世界樹目指して。
『ラシードだが、マイク今日時間取れないか?』
「うん?何時頃だ?」
『午後から』
「まぁ大丈夫だ、何かあったのか?」
『会った時話すわ。サブマスも連れてく』
「……わかった、こっちに来るんだろ?」
『そうだな、うん、そっち行くわ。また後で』
サブマスもって事はポーションの販売に関してかな?
夏から本部で取り扱いお願いしたいし、丁度いいか。
◇◇◇
毒消し草は採れたから、状態異常の薬草を採りに行きたい。
こーゆーのは勢いだよね!
聖域の近くにあるって言ってたし、ここから登って行けば、短時間で済みそうだし!
もう魔獣も倒せるの分かったし、気配探知とか、使ってれば逃げる事も出来ると思うのよ。
で、思い立ったが吉日!
早速行っちゃうよー!
はっ!?王都忘れてた!
クリームチーズ……も、今度でいいや。貰い物って言ってあるし。
サラナさん、すまん。
よし!目の前の目的に向かっちゃうもんね!
◇◇◇
さてと、まずは世界樹目指してGOGO!
ゴレくん使えないから、身体強化で走るか。
身体強化で走ると、忍者みたいだよね!
……忍者ってなんだっけ。
まぁいいか。
シュタタタタタタタ!ターンターン!
タターン!シュタタタタタタタ!
倒木とか、でっかい岩とか、飛んだり跳ねたりで躱していく。
これはこれで楽しい。くふふっ
ただでさえ大きい世界樹が、近付くにつれて、ますます大きく、いや、でーーっかく!見える。
シュタタタタタタタンタンタンタンタタン!
タタン!
ぐはーーー!!これ本当に木なの!?
大人が何人手を繋いだら1周出来るんだろ?
すっごいなぁ……。
不思議なんだけど、ぽっかりと世界樹の周りは開けているし、世界樹の落ち葉が見当たらない。
とりあえず、ご挨拶しておかないとね。
こんにちは、初めまして。
あなたの聖域の中に住まわせて頂いてるシャルル・エイプリルです。
騒がせてごめんなさい。
ちょっと通して下さいね。
ひらり……
ん?葉っぱが落ちてきた!!
ひらり……ふわり……と手の上に1枚。
狙ったように舞い降りた。
これ、鑑定してもいいのかな?
”鑑定”
わぉ、情報読めないや。
て事は、めっちゃ貴重な葉っぱって事か。
えと、この葉っぱは頂いていいのですか?
さわさわさわ……
こ、これは、お返事くれたって事かな!?
ありがとうございます!大事にします!
それでは通らせて貰いますね、また帰りに来ます。
さわさわさわ……
優しい風が吹いた。
柔らかく髪を揺らし、頬を撫でていく。
心も身体も浄化されるみたいだ……。
世界樹の下を通る時は、ゆっくり歩く。
気持ちいい。
見上げると、リス?のような動物が枝を飛んでいる。
この間、王都で見た、あの子と同じ種族かな?
ふふっ可愛い。
いつか家にも遊びに来てね。
森を降り、暫くすると、キラキラとしたものが見える。
なんだろう?
わぁぁ!湖!!
すっごーーい!キレイ!!
湖を回り込んで、正面に世界樹を見ると、逆さ世界樹!
この辺りはまだ聖域の中みたいね。
あぁ、この頭の中の気配探知、切っちゃおう。
聖域の中だし、危険はないでしょう。
チカチカして気になるんだもの。
インベントリから椅子を出して休憩しよう。
少しだけこの景色を楽しもう。
きっと夜も星屑のシャンデリアが素敵かもしれない。
夏になったら、野営準備して来なくちゃ!
石橋を叩いて壊す程慎重だと自称していたが、シャルルさん大胆になってきました。やれやれ




