モーリェ。〜その3 スプリア〜
「しかし、ヘルベスさん、何の用事だったんだろ?」
「俺がシャルルに悪い事するなって言いたかっただけだろ?」
「悪い事するの?」
「そもそも、悪い事って何だろう?」
「うーーーん……、ジークが悪い事するとは思わないけど、何だろう」
「だろぅ?実は小さい時からマイクさんを知ってるんだ。だからまだイタズラ坊主だと思ってるんじゃないかな?」
「なるほど!」
いつまでも知り合いの子は子供扱いしちゃうもんねー!
ふむふむ。
「シャルルは可愛いな」
「何気に馬鹿にされてる感」
「気のせい」
〜〜♪
「明日はスプリア行くんだろ?早めに行って、水着見ないとだから、寝るか」
「あっ!そうしよう!楽しみー!」
◇◇◇
くっそー!マイクさんめ!
もしかしてマイクさんも狙ってんの!?
まだ独身だし……。
あんまり年齢関係ないしなぁ……。
うーむ……。
しかし、家名を使うとは。
ああっ!めんどくせぇ!
とりあえずシャルルが単純でよかった。
逆に心配にもなるけどな。
明日のスプリア、有象無象から守らねば!
よし、寝るか。
◇◇◇
はて?何か、丸め込まれた?気のせい?
うん、気のせい!
よし、寝るぞー!おー!
◇◇◇
朝ごはんも食べて、やって来ました!温泉!
「すんごい施設だね……」
「でかいだろ?中もめちゃくちゃ広いから迷子になるなよ?」
「ならないように頑張ります」
ははっ
「俺から離れなければ大丈夫。さて、水着見に行こう」
「可愛いのあるかなー♪」
「……地味なのでいいのに」
「なんか言った?」
「何もー。こっちだよ」
連れてこられたのは、やっぱり水着屋さん!!
「ひゃーー!テンション上がるぅ!」
「「「いらっしゃいませ〜!」」」
「まぁ!可愛いですね!何でも似合いそう!」
「彼氏さんもステキですね!」
彼氏?
思わず顔を見合わせる。
やめて!頬染めないで!移るから!!
「シャルル真っ赤」
「ジークも赤いもん!」
「あらあら!初々しい〜!そうだわ!お揃いの水着なんていかが?これなんだけど!」
そう言って出されたのは白が基調の花柄ビキニ。
ジークは膝までの短パンで、黒が基調の花柄。
おぉっ!可愛いじゃないですか!!
うーん、地球に酷似してるな。
「えっ!?シャルルがそれ着るの!?俺は見たいけど見せたくない!あっ」
え?
やめてーー!赤くなるのやめてーー!
店員さん苦笑してるっつーの!
「それじゃぁワンピースならどうかしら?」
と、出されたのは同じ白の花柄。
ホルターネックの背中丸出し。
後ろから見たらパンツ一丁。
とんだセクシーだぜ!
普通背中にヒモあるよね!?何でないの!?
横乳出るじゃん!!
え?ないって?よーーくよーーーく見ればあるの!!
「くっ!!」
「ジーク、これはない。このワンピースはない」
「なぁ、行かない選択肢は?」
「ない!!!」
がっくし。
他にもないかなーと店内を物色。
ワンピースはどれもこれもセクシー路線。
何なら最初のビキニの方がおとなしめってどうなのよ。
しかし、ビキニも大概なのよ?
布地の少ない三角ビキニとか、最早てぃくびしか隠れないじゃないの!って感じのもある。
下もおけけがあったら、ハミ出るよ、それ。
ジークに、これは?あれは?と聞いても、しかめっ面か真顔か。
どーしても首を縦に振らない。
「ジークに聞いてたら決まらないので、最初のビキニにします。ジークも最初のでいいよね?」
「あれ着るの?ホントに?」
「ホントに」
こっくり。
「よし、分かった。俺が隠すことにする」
「はぁ!?こういうのはね、堂々としてたら大丈夫なもんなの!下手に隠すと気になるの!」
「彼女分かってるぅ!その通り!」
ジークの分も買って渡してやった!
「さぁ!行くよ!」
すみません。暫くバカップルにお付き合い下さい。
砂吐くけど。:( ;´ཫ`;):




