モーリェ。〜その2〜
お昼は海鮮串焼き食べたし、前に言ってたハンバーグを作ってあげようと思う。
ないのは、玉ねぎ、卵、調味料は揃ってるから、うん、その2つを調達だな！
「ジーク、夜ごはん作るのに、材料足りないの。どこで買えるかな？」
「マジ！？やった！何が足りない？」
「ペコ(玉ねぎ)と卵」
「んじゃ市場行ってみるか。まだ開いてるはず」
そう言って近くの市場へ。
流石に夕方じゃモノは少ないけど、まぁ定番の玉ねぎと卵はあるわな。
早速買って宿へ。
◇◇◇
「座ってていいよ？」
覗き込むジークに笑う。
「いや、見てる」
子供かよ！！
「ならお手伝いして？」
「わかった！」
キッチンには調理器具も揃ってるしカトラリーもある。
使い方はお家と変わらないから、大丈夫だろう。
ジークにパンを千切らせる。
「もう少し細かく」
「はい！」
笑うから！！
わたしはカウカウのお肉を冷やしながら粗めに叩く。
冷蔵保存してないからね！
切り落としの肉で十分だ。
「肉が！粉々に！」
「肉団子も粉々でしょうが！」
「あれ？」
「まぁ見てなさいって」
ペコをみじん切りに、わたしは炒めない派。
塩コショウ、オールスパイス、卵、パン粉。
これも冷やしながらこねこねこねこねこね。ふぉ！？ミルク忘れた！まぁ水でいいか。ふへっ
付け合せは、ホクリ(じゃがいも)をマッシュ。
茹でたロッシュ(ブロッコリー)とキャス(人参)のグラッセ。
お肉を楕円形にして、真ん中凹ませて、牛脂を溶かしたフライパンで、じゅーーーーー！
ウェルダンに近いけど、少し生でも大丈夫。
ソースは手抜きでディア煮込みのソース使っちゃう。
「おおおお！」
「おかわりもあるからね！召し上がれー！」
「うまっ！！！凄い！こんなの食べたことない……」
「ふふふー、美味しいならよかった！キャスも食べてね？」
「え、シチューじゃないのにキャスが美味い」
「少し甘いから大丈夫なはずよ」
凄い勢いで口の中に消えていく。
思わず見とれるよね。
食べ方がキレイだから、見苦しくないし。
結局ハンバーグは4回おかわりした。
びっくり。
「美味しかった！ごちそうさま！これは危険な食べ物だ。俺今最高に幸せかもしれない」
あはははは！
「大袈裟な、また機会があれば作りますよ」
「この旅で、完全に餌付けされたわ」
ふふっ
「食べてばかりで、横に大きくなりそう」
「鍛錬もしてないしなー。気をつけなくちゃ」
「顔が真剣だよ？」
「割と本気」
ははっ
「わたしは縦に伸びないと！」
これは本気だ！！
ははっ
「食後のお茶はカフェルでいい？」
「わ！嬉しい！」
カフェルを持ってベランダへ出る。
もう海は真っ暗、と言うより、真っ黒で見えないけど、風を受けて、まったりしてた。
チリン
「あ、デンタツ、出るね」
「はいシャルルです」
相手はヘルベスさん！立体に？
ホログラムにする。
「お久しぶりです！」
『あぁ久しぶり、元気そうだな。』
「はい、今日からモーリェに来てますよ」
『モーリェか、いい所だな。ラシードから聞いたけど、ジークと一緒なんだって？』
「お知り合いでしたか！ここに居ますよ」
ひょこっと顔出すジーク。
「お久しぶりです」
『おぉ、久しぶりだなー。フランシアの三男坊』
「その呼び方やめてくださいよ」
『まぁいいじゃないか。楽しそうでなによりだ』
にっこり
おや？
『シャルルはウチの子だからな？手を出すなよ？』
おやおや？
ジークのしかめっ面。
「大丈夫ですよ。ちゃんとバカンスしたら送り届けます」
にっこり
ホログラムなのに火花が見えそう……。
『シャルル、楽しんでな。無事に帰っておいで』
「はーい、お土産楽しみにしてて下さいね！」
『おやすみ』
「おやすみなさい」
フォン！
「はぁ、マイクさんが上司？」
「あー、納品してるからそうだね」
「なるほど」
釘刺された……ちっ
むむむ？何事ですか！？
「あっ！リェスカウカウのミルクあったじゃん！お肉しか目に入ってなかったー！」
(´-ω-)=3 やれやれ
