お昼ごはん。
キッチンに入る前にクリーンを掛ける。
「あら、なかなか綺麗好きね」
「うちでもやってる事なので」
「いい事ね!見習いましょ!実はカウカウのシチューを仕込んであるのよ〜。たくさん作ったので、是非食べて欲しくって!」
カウカウ?って何だろ。
「楽しみです」
にっこり。
「若い子は好きよね〜!まぁアタシも大好きなんだけどっ!やっぱりシチューならオークよりカウカウよ!」
うふふふふ♪
オークは知ってる!ブタみたいなやつ!
って事は、お肉の仲間?
「シャルルちゃんは何が好き?」
どっきーーーーん!!
何って聞かれても!!!名前知らんがな!!
「やっぱりカウカウが好きです!」
覚えたての名前言っとけばいいよね!!
「そうよね!少し調味料足せばすぐ食べられるから、ちょっと待っててね〜。その間にサラダ用のレシラちぎってくれる?」
「はい、お皿はどれに?」
「ここに入れてね〜」
レシラって何かと思ったらレタスか!!
危なっ!!レシラ出してとか言われたら、めっちゃ困るとこだった!!
この調理実習危険度高いやん!!
「パンはこれね、後は何がいるかしら?あぁ、飲み物ね!昼間だからお酒は無しね〜」
「そもそもわたしはお酒飲めないです」
ふふっ
「お茶かジュース、どっちがいい?」
「お茶でお願いしまーす」
「さて、食べましょうか!」
「いただきます!」
カウカウと思われるものをパクリ。
ああ!牛だ!!牛肉!なるほど!
オークの時も思ったけど、味が濃い!美味しい!
そしてブラウンシチュー!これレシピ知りたい!
「とっても美味しいです!これレシピ教えては貰えませんか?」
「あら!気に入ってくれた?嬉しいわ!そうねぇ?なら、試作のメニュー、教えてくれる?交換ならいいわよ」
「分かりました!スィーツですけど、大丈夫です?」
「もちろん!楽しみだわ!」
ゴツイオネエさんと、きゃっきゃうふふ。
見た目どうしても男性なのに(女装してるけどイケメンだけど)、ノリが女子だから、なかなか楽しい。
「あれ?そう言えば、お仕事はよかったんですか?」
「あぁ、ゴブリン騒動で忙しかったから、午後から休み貰ったのよ。ギルマスにも働いてもらわないと!分室は低ランクが多いから、細々と忙しいのよ〜はぁぁ」
と、深ぁぁぁいため息。幸せ逃げるよ?
そして、ラシードさん、がんばれ。
「お疲れ様です」
いやホントに。
「シャルルちゃんがもしハンターになったとしても、本部扱いになるだろうしね〜。まぁポーション作るのも大変だろうし、素材で必要あるものは言ってくれたら依頼を出すからね?無理しないのよ?」
「はい、ありがとうございます」
その後、お茶を飲みながら午後のひと時を楽しんだ。
帰り際に、インベントリに入ってた、アップル(アプリ)パイ片手ver.とクッキーを置いてきたが、めっちゃ喜んでいた。
本当に甘いの好きなのね。
お家までは、テクテク歩いて帰ったよ。
◇◇◇
むふ。
むふふふ。
むふふふふふふふ!!!
やったわ!!お菓子のレシピ!!
狙ってたのよ〜!
だってだって!サラナちゃんが自慢するのよ!?
とっても美味しかったって!
まだレシピ登録出来てないけど、絶対するって息巻いてたもの!!
新作!どんなお菓子かしら〜!
夏が楽しみね!!
しっかし……本当に綺麗な娘だったわね。
あの子がゴブリンを討伐したとは思えない、けど。
華奢な身体、細っこい腕で30体以上?
まぁ魔法も使ったって事だし、魔法メインなら分かるんだけど。
だって魔法使いって全体的に筋肉着いてないし。
でも、ねぇ、剣で斬ったなんて、身体強化をずっと使わないと無理よね。
やっぱりあの娘、ハンター向きなのに!
それにレシピ。
あの様子だと、まだまだありそうよね。
うふふふふふ♪
先の楽しみな娘が出てきたわね!
アタシ見ても変な顔しなかったし!
それに”オネエ”(さん)だなんて!よく出来た娘だわ!
仲良くしてもらわないとね〜♪




