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番外編 ヘルベスさんへの贈り物。

活動報告で「おまけ」として載せていたものです。

 ※153話 彼ママに会うなら!を読んでから、こちらをお読みください。



 ジークの実家に持って行ったケーキ箱。

 あれと同じ様に書類を入れる文箱っつーの?書類箱っつーの? それを作ったので、ヘルベスさんにオークションの時のお礼として持って行く。


 ヴァイパーってヘビの革なんだけど、模様が凄くキレイだったの!

 色も、わたしが思い描くヘビの色じゃないんだよ。

 黒ベースに多彩な幾何学模様、まるで魔法陣みたいなの!

 ガラスコートだけど、強化魔法掛けてあるから割れないし、たくさん入れても分かりやすいように、中は区切って、それぞれに空間魔法掛けてあるんだ。

 書類だから時間停止はいらないよね?

 使ってくれたら嬉しいな〜!







 ◇◇◇


 「こんにちは! ヘルベスさんはいらっしゃいますか?」


 「あら! こんにちは、今日はポーションの日じゃないわよね?」


 「はい、ちょっと用事があって」


 「予定確認するから、少し待っててね」


 「はーい」




 ふたつ隣の窓口に、厨房服の人が来たみたい。

 あそこはレシピ受付って書いてある。


 「ちわーっす! 今日のは自信作っすよー!」


 「……ねぇ、毎日来るけど、登録しないわよ?」


 「えぇ!? 何で!? 味見するだけしてみてよ! 昨日とは違うんだから!」


 「このやり取りも毎日よ? いい加減諦めてよ。昨日とは違う詐欺も聞き飽きました!」


 わーわーぎゃーぎゃーと、言い合いが凄い……。




 「お待たせ! 後少しだけ待ってて、ですって」


 「はい、ではベンチで待ってます。所で……」

 ちらりと視線で、あれは何?と問う。


 「ん? あぁ、あんなの日常茶飯事よ。レシピ登録しても売れなきゃどうしようもないのに、一攫千金狙って、クッソ不味いレシピを売り込みに来るのよ。評価するこっちの身にもなって欲しいわ」


 くそまずい!? 辛辣っ!!


 「ああいうのを撃退するのが受付の仕事なの」

 にっこり


 え、受付って、そんな仕事だったっけ!? って、そう言えば、サラナさんが言ってたような……。

 「……お疲れ様です」


 「レシピだけじゃないのよ、どんな商品でも、売り込みは激しいのが多くてねぇ。このギルドでは気の弱い人は仕事に向かないわね」


 「撃退しないとダメだから?」


 「そういう事」

 ふふふっ


 受付嬢って、にっこり笑ってるだけじゃダメなのか。


 「あぁ、ギルマスからOK出たわよ。執務室へ行ってね」


 「ありがとうございます。ではお仕事頑張って下さいね!」


 ふふふふっ

 「ありがとね」






 ◇◇◇


 コンコン

 「シャルルです」


 「どうぞー」


 「こんにちは! 突然すみません」


 「あぁ大丈夫だよ。今日はどうした?」


 「あの、オークションの時のお礼を、と思って」


 「え、律儀だなぁ。気にしなくて良かったのに。お茶入れるから、ちっと待っててな」


 「はい」


 執務室をぐるりと見回す。

 デスクの上には書類の山。

 うん、文箱使ってくれそう?

 お菓子出しておこうっと。

 今日はクッキーアソートだ。




 「はい、お待たせ。お! 茶菓子ありがとう!」


 「いいえー。では早速、オークションではお世話になり、ありがとうございました。これ、良かったら使って下さい」


 「ありがとう。開けても?」


 「はい」


 風呂敷包にしたプレゼントを開けたヘルベスさんの時が止まった。

 ように見える。

 微動だにしないぞ。

 あれ?


 「あの?」


 ぴくっ……と動いたと思ったら、徐に包み始めた。


 「あの?」


 「……シャルル」


 「はい。もしかして、お気に召しませんでしたか?」

 ヘビはダメだったか……しょんもり


 「あー、多分シャルルが思ってる事とは違う。これ、ヴァイパーだろ? シャルルが狩ったのか?」


 「いえ、わたしじゃないです」


 「この革を買ったのか?」


 「家にあったから使ったんですけど……ヘビ嫌いでした?」


 「家に、あった……?」


 「はい」


 「もしかして厳重に保管されてた場所から持ち出して使ったとか!?」


 「え? いえ、布と一緒に、くるくる〜って巻かれて裁縫室に」


 「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


 びっくぅ!!


 「ヴァイパーの価値!! そんな所に転がってていい素材じゃないの! しかもこの模様! こんなに綺麗に幾何学模様が出てる革なんて見た事がないの! 色彩も豊富だし! ここに使ってる革だけで、いくらすると思ってんの!? 金貨袋何十個!? 何百個!? 分あると思ってんの!? しかも! 何この箱!」


 「あ、文箱です。中にも仕切りがあります」


 「は?」


 ぱかりと箱を開けて、そっ閉じ。


 はぁぁぁ……

 「シャルル、これ、仕切りのひとつひとつに空間魔法掛かってる、よな?」


 「はい、たくさんあっても分類出来るようにしました。便利でしょ?」


 「……これは受け取れないぞ」


 がーーーーーーん!!

 「なら捨てます」


 「捨てるなっっっ!!!」


 「受け取ってもらえないなら、わたしは使わないし、捨てるか誰かにあげるかします」

 価値とか言われても、よく分からんもん。

 つーか、やっちまったなー。はっはっは!


 「捨てたり誰かにやるくらいなら俺がもらう!!」


 「いや、初めからヘルベスさんへのプレゼントですってば」


 「家宝にするレベルなんだぞ!?」


 「え、しまい込まないで使って下さいよ。ほらそこのデスク! 書類が山じゃないですか」


 「そうだけどっ! そうなんだけどっっ!!」


 「と言うことで帰りますね! あ、クッキーは召し上がって下さいねー。ではまた!」

 しゅたたたたた!!


 扉の向こうから雄叫びが聞こえる。

 職員さんが「何事だ!?」と走って行く。

 えぇ、わたしは逃走しますよ!

 ばびゅーん!








 その後、めっちゃ丁寧なお礼の手紙が届き、執務室に魔法鍵付きの金庫が導入されたとか。何とか。

 ……何かすんません。


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