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お披露目式。〜その4 謁見〜

「シャルル!ほっぺがピカピカ!可愛いよ」

 ちゅ

「あれ?いい香り」


「ママが香油をプレゼントしてくれたの。凄くいい香りでしょ?」

 うふふん♪


「あっ!先を越された!」


 ふふふっ

「ねぇジークもほっぺ、ピカピカだね」


「あぁ、無遠慮にゴシゴシされたしなー」


 無遠慮て!


「さっき誰かと話してた?」


「うん、ママにお礼しようと思って、ガルボさんに型のお願いしてたの。ちょっと魔法カード書いちゃうね」


 さっ!と出てくる文箱。

 中には花柄の縁どりの白紙の魔法カードとペン。


「流石ね!ありがとう!」


「いいえお礼など!当然の事ですので!」


 ふふっ

「それでもだよ。ありがとう」


 ありゃ、メイドさん顔真っ赤になっちゃった。

 かわいい♡


 さーてと、お茶会で使える数にすると、それなりの数が必要だよねー。

 50個出来れば大丈夫かなー?


「ねぇ?お茶会の規模ってどれ位か分かる?」


「はい。小規模でふたりから、中規模で10人〜30人ほど。大規模になりますと、30人〜50人位。国の主催ですと100人超える位でしょうか」


 おぉ、中規模でも30人のドレス姿のお嬢様方が集まれば壮観だよねー!

 よし、10個取れ×5枚にしておこう。

 でっかいオーブンあったもんね。

 あ、自分も欲しいから+2枚と、レシピ登録するのに1枚。

 キリよく10枚にしておくか。

 サイズ違いでミニの20個取れのも10枚お願いしよう。

 どうせなら蓋付きにしよう。

 コーンミールがあれば、イングリッシュマフィンも出来そうだしね!

 さらさらさら〜っと書いて、魔法で封印。


 さっ!と出てくる送り箱。


「素晴らしい!ありがとう!」


「シャルル様、褒めすぎでございます」


 頬染めて言っても可愛いだけだよ!


 くすくすっ

「じゃあ後はお願いしますね」


「はい!畏まりました!」







 ◇◇◇


 湯浴みの後は晩餐。

 給仕はカサンドラとリリアとカレラがしてくれた。


「総料理長、物凄く頑張ってる感満載」


 色とりどりな前菜からして気合いの入れ方が凄い。


「前回の.......”あれ”があるしな」


「呼んだ方がいいのかしら」


「発言をお許しください」


「うん」


「総料理長曰く、まだ顔見せ出来ませんが精一杯頑張りますと申しておりました」


「顔見せ出来ないの?じゃあ呼べない?」


「呼ばなくていいかと」


 あら。


「まぁ、そんなに日にちも経ってないしね、いいんじゃない?」


「なら、期待して待ってようね」

 ふふっ







 ◇◇◇


 翌日、王様との謁見の場。

 うん、王様が王様に見える。

 いや王様なんだけどさ!

 普段の行いを知ってるだけに違和感が凄い。


「よう来た。此度は婚姻の義、並びに披露目をめでたく思う」


「「勿体ないお言葉、ありがとうございます」」


「さて、披露目の儀だが、王城バルコニーだけでなくパレードも予定しているとか」


 え!?


「いえ、まだ詳細は伺っておりませんので分かりかねます」


「おや、そうなのか?宰相」


「はっ!只今調整中で御座いまして.......」


「ふむ。で、あれば早急に調整をしてパレードも組み込めば民も喜ぶのではないか?」


 えぇ!?


「はっ!そのように.......」


 えぇぇ!?


「ジークフリード、シャルル、それでいいか?」


「.......はっ」

 じろり


「人払いを」


 ささささささっと、その場にいた人が出て行った。

 宰相さんを残して。





「.......睨むなよジークー!あの事件を払拭するなら披露目を派手にした方がいいじゃん!?」


「.......はっ」


「硬いっ!普通にしてもいいからー!」


「して、本当の目的は?」


「え、長時間城に居るより、外に出た方が何かと無難だなーって」


「.......あー、言わんとしている事は察しました」


 なに!?何があるの!?


「王妃対策」

 こそっ


 どーーん!それかー!


「大体さー、ジークが謁見断るからだよ!?」


「人の離縁を目論む人には会いたくありませんから」

 にっっっこり


 は?


「ぎっくーん!何故それを!?」


「SSランクなんで」


「えっ!?SSランクってそんな事も分かるの!?」


「.......」

 にっこり.......


「あ、止めてそれ。目が笑ってない」


「王に進言致します。暴走を止めなければ出奔せずとも、自分達の行方は不明になる事もございます」


「え、やだよ。ちゃんと止めるよ」


「お願い致します」


「つーか、止めてるよ!?」


「はい、承知しております」

 にっこり


 はぁぁぁ.......

「困った人だもんねぇ。うん、必ず止める。安心せよ」


「ありがたきお言葉」


「心配せずに、披露目を楽しみなさい。また茶でもしようぞ」


「はっ!」


「では、次回は披露目当日だな。楽しみにしておる」


「「はい、御前失礼致します」」








 ◇◇◇


 部屋に到着して直ぐにジークを問い質した。


「さっきの離縁って何!?」


「あー、城の影よりフランシアの影の方が優秀だったって事だな」


「へー!って!そうじゃなく!」


「ブツクサ言ってたらしいよ?離縁させて第1王子とーって」


「え、その問題児さんが?」


「そう」


 うわ。

「ないわーって、いつ知ったの!?」


「初日だね」


 何と!あ、お風呂の時か!?


「元々苦手なのに、それ聞いたら二度と会いたくなくなったよ」


 そりゃそーだ。

 わたしも嫌だ。


「ま、何を目論んでも無駄だけどね」

 はははっ


 うむうむ。


「心配させたくなくて言ってなかったんだ。ごめんな」

 なでなで


 ふふっ

「心配なんてしないよ?何もさせないもの」


「うん。面倒になったら帰ればいいしな」


「うん!」

 余計な事しないでよー!問題児(おうひ)




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