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お披露目式。〜その5 会食〜

 ジークから問題児(おうひ)の企みを聞いた翌日。

 第1王子との会食だ。


 (くだん)の第1王子……。

 よもや、その人もわたしを狙ってる訳じゃあるまいな?

 そんな面倒臭い事になるならトンズラするズラ。


 まぁクリスティアンお兄様もユージーンお兄様も呼ぶって言ってたし、大丈夫だよね?




「シャルル様は、本当に何を着てもお似合いですわね!」


 今日はシックな真紅のドレス。


「ホント?真紅のドレスなんて初めて着るわ」


「ジークフリード様のお色ですもの、似合わない訳がありません!」


 はっ!ジーク色!?ちょ!


「あら、シャルル様の頬も真紅に……」

 ふふふっ


「カサンドラったら!」

 んもぉ!


「失礼しました。しかし、本当によくお似合いでございます」


「「本当にお似合いです!」」


 今日のお供はカサンドラ、リリア、カレラ、最強の布陣だ!

 戦うわけじゃないんだけど。

 いや、ある意味戦いなのか?








「シャルル、凄く似合ってる!綺麗だよ」

 ちゅ


「ジークも素敵!」


 ジークは白を基調に銀糸の刺繍が入ったサーコート。

 かぁっちょいいい〜ん♡

 ……しかしこれ、狙ったでしょ。


「後ほどクリスティアン様、ユージーン様がお迎えに参りますので、暫しお待ち下さいませ」


「分かった」


 現地集合じゃないのか。


「一応、護衛も兼ねてるからね」


「お城の中なのに?」


「城の中だから、かな。外では自由だけど、城の中は体裁とかあるからねー。面倒だけど仕方ないんだ」


「そうなの」

 ホントにめんどーだねー。


「フェスタリオスの時、自由に動けてたのは事情が事情だったからね」


 なるほど。

 釣りだったからか。

 そりゃお供ゾロゾロ連れてたら、警戒されていただろう。



 カランコロン〜♪


「さて、行こうか」


「はい」


 エスコートされて玄関に行くと、それはそれは煌びやかなお兄様方が立っていた。

 バッチリ正装しとる!


「やぁ!シャルル、とても綺麗だね!」


「クリスティアンお兄様も、とっても素敵です!」


「シャルルは何着ても似合うなー!」


「ユージーンお兄様は見違えましたよ?」

 くすくすっ


「あっ!言われちゃった!」


 あははははは!







 ◇◇◇


 前にクリスティアンお兄様、後ろにユージーンお兄様。

 その他近衛兵さんが4人、カサンドラ、リリア、カレラ。

 ……ゾロゾロと多い。

 しかし、こんなの当然よーおほほのほーって顔して歩かないとダメなんだって!

 お貴族様めんどーー!!





 第4扉の中とはいえ、結構遠い。

 この造り、どうなってんのかサッパリ分からんわ。

 見た目より中の方が広いんだもの。


 暫く歩いて、見えてきた大きな扉。

 謁見の時の扉より少し小さいけど、それでもジークが縦に2人並んでも頭はつっかえないよね、これ。

 ここが会食の場所なの?


 ……あ、ヤバい。

 食事マナーが心配になって来た。

 お兄様方が居るから安心しきってたけど、相手は王子様だったよ!


「大丈夫、怖い人じゃないし。高級なパピだ」


 ぶふっ!

 流石にそれは通用しないんじゃないの!?




「ジークフリード・エイプリル様!シャルル・エイプリル様!クリスティアン・フランシア様!ユージーン・フランシア様!御成で御座います!」


 ゴゴゴゴ……じゃなく、スーッと開く扉。

 ひっろーーーい!ダイニング。

 最奥に座る、煌びやかな男性。

 うわ、クリスティアンお兄様に似てる!


「やぁ!いらっしゃい!」


「本日はお招きにあず「いやいや!堅苦しい挨拶は抜きでいいよ!」」


 席から立ち上がり、こちらに向かってくる王子様はにこやかだ。

 慌ててカーテシー。


「フェルディナン王子、お久しぶりでございます。こちらは妻のシャルルです」


「お初にお目に掛かります。ジークフリード様の、つ、妻の、シャルルでふ」

 噛んだああああああ!!


 ははははっ

「ジーク、いらっしゃい!シャルルさん、初めまして。会いたかったよ!いやー本当に妖精みたいに美しいね!クリスもユージーンもよく来た!楽しみにしてたよー!」


 席はお誕生席ではなく、王子様と対面で座った。

 立場としてはジークが上だが、今回は親戚としての会食にしたんだそうだ。

 ジークとわたし。

 王子様とお兄様方。

 ……何かの面接みたい。


「さぁ、堅苦しくしないでいいからね!」


 運ばれるお料理は、贅を尽くしたと言っても過言では無いと思しきラインナップ。

 これもお城の総料理長が頑張ったんだなー!

 コースになっているので、次から次へと運ばれるスタイル。


「ねぇジーク、馴れ初め聞かせてよ!」


「そうですね……仕事で出会って口説いたんです」


「……簡潔だね」


「出会いはインスピレーションですから」

 にっこり


「へぇ!シャルルさんもインスピレーション感じた?」


 え?

 思わずジークを見る。

「はい」

 って言っとけば無問題!


「このふたりは成る可くして成ったふたりだからね」


「クリスから見てもそう思うんだ」


「私もそう思います」


「ユージーンもか。凄いね!フランシアは家族みんな仲がいいからねぇ。……ユージーン」


「御意」

 ”防音結界”


 ん?


「うちの母がごめんね。あの人はお姫様だから……我儘が治らないんだ」


 え?


「僕は君らふたりの仲を裂こうだなんて微塵も考えてないから安心して。当然、母も抑える。何か言われても気にしなくていいよ。ジークにはその権限もあるしね」


「気にしていません。しかし、王子が簡単に謝っては……」


 はははっ

「ここだけの内緒話だよ。だから結界張ってもらったでしょ?君たちとは仲良くしたいからね。親戚でもあるんだからさ!」


 あの王様にしてこの王子様あり。

 王妃様に似なくて良かったね!


「フェルは変わらないな」

 はははっ


「堅苦しくするのは仕事の時と臣下の前だけでいいじゃない?親族での食事は楽しくしたいじゃん!ね?シャルルさん」


 ふふふっ

「はい」


「うわ!笑うと益々可愛いね!こりゃクリスもユージーンも可愛がるわけだ!私も仲間に入れてよね!」


「フェルは3番目だよ?」


「ユージーンの方が年下なのに!」


 あははははは!




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