モーリェ。〜その4 スプリア〜
受付に行くと、並んでる人がたくさん!
「わぁ、すごい人だね」
「だな、夏だからってのもあるからなー」
「ここは夏だけじゃないの?」
「お湯だから冬でもやってるよ。夏は水温低いけど、冬は温かくなるから一年中楽しめるってのが謳い文句だな」
「なるほど」
何か、すんごい見られてる。
女性の目がジークに釘付け!こりゃ凄い。
何だか北の受付のお姉さん思い出したわ。
こそこそっと耳打ち。
「ジーク目立つね」
「シャルルが目立つんだよ。ほら、手出して」
「手?」
うひょ!おてて繋ぎ!!
「はぐれると困るから」
「手、でっかいな!!」
「シャルルが小さいんだろ。この手で剣握ってるとか、ありえねぇ」
むにむに
「ジークはごつごつ」
「こんなもんだろ?」
こそこそ話してたら、順番が来て、施設の説明を受けた。
リングを渡されて受付を通る。
このリングがマジックバッグの代わりにもなるので、ロッカーの様なものはない。
着替えたら、貴重品とか服も、全部入れちゃう。
中での買い物は、最初にチャージした金額までならリングで精算可能。
受付で後から増やすことも出来る。
残ったら、後で返金される。
自動サイズ調整が着いてるので、手首でも足首でも付けられる。
帰る時には回収されるので、持ち帰りは不可能。
返さないと帰れない。
怖っ!
「ジーク、チャージどれくらい必要?」
「そんなに要らないよ。必要なら後で足せばいい」
「はーい、じゃあ着替えてここに集合ね!」
「ゆっくり来いな」
「はーい」
チャージ、金貨2枚位かな?1枚でいいか。足りなければ後でって言ってたし。
魔道具にリングを翳して、金貨をちゃりん!腕にすぽっ!
よし!着替えよ!
水着〜!作ろうと思ってたけど、可愛いのあってよかったなー。
さすがに湯着じゃないよなーとは思ったけど。
この世界、地球に似てるのは分かるけど、新しいのか古いのか、色々混在してるみたいで、時々混乱するよねー。
水着のサイズは自動調整、着替えて髪をポニーテールにして、鏡を見たら、あー!そうだった!美少女だったんだわー!と、思い出した。
気にしてないから忘れるんだよね。
まだ生まれて2ヶ月半位だものー。
ジークの言う事が分かったわ。
長い手足に細い腰。
まだ成長途中の胸。
成長途中よ!これからよ!
それでもスタイル抜群。
で、このお顔でしょ?髪の毛でしょ?
……シャツ羽織るかな……
いや、さっき自分で言ったじゃない!
隠すから見たくなる!堂々と!ふんす!!
ジークはどこかな?
って、女の人達に囲まれちゃってるよ!
あららー!
確かにカッコイイね!お腹割れてるし!背も高いし!
お顔もいいし!
さて、あそこに割って入るのは……。
「君ひとり?誰かと待ち合わせ?」
は?
「可愛いねー!俺たちと遊ばない?友達も一緒でいいよ?何処にいるの?」
え?
これ、ナンパ?
「ねぇほら」
え?ちょっと!!腕掴むなー!
「ジークー!」
「シャルル!」
がばーー!っと抱っこされて連れ去られた。
ジークにだけど。
子供抱っこだけど。
「ごめん、ありがとう!助かった!」
「言わんこっちゃない」
「ジーク探してたら女の人に囲まれてたから、遠巻きに見てたのー」
「遠巻きに見てないで声かけて助けてよ」
ははっ
「ごめんなさい」
しゅーん。
「いいよ。でもこれから帰るまでは、俺から離れない事!俺を守って?」
あはははは!
「分かった!守ってあげるね!」
「水着似合ってる。やばい位可愛いよ」
「ジークもカッコイイよ!でもその前に下ろして?」
「やだ」
「えぇぇ!?」
スタスタと歩いてるけど、どこ行くの!?
シャルルの扱いを完璧に熟すジーク。
色々お約束:( ;´ཫ`;):




