ポーション納品。
……あづい。本当に夏が来た。
聖域はそれでも涼しいと思う。
王都は暑い!!
とは言え湿気はないので、日陰なら凌げる暑さだ。
コンクリートジャングルじゃなくて良かった!
ん?まぁいいか。
チリン
”デンタツ”
”ポーションの納品に来て欲しい。マイク・ヘルベス”
”今日持っていきます。受付でいいですか?シャルル・エイプリル”
”いや、俺を呼んでくれ。今日は居るから。マイク・ヘルベス”
”では、3の鐘過ぎたら伺います。シャルル・エイプリル”
”〇 マイク・ヘルベス”
〇って!!
今朝は嵐が去った後の家を見に来ていた。
さすが結界。
あんなに弾丸の雨、って言うと語弊があるな。
弾丸のような雨、が降った後だからねー。
芝生とか大丈夫かな?と思ったが、家も庭も無問題。
素晴らしい。
1回、聖域に帰って支度してからまた来るか。
よし!
◇◇◇
「こんにちはー!ヘルベスさんにお取次ぎお願いしまーす」
「そのまま執務室へどうぞー」
コンコン
「シャルルです」
「おう、入ってくれ」
「ポーション持ってきました」
「あぁ、ありがとう。嵐は大丈夫だったか?」
「はい、雨が凄くてびっくりしました」
「今回は少し強かったな、まぁ何事もなければそれでいい。で、納品するにあたって、商業ギルドの登録をお願いする。ついでに口座作っとけ。そこに入金するから」
「あ、はい、分かりました。とりあえずポーションはどこに出しますか?」
「この上でいいよ」
専用の木箱に25本×2ずつ。ヒットとマナ。
毒消しと、状態異常も25本×1ずつ。
「毒消しと状態異常は25本分です。とりあえず納品しますが、売る時期はお任せします」
「もう出来たのか、ありがとうな。この木箱いいな、1本ずつ独立してるから、割れにくい」
ポーションが25本入るマスを作っただけの箱ですが?
「箱は使いますか?もし使うなら置いていきます」
「置いてってくれるとありがたいな。なくなったら返却して使い回しに出来るよな?」
「はい、それで構いません」
「んじゃお借りするわ。では登録手続きやっちゃうか」
商業ギルドは、薬師ギルドの登録よりも簡単に出来る。
書類と本人確認の魔力登録のやり取りだけだし。
口座も魔力登録が必要だけど、これも簡単に出来る。
魔道具に魔力を流して登録。
お金を取り出す時は、各ギルドの窓口で下ろせるし、他の領地にも各ギルドの分室があるので、そこで出せる。
本人が窓口に行けない場合は、魔力を登録した何かと、委任状、窓口に来た人の本人確認、魔力登録が必要と。
魔力登録した何かとは、何でもいいらしい。
宝石、名刺、短剣など。
へぇ。
「よし、これで完了だ。これからよろしくな!」
「はい、よろしくお願いします!」
「で、な、オークション、二つ星の月1日に行われる。リェスウルフもオークションになった。ボスの毛皮もオークションに出せ出せと、もの凄く言われたけど蹴ったからな、近々渡せると思うよ。ちゃんと鞣してあるから」
「よかった!ありがとうございます!」
やったー!何に使おう!コートとか素敵じゃない??
「あー、毛皮な、コートとかに使うなら、毛は中にしとけよ?バレるからな」
がーーん!あんなに綺麗なのに!!
「いやそんな顔するなって。来年ならそのまま使えるかもよ?」
ぇぇぇぇ。なんの慰めにもならんがな。
「はぁ、分かりました」
ヘルベスさん苦笑。
まーーねーー仕方ないけどさーーぁ。
ちぇー。
「部屋の敷物にでもします」
ヘルベスさん驚愕。
「いや、おま、はぁ……まぁまだ15だろ?来年まで取っとけよ。な?」
はっ!そうだ!
「また狩ればいいんですよね!?」
ぐっどあいでぃぃぃあ!!
「は!?あんなの何度も狩れるかよ!!」
ぶーぶー。




