モーリェ。〜その6 スプリア〜
活動報告に番外編Part2を載せています。
お時間あれば、暇潰しにでもどうぞ。
結局あれから5つの温泉を回った。
全部は回りきれないので。抱っこでしたけど。
30cm差とは言え、抱っこされたら視界が高いんですよ。
ジークのつむじも見えましたよ。
ツンツンしてやろうかと思ったけど止めといた。
そんで今日最後の温泉で、
「ぁぁ〜きもてぃぃ〜」
「シャルル溶けてるよ」
「ジャクジーのあわあわぶくぶく、これクセになる」
「確かに気持ちいいなー」
「ジークちょっと日焼けしたね」
「そうか?まぁ後でヒールしたら大丈夫だろ。シャルルは大丈夫そうだな」
「うん、既にヒール済み」
「シャルルは色が白いから、すぐ赤くなりそうだな」
「うん、既に聖域で体験した」
あっ!!
「見えなかったから!!」
顔向け出来ない!!!
「お願いだから!もうアレは止めてね!?」
「二度と再びやりません」
「こっち向いて?」
指の間からちらり。
「ちゃんと!」
ちらり。
「もーホント心配」
ほっぺ包まないで!むにむにしないで!
「らいよーう!やらないから!」
「そう言えば、シャルルは王都の祭りは行くの?」
「お祭り?あるの?」
「二つ星の月の中盤にね、3日間夏の祭りがあって、最終日、空に魔法花が上がるんだ。見応えあるよー」
「へぇ!知らなかった、空に上がるなら家でも見えるかな?お祭り自体も行ってみたいなー」
「シャルルの家って、どこら辺?」
「2区上だねー」
「いい所住んでるね、そこならキレイに見えるだろうな。でも俺、シャルルと見たい」
あらっ!嬉しいことを!
「ならウチくる?バルコニーあるから、食べ物とか用意して、ちっちゃなパーティー楽しそう!」
みんな呼んだら来れるかな?
「いいの??なら、何がなんでも予定入れないようにしなきゃ!」
ふふっ
「わたしも楽しみ!」
うーん!と伸びをして空を見上げる。
真っ青な空に黒い雲。
え?
「ジーク、雨が降るかも。黒い雲が出てる」
「あ、ホントだ。ちょっと急いで帰るか。またここには来ればいい」
「うん、また来よう!じゃ帰る準備出来たら待ち合わせね?囲まれてたら声かけてあげる」
くすくすっ
「頼んだ」
ふっ
って!はいはい!抱っこですね!
「最後までこれね」
「何なら宿に帰るまででもいいよ?」
「遠慮しますっっ!!!」
”ドライ”で全身乾かして、着替える。
精算して待ち合わせ場所に行くと、やっぱりなー。
女の人ってパワフル。
わたしゃー無理だな!はっはっは!
それより助けなきゃ。
「ジーク」
ぎょろり!
ひぇ!!!!
「シャルル」
ジークのほっとした顔。
側に来て手を繋ぐ。
「帰ろう」
うっわ!怖い顔!その顔鏡で見てごらん?
怖くて誰も近寄らないから!
にっこり笑って、牽制のつもりでぴったりと寄り添う。
そして耳打ち。
「北の受付のお姉さん思い出したわ」
ははっ
「そんなのもいたな」
黒い雲は徐々に広がりつつある
さぁ、早く帰ろう。
と、言ってるうちに、
「あっ!ぽつんと来た!」
「あと少しだし走るぞ!」
あちこちで走り出す人。
うぇ!?身体強化使ってる人がいる!
雨に降られたけど、楽しかった!
抱っこは恥ずかしかったけどね!!




