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お披露目式。〜その14 当城〜

 お昼ごはんを食べて、全員で支度。

 パパにはチャーリーが、ママにはカサンドラとリリアが、ジークにはタージェスが、わたしにはカレラが支度を手伝ってくれる。






「……豪華ですね」


「この程度、お嬢様方の普段着ですよ?シャルル様なら、もっと豪華で良いくらいですのに……」


 いや、わたし庶民だし。


「本日は髪型はハーフアップに致しましょう」


 と、ハーフアップにしてくれるんだけど、髪にもビーズやら、花やら、結構盛りだくさん。

 まぁ重くは無いけど、ジャラジャラだよ!


「…………シャルル様、申し訳ないのですが、お飾り減らしても構いませんか?」


「はい、寧ろ減らしてください!」


「シャルル様の御髪が隠れてしまって……飾るより素の方が美しいって凄いですわ!」


 まぁある意味特殊な色ですもんねぇ……。

 そんなこんなしている内にカサンドラが来た。


「お支度させて頂きます。カレラ、御髪のお飾りは?」


「少なくしました。シャルル様の御髪が隠れてしまうので」


「確かに……。では、この様に……」


 と、それは見事な手さばきで編み込んでいく。

 前髪はポンパドゥール仕上げ。

 幅広のチュールレースリボンで後頭部からヘッドピースっぽく。


「わぁ!可愛い髪型!」


「お気に召して頂けましたか?」


「はい!」


 一見すると帽子にも見えるが、1本のリボンからこの形を作るとは。

 流石カサンドラ!

 真紅のベルベットドレスにピッタリ!


「シャルル様、お人形さんのようにお美しい……」

 ほぅ……


 あ、確かにビスクドールっぽい。

 人形座りでもしたら、等身大のドールだわ。

 ……ちょっと怖い。


「綺麗にしてくれてありがとう」

 にこっ


「とんでもない事でございます。お側で侍らせて頂ける事、嬉しく思います」


 むむぅ!こそばゆい!


「サポート、よろしくお願いしますね」


「はい、お任せ下さい」







 ◇◇◇


 玄関に行くとジークが待っていた。


「シャルル……凄く綺麗だ」


「ありがとう、ジークも素敵!」


 膝までの薄いグレーのサーコート。

 飾りがキラキラしい!


 そしてすぐ後に、ママをエスコートしてパパも。

 パパは黒いサーコート、ママはシルバーのマーメイドラインのドレス。

 くっはーーー!!大人の魅力ぅ!!

 しかも!ママのスタイルったら!もぅ!もぅ!


「ママ、素敵……♡凄くすごーく!綺麗です!パパも素敵!」


「まぁ!嬉しいわ、シャルルも素敵よ」






 ◇◇◇


 4人で超豪華なゴレ車に乗り込み、お城へ向かう。

 通常は、パパ、ママの車、ジークとわたしの車と分けるそうだが、今回は一緒に乗ってもらった。

 元宮廷魔術師団団長と元近衛騎士団副団長なので、護衛も兼ねてなら同乗でも大丈夫なんだそうだ。


 わたし達が乗ってるゴレ車の前に1台、後ろに3台が続く。

 うん、仰々しい。




「このドレス、シャルルのデザインにあったでしょ?あれを使わせて貰ったの。良かったかしら」


「もちろんです!ママの為にデザインされたようにお似合いです!」


 ふふっ

「あまり見ない形だから、少し緊張するわ」


 あー、ドレスと言ったら腰からふわりとさせる物が多いもんね。

 でも!

「マーメイドラインを着こなせるのはスタイル抜群じゃないと難しいんですけど、ママ完璧です!」

 えぇもう誰がなんと言おうとも完璧です!


「キャルがセクシーで、私がソワソワするよ」

 はははっ


「まぁ!エルバートったら……♡」


 ぉぅ、空気がピンクになってるわー。


「でも1番はシャルルだな」

 ふふん


 ちょ!ジーク張り合わないで!?


「男は姫を美しく魅せる為に頑張ろうか」

 ふふっ


「だね」

 くすくすっ


「あら、では女性は男性の努力を無駄にしないように振る舞わなくちゃね?」


 どっきーーん!

「頑張ります……」


 うふふふ♪

 と、笑うママ。

 いやぁ、ドキドキしてきちゃった!






 ◇◇◇


「ジークフリード・エイプリル様!シャルル・エイプリル様!ご当城なされました!!」


 ジークが先に降りて、エスコートされて降り立つ。

 周りに居た貴族達は深く礼をとる。


 うん、相変わらずのレッドカーペット。

 待っていたのはクリスティアンお兄様。

 ビシッ!と敬礼だ。


「本日よりご宿泊される宝珠の間にご案内させて頂きます!」


「頼む」


「はっ!」


 パパとママは、まだ車の中なのでそのまま別れた。

 お貴族様達よ、後で間見えるママのセクシーさにひれ伏すがいい。

 はははのはー!






 ◇◇◇


 今日はメイドさん達は先に部屋に入っていた。

 みんなの高速部屋チェックが見られなかった。


「ジークフリード様、シャルル様、少しお休みになられた後、お支度をして晩餐会、舞踏会でございます。本日より招待客もおりますので、立食となっております。陛下のご挨拶の後、お好きに回って下さいませ」


 お!という事は、みんなに会える?


「相分かった。……はー!この衣装疲れるわー」


「部屋着になさいますか?」


「シャルルは?」


「お願いしてもいい?わたしも一息つきたい」


「畏まりました。ではこちらへ」








 肌触りのいい、柔らかくて楽ちんな部屋着は気持ちいい!


「ドレスは綺麗だけど、やっぱりこっちの方が楽だわ」

 ふふっ


「さようでございますね。後鐘ひとつ半でまたドレスですよ」


「はい。頑張ります」


 メイドさん達に生ぬるい目で見られるけど仕方ないよね!

 楽が1番なんだもん!






実際メイドの視線は、生ぬるい、ではなく、微笑ましい、なんですけど、気まずさから後ろ向き。

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