って、タルタルも出してみよう。
ジークならきっと喜ぶはず。
会計はジークが持ってくれた。
わたしも出すって言ったら、水着の分と言われた。
むむむ。
「ご馳走様でした!美味しかった!」
「よかった。散歩して帰るか」
自然と手を繋ぐ。
おかしいな、お酒飲んでないのに頬が熱い。
レストラン店員:何か凄いの来た!何このイケメン!何この美少女!美少女だけ来て欲しかった!!
そんな感じ。




