ゴレくんでのんびり。
今日は第2門から街に出て、王都の外を目指す。
唸る爆音!は、ないのよ。
そもそもゴレくん、ほぼ音出さないからね。
精々シューンて音がする位。
第2門の門兵さんがこちらに気づく。
「お出かけですか?」
うんうん、前は徒歩だったから止められたけど、今日はゴレくんだから大丈夫ね。
「はい、開門お願いします」
「畏まりました、行ってらっしゃいませ」
観音開きの門が開いて行く。
そのままゴレくんで通り過ぎると、噴水のある広場?の前に出た。
おぉ!立派な噴水!
この噴水は、1区と3区にあるらしい。
ラウンドアバウトになっていて、ぐるりと周りながら行きたい方向に行く事が出来る。
わたしがうろちょろする2区と、この3区、実は結構離れている。
住宅内で第1門と第2門は、歩いてもそんなに時間掛からないのにね。
門でワープするのかなぁ?不思議!
さてゴレくんや、わたしは景色を眺めるのに忙しいので、王都の外へと行っちゃって下さいな!
自動運転よろしく!
ラウンドアバウトの流れに乗って走ってると、違う門が見えるよ。
別の住宅地の門だね。
街の中は時速30km制限があるから、のんびりと走る。
自動運転だから、キョロキョロしても大丈夫!
ゴレくんの中だから、外から見えず田舎モンと思われない!
王都の外まで、およそ鐘ひとつ分、朝ごはんのおにぎりを食べながら、のんびりと景色を楽しむ。
うぅ〜ん!良き!
下町に向かうにつれて、ハンターらしき人が増えてくる。
2区にあるハンターギルドは本部なので、そこそこ高ランクの人が多いんだって。
街の様子も2区と比べると、雑多な印象に。
こっち方面にもハンターギルドあるのかな?
なければ困るよね、獲物持って本部まで行けないもの。
ふむふむ。
もうすぐ王都から出る門が見えるはず。
ふぇぇ!でっかい門!!
ここまでが王都を覆う結界があるのかぁ。
門は、ほぼ閉めることはなく、閉めるのは魔獣が氾濫するような不測の事態の時だけなんだって。
出る時も入る時も、特に手続き等は必要ないけど、検問らしきものはあり、結界に引っかかる事があれば、何かしら尋問されるらしい。
やべぇ、ドキドキしてきた。
いや、悪事を働いたことなんてないけど!
ゴレくんの窓を開けてご挨拶。
「こんにちはー」
「はい、こんにちは。外では何を?」
「薬草採取に行きます」
「え?」
「え!?ダメですか!?」
「あ、あぁ、いえ、車使って薬草採取行く人はあまり、と言うか、居ないもので」
はっ!車持ってるのは富裕層!
自分で薬草採取なんてしないのか!
うがー失敗した!途中で降りるんだった!
「えっと……その……気まぐれ……で?かな?」
あはは!と、冷や汗をかきながら言い訳する。
「あっ!あのほらこれ!薬師なんです!」
と、薬師ギルドに登録しているコインを見せる。
「あぁ、なるほど。本物ですね。分かりました。お気をつけて行ってらっしゃい」
あっぶねぇぇぇ!!
コインの存在思い出してよかった!!
これは入る時も気をつけなくちゃ。
わたわたせず、堂々と印籠を見せるべし!
大門門兵A:すんげぇ美少女がゴーレム車で薬草採取!?
いやないわ!ないだろ?って思ってたら薬師だった!!俺は君の作った毒薬なら飲むよ!いや寧ろ君に媚薬……げふんげふん。帰りも通るかなー、もう一度会いたいなー。
そんな感じ。




