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閑話 王妃とキャロル。

このお話の前に本編があります。

こちらは読まなくても大丈夫です。

「何ですって!?それ本当なの!?」


「はぃ.......」


「陛下!あなたからも何とか言ってくださいまし!」


「うーん.......」


「ジークフリード様もジークフリード様ですわ!市井にさえ降りなければ、わたくしの姪と引き合わせようと思ったのに!それに!シャルルさんもよ!聞けばあなた、ダンジョン攻略時の謁見でフェルディナンとの婚約勧めたんでしょう!?なのに!!」


「だーかーらー、その時既に婚約してたって言ったじゃないか。姪ってまだ10歳だろ!?」


「10歳が何よ!すぐ成人するじゃない!それに!王子よ!王子!立場的にも王子の方がいいじゃない!」


「え?ジークの方が上だよ?」


「あ.......。でもっ!王子なのよ!?いずれこの国の頂点になるじゃない!」


「いやいや!儂はまだまだ引かないよ!?つーか、まだそんな事言ってんの!?フェスタリオスで懲りたでしょーに!」


「それはっ!.......もういいわ!」

 ふんっ!!


 ドスドスドスドス

「開けなさい!」バタンッ!

 ドスドスドスドス.......


「「はぁ.......」」


「ホーエン、王妃は何故にあんなにヒステリックなんだ?」


「.......それにお答え出来るとでも?」


「だよなぁ.......」








 何よ何よ!謁見位いいじゃないの!

 ちゃんとした顔合わせもしてないんだし!

 フェスタリオスでチラッと会話しただけじゃない!

 陛下(あの人)も甥っ子には甘いんだからっ!!


「お茶はまだなの!?」


「たっ!ただ今!!」


「グズね!!さっさとしなさい!」


 まったく使えないメイドだ事!






 それにしても.......

 そんなにわたくしに会いたくない訳!?

 わたくしが何をしたって言うのよ!

 .......はっ!キャロル!?キャロルの言いつけなの!?

 そうよ、そうだわ。そうに違いない.......。

 これは早急にお茶会をしなければ.......。

 そうよ、呼び出して問い質さなくちゃダメよね!


「フランシア夫人に、お茶会のお手紙を書いて。日付は明日よ」


「畏まりました」


「それから、総料理長にお菓子の手配を!在り来りな物じゃダメよ!」


「畏まりました」


 メイドふたりに頼んだし、後は.......

「ドレスは最新のを用意して頂戴」


「畏まりました」


 本当に腹立たしい.......。

 明日、キャロルに謝罪して貰わないとね!







 ◇◇◇


【フランシア家】


「奥様、王妃殿下よりお茶会のお手紙が届いております」


「はぁ!?この忙しい時に!?無理に決まってるでしょうに!.......かと言って断れないし.......使者は待ってるの?」


「はい。明日の日付だそうで」


「.......バカなの?」


「奥様」


「あぁ、何か聞こえて?」


「いえ」


「宜しい。そうね.......」

 ”デンタツ”

「ジーク?王妃殿下が明日お茶会するって言うんだけど、ジークの名前で断っていいかしら。ドレスもまだなのに、行けるわけないっつーの!え?あー、なるほど。だからなのねぇ.......ふふふっ、ええ、ありがとう。ではそのように」

 フォン!


「チャーリー、お断りのお手紙をお願い。ジークフリード様とシャルル様のお披露目式の準備で行けませんって書いてね!もちろんジークフリード様からのお達しなのを前面にね!」


「畏まりました」


 謁見断られて、わたくしを叱責する為に呼ぼうとしたのね?

 そうはさせないわよー!

 ジークとシャルルの母として忙しいのよ!


「お茶とお菓子持ってきて」


「はい、ただ今」




 優雅にお茶してる場合じゃないのよね!

 って、あら!このお菓子美味しいわ。

「これは?また新しいお菓子ね?」


「はい!シャルル様考案の”ぷりん”と言うものです」


「まぁ!本当にシャルルは凄いわ!」


 まぁこれを持って行って王妃に自慢するのも楽しそうだけど!

 あの人ったら、学院時代から何も変わってないのよね。

 何かにつけ嫌味を言うんですもの。

 あの頃は立場的には変わらなかったけど、今はわたくしの方が下。

 だけど、ジークがSSランクになったからには、勝手な真似はさせないわよー!

 あー、本当に面倒な人!







 ◇◇◇


 ブルブルブル.......

 バシッ!


「ひっ!」


「断るですってぇ!?しかもジークフリード様のお名前を前面に出してきたのよ!式服を最優先にしろだなんて!!自分が縫う訳でもないのに!」


 こうなったら陛下から言ってもらうしかないわね!!








「と、言う訳なの。陛下からも何とか言ってくださいまし」


「今日の明日じゃキャロルの予定だって立て込んでるんだろ?何より式服がまだなら急がないとだし。もう2ヶ月切ってるからな。お披露目式が終わったら、ゆっくり時間取って会うのもいいんじゃないか?」


「この際キャロルはどうでもいいのよ!ジークフリード様とシャルルさんに会いたいの!」


「え?お茶会の話だろ?」


 あ.......

「キャロルの入れ知恵で謁見断られたから.......」


「.......フォスティーヌ。ジークは(キャロル)の言う事を聞いた訳ではないと思うよ。君のその思い込みは危険だ。立場を利用して言う事を聞かせようなんて傲りだよ。少し頭を冷やしなさい」


 .......陛下が立場ではなく、名前で、呼んだ。

 これは怒ってる.......。


「.......はい、申し訳ない事でございます」


「また夜にでも話そう。今夜は儂の寝室においで」


 ぱぁぁ!

「畏まりました」

 るんっ♪









「.......ベンツ、例のやつ(強壮剤)頼む」


「畏まりました(ファイトぉぉぉ!)」





実はかまってちゃんな王妃。

夜は野獣。ぶふっ

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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
[一言] やべぇ。王妃様が悪役令嬢に乗っ取られていらっしゃる。かくなる上は強壮剤ではなく強走薬グレートを用意しなくては。ε≡≡ヘ(*`∀´*)ノ
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