ご褒美の相談。
この話の前に閑話を挟んでます。読まなくても問題ありません。
「そなたが魔素を運んでくれたのだな?感謝する!」
雄々しい見た目の、それでいて見目麗しい男神様が、わたしを掴んで(掴んで!)上下に揺らす。
目が!目がまわ…うん、目と言うか!意識が回るから!
不思議なことに、わたしは自分の身体が無い事を自覚している。
地球にいた時は、意識もぽやぽやしていただけだったが、ここに来て少しずつ覚醒?してる感じ。
「魂も綺麗だのぅ。だから運ばれた魔素も清々しいのでしょうねぇ」
うん、見た目妖艶な女神様。もちろん美しい。
あなたが清々しいと感じたものは、わたしが屁と思ったものです。
なんかすみません!本当にすみません!
「それでね?武の、美の、この子にご褒美をあげたいの!星名:地球の神からは魔力∞を貰ったのよ〜、私たちは何がいいかしら?」
「魔力∞とな?」
「えぇそうよ〜、なので魔法全般はどうかしら?」
「魔法だけでは心許ないのではないか?やはりエモノを使って戦う事こそ魔物に対抗出来ると言うもの!」
「わらわはやはり美かのぅ」
「戦いにも美しさを!!」
「脳筋か?」
「脳筋よねぇ〜」
わたしを置いて話しが進んで行く。
しかしわたしが口を挟めるような事でもなく……。
そんなこんなしてる内に
「地上に美しい魔素が降り注いでるぞい!」
「風にも舞ってキラキラしてるのよーぅ!」
わぁ別の神様がいらっしゃったぞーぅ。
「土の!風の!この子が星名:地球から魔素を運んでくれたのよ〜。あっ!時のも来たわね!」
わらわらと集まる神様たち。
え、わたし身の置き場がないんですけども。
身、ないんですけども。
やいのやいのと話をしてる神様の横で、所在無さげにいるわたしを気遣って、椅子とお茶を勧める天使様。
うん、かわいい。
でもね?座る、と言うより、乗っかる、と言う方がしっくり来るというか。
天使様と少し話をしてみた。
天使様は使い古された魔素の浄化をして地上に返還してるんだって。
綺麗な魔素が増えた事で、仕事に余裕が出来そうだと喜んでいた。
うん、かわいい。
そうしてる内に
「わたし達だけで決めてもアレだから本人の希望聞いてみましょう〜」
え、わたしにお鉢が回ってきた!
希望?希望……。
えっと、人に生まれ変われるなら小さくて良いので、安心安全快適なお家が欲しいです。
後、手に仕事が欲しいかなぁ。
「もちろん人に生まれるわ〜。お家と仕事ね!職業選択の自由〜あはは〜ん♪」
「家なら聖域に……」
「ガワが小さいなら空間魔法で……」
「仕事はスキルで……」
女神様?そのフレーズって……。
こしょこしょと固まって話してる神様たちを待ちながら、お茶を飲むための手がなく、悲しくお茶が冷めるのを見ていた。
ここでも時間の概念があるのかどうかも分からないのだが。
次回本編更新はちゃんと18時に設定してます!紛らわしくて申し訳ない!