モーリェ。〜その5 スプリア〜
「どこ行くの??抱っこ恥ずかしいんだけど!」
「ん?あぁ、もう少しなー」
「重いでしょーに!!」
「え?重かったら汗かいてヒーコラ言って下ろしてるよ」
「例えが!!」
「俺が抱っこしたいだけ」
にやり
「ぐは!」
「ここ、スタンドで先に飲み物買っちゃおう。後で来るのは面倒だろ?軽食もあるから、ついでに買ってリングに入れておけば後で来なくて済むからな」
「なるほど!かしこい!」
「だから抱っこされとけ」
「それとは別っ!!」
視線が!!!
「見られてるよ??」
「牽制してるからいいんだよ」
「誰に!?」
「俺を見る女」
うっわぁ!!
「それとシャルルを見る男」
ぶふぉぉ!
何か!何か!何だろう!むずむずする!
「わたしがジークを抱っこ出来たらよかったのに」
「え?してくれんの?」
「うーん、出来るかな……」
「出来る出来る、後でな」
そう言って、桃のジュースとオレンジのジュース、サンドイッチを買って、ジークのリングに入った。
片手抱っこして。
店員さん、ガン見してたよ!!!
思わず愛想笑いしたよ!!!
「さて、どこから入る?」
確かに!いくつあるんだろ?
真っ白のお湯、真っ青なお湯、真っピンクのお湯、真っ透明なお湯、あ、これは普通か。
「あ、ここがいいな」
と、抱っこしたまま入るジーク。
真っ白なお湯。
「わぁ!温度丁度いいね!」
「じゃ下ろすな?」
そろっと手を離したら、足が!届かない!
慌ててしがみつけば、大笑いしてるし!!
「もう!!言ってよ!!」
ぷんすこ!!!
あはははは!
「ごめん!そんな簡単に引っ掛かると思わなかった!」
30cmの差を舐めるんじゃねぇ!!
「ここなら大丈夫だよ」
「ホントだ!わぁ!気持ちいいね!」
「じゃ抱っこして?身体強化なしね?」
「え、よしきた!」
水の浮力を使うなら大丈夫な気がする!
ジークがわたしの首に手を回し、ジークの背中と膝裏に手を入れて、お姫様抱っこだ!!
「ほ!ら!抱っこ!出来た!!!」
「ぷるぷるしてるけど。俺人生で初めてお姫様抱っこされたわ!これ自慢出来そう!」
ははっ!
「ぐぬぬぬぬ」
「ギブ?」
パッ!と手を離して落としてやる!
と思ったら、自分の首に手を回してたのを忘れて共倒れ。
あはははは!
「もうこれお風呂じゃないよねー!」
「まぁゆっくり入るものじゃないな」
「これはこれで楽しい!」
プールみたいだし、と言うか、まんまプールだわ。
「ちゃんとした風呂かー。すんごい高級な宿にならあるのかなぁ?」
「あ、気にしなくていいよー。お家に帰れば入れるから」
「え!?風呂完備!?」
あっ
「拘りだったみたいよ?だけどお貴族様じゃないから!」
「なるほど。デンタツにゴレ車だもんなー。納得したわ」
ふふっ
もう何度目の笑って誤魔化せだ!
「他の所も行ってみよ?」
「よし」
って!また抱っこ!?
「まさか移動する度にこれなの!?」
「そうだよ?」
はぁ!?
「シャルルが御守りだからなー」
「簡単に守るとか言ったらダメだった気がする」
「え?守ってくれないの?」
「いや守るけども!」
「ならいいじゃん」
〜〜♪
めっちゃご機嫌だし。
まぁいいか。いいのか?
「いいんだよー」
「声に出てた!?」
「いや?何となく」
くぅ!読まれてる!
「シャルルは顔に出るからな」
ははっ
「今度、無表情の練習するわ」
「ふーん?練習付き合うよ」
「何か無理な気がしてきた」
あはははは!
「何事も練習からだよ、諦めんな!」
ああ言えばこう言う!
もう!!
スタンドの店員:なんか凄いのが来た!何このイケメン!何この美少女!何で抱っこ!?え、片手で抱っこ出来るの!?(思わず自分の腕を見る)……。ちっ。毎度ありっ!!!
そんな感じ。




