ドライブ。〜その4 オーク〜
「じゃあ見つけたら教えてくれ」
「うん」
オークってブタみたいな味だったヤツだよね。
よーし!気配探知ON!半径を1kmに!
暫くすると、森の入口が見えてきた。
街道がぽっかりと口を開けた森に吸い込まれる。
なるほど、これは夜は怖いわ。
「ここ抜けるのにどれ位の時間掛かる?」
「そうだな、探しながらだし、鐘3つは掛からない位かな」
6時間は掛からないって事か。
「乗合だと通るの怖いかもね」
「うん、だからハンターギルドと連携を取ってるよ。今は目撃情報があるから、走ってないはず」
ふむふむ。
む?
気配探知ギリギリに赤い点。
これは言った方がいいよね?
「ジーク、左1km先に何かいる」
「お?もしかして気配探知使える?」
「うん」
「金混じりだもんな、でかした!運転中は使えないから、ありがたい。車降りて探ってみるよ」
ゴレ車を降りて左側を見るジーク。
運転中、気配探知使えないのか。それは知らなかったわ。
「運転中は気配探知使えないの?」
「ん?使えないと言うか、運転しながらだと、どっちにも気を使うから情報が流れすぎて頭が痛くなる。探りながらなら徒歩で行くし。流石に自動運転しながらだと魔獣通り越したり、スピードとか調節しづらいしな」
ほぇーー気をつけようっと。
「いるな。数は……3、だな。ちとデンタツする」
フォン!
「ジークです。森に入りました。居ますね、数は恐らく3体。大丈夫です。了解」
フォン!
「討伐に行くけど、どうする?ここで結界張って待っててもいいぞ?」
「え?行きますよ。3体でしょ?」
「まぁ聖域に入れるシャルルならオーク位大丈夫か。よし、行くぞ」
ゴレ車をしまって、森を分け入る。
気配探知、気配遮断、ちゃんと使いますよ!
そっと目視出来るところまで来た。
が!!!!ブタじゃないじゃん!!!二足歩行じゃん!!!
こそこそと耳打ち。
「あれ!?あれがオークなの!?」
「見たこと無かった?絶対捕まるなよ?ヤツら人の女は繁殖に使う事しか考えないからな」
はぁ!?繁殖!?繁殖って……女の敵ぃぃぃぃ!!!
「俺は向かって右の2体殺る。左は任せていいか?」
サムズアップで応える。
よし、
「行くぞ」
3体それぞれに”ヴァイン”!!
左のオークの首を刎ねる。
ぶっ!!
あはははははは!
って、ジークの大笑い。
ちょ!何笑ってんの!?
「こりゃ簡単だわ!やべぇ!めっちゃ楽!」
右の2体をジークが斬ってマジックバッグにぽぽい!
左のも入れてもらう。ぽい!
まだひーひー言ってる。
泣くほど笑う!?
「流石!これは、予想外、過ぎて、笑いが、止まらん」
あはははははは!
「何よー」
「いや、シャルルは凄いなって思ったんだよ。あー笑った!楽できたわー!」
ぷんすこ!!
「ゴブリンの時もこれ使っただろ。キリクの言ってた妖精ってシャルルだな?」
えっ!?
何故バレる!?
ぴゅーぷぴー(口笛吹けない)
「いや、ごめん。詮索してるつもりはないんだ、ただ聞いたのが、銀髪の妖精がゴブリン拘束して倒したって聞いたから、そうかなーって。ポーション貰ったって言うのも、シャルルが薬師だからだよな?」
ちょっと俯く。しゅーん……
「隠したかったんだな。大丈夫、誰にも言わないよ。この話を知ってるのも、高ランクだけだから、キリクにも箝口令強いてあるし。大丈夫、大丈夫だよ」
そう言って、頭なでなで。
なでなでなでなでなでなでなでなで……。
「この手触り、癖になるな」
そうでしょう?気持ちいいでしょう?女神様謹製だからね!!
でも、
「なですぎ!!」
ぷんすこ!!




